返品ポリシーとは?ECサイトの売上につなげるポリシーの書き方
更新日 2024年11月03日(公開日 2024年9月16日)
毎年、販売した商品の 6 %近くが返品されるといわれる ECビジネス。(出典:Recustomer)ECストアを運営する上で返品は避けられないものですが、ネットショップを作成するさい、返品ポリシーをしっかり作成することで返品を最小限に抑え、返品手続きにおいても良い印象を与えることができます。
今回のブログでは、ECストア起業や、ビジネスを始めるヒントとして、お客様に満足していただきながらサイトのコンバージョンアップにつながる返品ポリシーの書き方を解説します。
目次
返品ポリシーとは?
返品ポリシーとは、購入者が商品を返品できる条件や手続きについて定めたルールのことです。その主な目的は、消費者が安心して商品を購入できるようにサポートすることです。
返品ポリシーの重要な要素には、返品可能な期間、返品を受け付ける条件、手続きの詳細があります。これらの要素を明確にすることで、購入者と販売者の双方がトラブルを避けることができ、信頼性のある取引が可能になります。
01. 返品ポリシーの重要性
日本の場合、特定商取引法第11条および第15条の3において、通信販売を行う事業者に対し、返品に関する事項の表示が義務付けられています。一方で、事業者は消費者の返品の受付を義務付ける法律がなく、返品はあくまで、店舗のサービスとして扱われています。日本の返品ポリシーは消費者と事業者の双方の利益を考慮したバランスの取れたものとなっています。事業者は明確な返品特約を表示し、消費者はそれを十分に理解した上で購入を決定することが求められています。重要なポイントは以下の2点です。
法定返品権
消費者は商品等の引渡しを受けた日から起算して8日以内であれば、原則として商品を返品する権利があるとするものです。
返品特約(返品ポリシー)の表示について
事業者が返品ポリシーを掲示する場合、その内容を明確に表示する必要があります。表示が不明確な場合、法定返品権が適用されます。事業者自身、不当な返品からビジネスを守るために、返品ポリシーを明確に、かつ消費者が必ず見る箇所に目立つように、明示的に表示する必要があります。
返品ポリシーは購入者に安心感を与えるのに一役買っています。ポリシーは「商品を試したり直接見たりすることができない」という Eコマース特有の不安感を補い、アフタサービスがしっかりしている店舗であるという印象を与えることができます。明確に(そして、親切に)記された返品ポリシーを作成しておくことは、カスタマーリテンションの向上において重要な要因になります。
02. ECにおける返品率は?
ECの返品率は日本では比較的低く、一般的に5〜10%程度であることが分かっています。一方で、アメリカの場合、販売した商品の20%近くが返品されるといわれています。これには、いくつかの要因があります。
まず、日本には消費者の返品の受け入れを義務付ける法律がなく、返品はあくまで店舗のサービスとして扱われています。(返品ポリシーを表示する義務はありますが、返品サービスについては必ずしも義務付ける法律ではありません。)
日本の民法では、一度売買が成立した商品に対して、店舗側が返品・交換に応じる法的義務はありません。また、日本では、商品に不備や不具合がない限り、基本的に未開封かつ未使用でなければ返品は難しいのが一般的です。したがって多くのECサイトでは、自己都合による返品を基本的に受けて付けていないという背景ががあります。返品率が低いからと言って、必ずしもビジネスが健全であるとも限りません。現在、グローバル企業の日本進出に伴い、返品に対する考え方も徐々に変化しつつあります。今後、日本の消費者や事業者の返品に対する姿勢が変化する可能性もあるでしょう。
消費者にとって安心できる EC 購買経験を提供するために、消費者の期待に答える返品サービスを提供する努力が、今後ビジネス成長において重要となるでしょう。
EC返品ポリシー作成前の準備
返品ポリシーを作成するとなったら、念頭に置いてほしい要素がいくつかあります。これらの優先順位はビジネスのステージにより異なります。
すでに長い実績のある EC ストアであれば、他の競合サイトよりも目立つことを意識するかもしれません。一方で、新設されたばかりの EC ストアは、総合的なコストを抑えるため、配送にかかる負荷の軽減を重視することでしょう。
まずは以下のリストを確認し、自分のビジネスにとってもっとも重要な項目から優先順位を付けていきましょう。
競合サイト 競合サイトがどのような返品ポリシーを提示しているかを確認しましょう。内容を変えて、競合サイトと同じかそれよりも良い体験を提供できそうでしょうか?
