2023年8月14日31 分
最終更新: 11月20日
更新日 2023年8月14日(公開日 2018年6月6日)
新規ビジネスの起ち上げには未知のチャンスがあります。近年、ビジネスサイトの作成やネットショップの開設など、新しくビジネスを始めることがはるかに容易になりました。
しかし、ビジネスを始めるためには、他のビジネスと差別化できるあなただけの特徴を持つ必要性があります。そこで、本記事では起業の方法をステップを踏んで解説し、みなさんの新しい挑戦を総合的にサポートする実践的なヒントを紹介します。
新規ビジネスを始める決意
ビジネスアイデアの書き出し
ビジネス名の決定
Web サイトの作成
ビジネスプラン(事業計画書)の作成
ブランドアイデンティティーを確立
ピッチデックを作成
事業形態を選択
資本とキャッシュフローを確保
競合他社をチェック
開業届提出または法人登記
納税関連手続き、ライセンス、許可証などの申請
会計・経理体制の整備
強力なチームの構築
ビジネスの宣伝
「ビジネスを始める」ことは、素晴らしい考えです。起業をすることで、長らく抱いていた目標を達成するための第一歩を踏み出し、新しいスキルを身につけて困難を克服できるようになるなど、達成感や得られるものはたくさんあります。
自分でビジネスを始めたいと思っている人は、少なからず、すでにビジネスアイデアを試したことがあったり、他にはない画期的なビジネスアイデアを持っていたり、これまでの人生で、すでに起業家になるべく行動を起こした経験があるかもしれません。
起業には多くのメリットがありますが、一方で、待ち受けている現実への準備も必要です。世界トップクラスの企業も苦難の時を経験し、それを貴重な教訓として成長してきたのです。したがって、起業する前に、困難があっても乗り越えられる資質を身につけておくことが大切です。
まずは、温めているビジネス案は投資をする価値があるのか、起業に向けて決意があるかを改めて確認しましょう。
1:起業することへの熱意がある
カップルの間でも、「好き」