配送コスト 発送した商品のサイズと重さは配送にかかるコストに大きく影響します。たとえば、サイズが大きい、重い、あるいはかさばる商品を無料配送にすると、ビジネスモデルとして現実的 / サステナブルとは言い難くなってしまいます(ドロップシッピングについてのこちらの記事もご覧ください)。
顧客の期待 既に採用しているポリシーやツールはありますか?また、ビジネスの種類やキャンペーンの内容に基づき、顧客はあなたのショップに何を期待していますか?
利益率 返品率からマイナスの影響を受けて利益が低下するのはどの点でしょうか?返品コストは顧客にも負担させるべきでしょうか、それとも全額自社負担にすべきですか?
返品時の物流フロー 現在の返品数に対し、どの程度うまく対応できていますか?もっと件数が増えても大丈夫ですか?あるいは返品が減った方がありがたいでしょうか?
返品ポリシーの書き方
効果的な返品ポリシーを作成するには、顧客視点での設計が重要です。実行可能であること、そして明確であることが求められます。また、ポリシーの目的や手続きをオンラインでも容易に確認できるようにすることが、顧客満足度を高めるポイントです。以下の書き方を参考にして、実行可能な返品ポリシーを作成しましょう。
01. 返品ポリシーのテンプレートを選ぶ
最低限の情報を含むオンラインの返品ポリシーのテンプレートを参考にすると良いでしょう。ただし、実際にポリシーを作成する前に、返品に伴って生じる現在と将来のコストを常に確認するようにしてください。ビジネスを運営する側として、返品コストが高すぎて利益率がマイナスになるような事態はやはり避けたいものです。
無料返品を行うだけの準備が整っていない、また返品ポリシーが自分のビジネスに適していないといった場合は、無理に採用する必要はありません。代わりに、ビジネスを支援し、顧客の期待に答えるようなアプローチを選びましょう。
多くの場合、最初はビジネスの種類に合った複数の返品ポリシーのテンプレートを組み合わせてオリジナルのポリシーを作成することになります。ビジネスが成長したら、顧客の反応などもふまえてポリシーの内容を変更すれば問題ありません。
02. 返品ポリシーの詳細をまとめる
新しいポリシーに加えるべき要素は主に6つあります。まずは、考えられるシナリオすべてに対応できることを示すため、以下のすべての質問に回答します。詳しく回答すればするほど、カスタマーサービスチームへの問い合わせ件数も抑えることができます。さらに、詳細な返品ポリシーは、問い合わせにかける時間を節約しながら、返品を一貫した方法で処理するのに役立ちます。
1. 返品対象の商品
全商品を返品可能にしますか?あるいは、欠陥のある商品のみを対象としますか?
セール商品は返品可能にしますか、それとも交換対応にしますか?
ハンドメイド商品またはカスタマイズ商品を販売していますか?その場合、これらの商品の返品を受け付けますか?
2. 返品対象の条件
開封済みまたは使用済みの商品の返品や交換を受け付けることはできますか?
返品する商品にはタグを添付する必要がありますか?
発送時の梱包のまま返品する必要がありますか?
メンバー種別や会員種別によって返品または交換ルールが異なりますか?
3. 返品可能期間
返品可能期限は商品を受け取ってから何日間ですか?
その期間を過ぎてから返品すると、商品はどうなりますか?
4. 返金対応
同じ商品に交換してくれますか?
元の商品がもう手に入らない場合は、それと同等またはそれよりも価値の高い商品を送ってくれますか?
現金の代わりに、ストアクレジットでの返金に対応していますか?
商品が返品されたら、全額現金で返金してもらえますか?
5. 返品費用
返品にかかる費用はありますか?
手数料は発生しますか?
前払いの返品ラベルはありますか?
返品費用は国により異なりますか?
返品費用は商品タイプにより異なりますか?
会員やリピーターは返品費用の割引を受けられますか?
元の商品を返品しなくても、返金または交換をしてもらえますか?その場合、どのような条件がありますか?
6. 物流
返品時の送付先住所はどこですか?
オンラインでの返品だけでなく、店舗への持ち込み返品にも対応していますか?
顧客は返品前にメールでサポートを依頼する必要がありますか?
注文明細・領収書などを顧客がプリントアウトして箱に入れる必要がありますか?
返品プロセスのどの部分まで自分で作業する必要がありますか?
これら6つのポイントそれぞれについて、短い文章で説明しましょう。下書きができたら他の人に読んでもらい、ポリシーが分かりやすくなるよう調整します。さらに、あなたのショップに特に関連する重要な情報が他にあれば、それも加えます。
ポリシーは、直接的な表現でありながら丁寧な文章にすることを忘れないでください。たとえば、「商品は14日以内に返品してください。さもなければ全額返金は致しかねます」ではなく、「全額返金をさせていただくため、14日以内に返品をお願いいたします」といった心のこもった表現を心がけましょう。
03. よくある質問を作成する
よくある質問(FAQ)のセクションをサイトに追加して、返品に関する質問を減らし、業務にかける時間を有効活用しましょう。顧客は疑問点を自己解決しやすくなるだけでなく、販売のサイクルにおける認識の相違や不満を減らすことにもつながります。
返金ポリシーにどのような情報を盛り込めばよいか分からない場合は、カスタマーサービスチームがもっともよく受ける質問について考えてみましょう。最初から顧客に聞かれそうな質問を網羅しておく必要はありません。一度 FAQ を掲載してから、さらに質問のアイデアが浮かんだ場合はそのたびに追加すれば良いのです。
04. 返品管理のプロセスを確立する
次に、実際に返品に対応する際に参照するプロセスを作成しましょう。返品を迅速に処理する必要があるのはもちろんですが、返品の状況を追跡し、解決策を心待ちにしている顧客にも同じようなレベルで返品状況を開示できるようにしたいですよね。
返品管理ソフトがあれば、返品処理をひとつの場所でスムーズに進めることができます。Wix Eコマースでは Shippo や ShipStation などのソリューションを統合して、返品ラベルの無料生成、セルフサービスによる返品、その他処理ステップの自動化といった機能を使用することができます。
注文のキャンセルをはじめ、PayPal、Stripe、Wix Payments で支払われた注文への返金、顧客へのメール通知などもすべて Wix のサービス内で行えます。
自分のチームで返品対応を行うだけの余裕がないという場合は、サードパーティロジスティクス(3PL)に返品管理の代行を相談することができます。その際は、3PL があなたの会社のポリシーを明確に理解していること、また返品可能な商品とそうでない商品を把握していることをしっかりと確認しましょう。たとえば、顧客への代替品の発送、再販売可能な商品の判別、輸送中に商品が損傷した場合の信用のために輸送業者を追跡するなど、販売後の各種アフターケアを依頼可能です。
05. 返品ポリシーを分かりやすい場所に掲載する
返品ポリシーが完成したら、ショップがきちんと返品ポリシーを定めていることが顧客に伝わるよう、分かりやすい場所に表示しましょう。
たとえば、Web サイトの次のような場所に掲載することができます。
Web サイトのフッター
よくある質問ページ
商品ページ
カゴ落ちの自動通知メール
その他該当する自動メール
Web サイトのチャット内
先ほどお伝えしたとおり、見つけやすい場所に分かりやすい返品ポリシーを掲載しておくことは、顧客の信用を構築し、適切な期待を持ってもらう上で欠かせない条件です。
代表的な返品ポリシーの事例6選
ビジネスに最適な返品ポリシー戦略を決定するためには、やはり何度か試行錯誤を繰り返す必要があります。そのため、顧客の反応や最終的な利益をみながらポリシーの内容を修正していきましょう。ここでは、さまざまなビジネスで採用されている一般的なポリシーの一例をご紹介します。
01. 厳格な返品不可ポリシー
文字通り、返品を一切受け付けない方針を打ち出すものですが、これを採用するには注意が必要です。厳格な返品不可ポリシーは買い手を抑制し、ブランドの信用に亀裂を生みかねません。以下のような限定的な状況においてのみ採用することをおすすめします。返品不可ポリシーを導入するのであれば、商品の説明文と写真は特に詳細に記載し、「実際の商品のサイズ、特徴、お手入れの方法が思っていたものと違った」といった事態を防止しましょう。
このポリシーを採用しやすい EC ビジネスの種類
低価格または激安価格の商品を専門とし、返品を受け入れる方がコストが高くつくようなビジネス
修理品、在庫過剰、売り切り商品を専門とするビジネス
商品を現状のままで販売するビジネス
廃業寸前または在庫一掃セールを行うビジネス
最小限の収益率で、コンバージョン率を高めるために別の方法に注力しているビジネス
メリット
売上1件あたりの利益が最大化する
ビジネスを運営する間に生じる間接費が最小化する
予定外の在庫変動が少ない
デメリット
すべてのリスクを買い手が負うことになるため、購入を完了する買い手が減少する場合がある
安っぽさや信頼できないという印象を与える(理由が詳しく説明されていたとしてもその可能性があります)
カスタマーサービスが顧客に返金、返品、または交換の対応をしようとするうえで負荷が生じる場合がある
本質的にポジティブなカスタマーエクスペリエンスを実現できない
02. 限定的な返品・返金ポリシー
受け付ける返品のタイプや対応する返金レベルを制限・限定する方法は多数存在します。限定的な返品ポリシーを採用している企業の多くは、欠陥または機能に問題のある商品のみ返品(および全額返金)を受け付ける方針を取っています。それ以外の商品はすべて返品可能ですが、送料は含まれません。
返品可能期間を短くすることで、購入者のリスクレベルを最小化しながらコスト削減も実現できるのがこの方法のメリットです。しかし、返品可能期間の設定には注意が必要です。短すぎれば顧客が不満を感じ、全体的な体験に影響する可能性があります。さらに、心理学的にも、返品可能期間が長いほど、消費者が「すばやく最終決断をしなければならない」というプレッシャーから解放されるようになるため、衝動的な返品が減少するとされています。
返品時の送料は一部購入者負担としているビジネスもあります。または、返品は受け付けるものの、返金総額から返品時の送料を差し引く旨を返品ポリシーに明記することもできます。
このポリシーを採用しやすい EC ビジネスの種類
返品率を維持し、関連コストを低く抑える必要があるネットショップ
競争力を持つが、各種費用はコントロールし続けたいと考えるスタートアップまたは小規模ビジネス
返品件数全体を縮小したい企業
メリット
買い手の購入への迷いが中程度の場合は決定打になる
買い手が感知するリスクレベルが低下する
ビジネスのニーズを支援するようカスタマイズ可能
ビジネスの成長に合わせて拡張しやすい
スタートアップや小規模ビジネスにとって自由度が高い
デメリット
業界基準や競合ビジネスがより寛大なポリシーを設定している場合は、買い手の期待に完全に応えられない場合がある
買い手のリスクを完全に取り除くわけではない
03. 交換またはストアクレジットのみ対応
すでに低価格の商品を販売しているビジネスにとって、大量の返品はすぐにコストオーバーを招いてしまいます。こうしたコストを最小限に抑えるために、ストアクレジットか簡単な交換手続きを提案します。たとえば、商品の「サイズ」を理由に返品リクエストをしたお客様には、別のサイズとの交換を提案するのです。
ただし、やはり交換対象の条件には制限を設けること(チケット商品、未使用品、未開封品など)が重要であることを覚えておいてください。さらに、返品詐欺や再販不可能な商品の返品があれば、企業のコストになる可能性があります。
このポリシーを採用しやすい EC ビジネスの種類
利益率の低いブティックや衣料品店
ハンドメイドや一点ものの商品を販売するビジネス
安定したオンラインブランド
実店舗のあるビジネス
メリット
ブラケティングを最小限に抑えられる
買い手が感知するリスクレベルが低下する
リピートビジネスにつながる
顧客を理解するチャンスが増え、カスタマーエクスペリエンス全体が向上する
大きな在庫変動が少なくなる
受け取り、再梱包、再入荷にかかる費用が最小化する
デメリット
買い物に不満のあるユーザーはポリシーに騙されたと感じる
顧客満足度の維持には素晴らしいカスタマーサービスが欠かせない
慎重に検討したうえで購入するよう顧客に圧力を与える
新規顧客の平均的なカート内商品数が少なくなる
04. 均一料金の返品ポリシー
返品時の送料全額を負担するのではなく、均一料金とすることで返品にかかるコストを最小限に抑えることができます。返品コストの一部を顧客と折半するイメージです。見込み客を抑制しないよう、料金は最低限に設定するようにしましょう。
低コストの発送ラベルの提供は、均一な返品料金を導入する方法の1つです。また、サイズ、重さ、返品商品の数量帯に応じて異なる料金を提示することもできます。たとえば、商品1つの返品を一律300円、返品商品が2個以上の場合は一律800円に設定します。
大きく、重く、かさばる商品の送料は高くなることを念頭に置いてください。したがって、送料がかかる商品の返品は手数料を分けて設定したほうがよいでしょう。
このポリシーを採用しやすい EC ビジネスの種類
返品率を維持し、関連コストを抑えてネットショップを作成したいと考えている費用をコントロールし続けながら競争力を得たいスタートアップまたはスモールビジネス
返品件数全体を縮小したい企業
メリット
ビジネスが費用を消費者と折半することができる
買い手が感知するリスクレベルが低下する
ビジネスのニーズを支援する
デメリット
業界基準や競合ビジネスがより寛大なポリシーを設定している場合は、買い手の期待に完全に応えられない場合がある
買い手のリスクを完全に取り除くわけではない
さまざまなタイプとサイズの商品を広く取り扱っているビジネスには適さない
05. 返品無料ポリシー
送料無料と返品無料への期待は、消費者の間で常に高いものです。これは特に、家具や家電などの高価な商品を購入する際によくみられます。返品無料を提示すれば、価格を理由にして購入を踏みとどまる買い手は大きく減少するでしょう。
しかし、すでに購入時に送料無料を提供しているのであれば、返品時の送料全額を負担するのは現実的ではないかもしれません。その場合は、会員特典として返品時の送料無料を提示して見るのも良いでしょう。
Wix の Eコマース機能なら、サイトに会員専用エリアを追加して返品を希望する顧客に特典を提供することができます。もっとも購入の多い(そして、もっとも返品の多い)ユーザーに送料無料を提供するのは常識的な感覚に反すると思われるかもしれませんが、価値の高い特典には顧客を呼び戻す力があります。返品時に送料無料であっても、リピーターの生涯価値は、一度や二度購入しただけの顧客よりもはるかに高いのです。
ただし、無料返品を実際に開始する前に潜在的なコストをしっかりと再検証しましょう。顧客は特典を失いたくないと考えるため、いくら運営の都合上でも返品無料を撤回しなければならないような状況は避けたいものです。
ショップの閑散期に期間限定で返品無料を実施するのも良いアイデアです。ポイントは「ずっとではなく、今だけ返品無料」と打ち出すこと。一時的なプロモーションを行えば、必要なデータの収集と持続可能なポリシーであるかどうかの判断が可能になります。
このポリシーを採用しやすい EC ビジネスの種類
高価な商品を専門とするビジネス
利益率の高い安定した企業
アパレルおよび衣類ブランド
メリット
顧客から好印象を得られる(特にアパレル購入時)
買い手のリスクを完全に取り除く
購入の障害を取り去る
信頼を構築する
ビジネスが真剣なものであり、安定していることを示す
ショッピングカートに入れる商品の平均個数が大きくなる
競争力のある差別化要因として作用する
デメリット
一度導入すると撤回するのにリスクが伴う
適正な人員配置と専門的な返品管理が必要
ブラケティングの確率が上がる
休日の在庫変動が大きくなる
配送コストが高くなる(大口の注文ほど配送コストが高い)
返品が増加するため、返品処理に時間がかかる
06. 返品不要の返金ポリシー
返品不要の返金ポリシーは、元の商品の返品を求めることなく顧客に返金する方針です。一見したところ、これは返品対応として最善とは考えにくいかもしれません。ところが、販売する商品や届けた商品の状態によっては(例:配達時に商品が損傷していたなど)、このほうが節約になることもあります。
商品の製造、パッケージング、各拠点からの輸送にはエネルギーが必要であり、これらの過程でカーボンフットプリントが排出されているのは言うまでもありません。その二酸化炭素量は、年間およそ1500万トンにも上ります。返品不要の返金は二重の意味で環境保護に役立つかもしれないのです。
環境を意識したビジネスであることを示せば、競合との差別化を図るチャンスが生まれる可能性があります。
このポリシーを採用しやすい EC ビジネスの種類
低価格または激安価格の商品を専門とし、返品を受け入れる方がコストが高くつくようなビジネス
利益率の高い安定した企業
大幅割引で過剰在庫を販売するビジネス
特別な状況(欠陥商品が届いたなど)
メリット
顧客が返品手続きのわずらわしさから解放される
競争力のある差別化要因として作用する
デメリット
商品が、その価値よりもビジネスに返送するほうがコストの高い場合にのみ適している
返品詐欺の確率が上がる(返品は通常、オーナーシステムに基づいて提供されるサービスである)
通常は宣伝を行わず、多くの場合、ビジネスと消費者が直接関わり、交換品が発送される、または返金が処理され、返品の必要がないことを通知する
商品の返品があったら
返品はビジネスにおいて避けられないものです。とはいえ、先に紹介したヒントを参考にすれば、返品における自社の立場を明確に伝え、コストを削減し、購入後のアフターサービスをより効率的に実施できるようになるでしょう。
返品ポリシーは、競争上の差別化要因として二重の役割を果たし、現在の顧客を満足させるだけでなく、リピート客を増やすために役立ちます。
まだオンラインストアを立ち上げていませんか?今すぐ自社のネットショップを作成し、EC サイトの売上をアップさせるための方法を学びましょう。
まとめ
返品ポリシーは、消費者と販売者の双方にメリットをもたらす重要なルールです。消費者に対しては、購入の安心感を提供し、販売者に対しては信頼構築と顧客満足度の向上を助けます。トラブルを避けるためには、明確で顧客視点に基づいたポリシー設計が求められます。信頼性のある効果的なポリシーは、長期的なビジネス関係を築くための基盤となります。
返品ポリシーについてのよくある質問
一般的な返品ポリシーの内容は?
返品ポリシーでは通常、特定の期間内(通常は14 日以内)に顧客が商品を返品し、返金または交換を受けることができます。たいていの場合、返送費用は顧客負担です。
小規模ビジネスにとって標準的な返品ポリシーとは?
返品無料ポリシーとは?
返品ポリシーのベストプラクティスは?
返品ポリシーを作成する際に検討すべきポイント
返金は法的義務がありますか?
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編集者:Miyuki Shimose
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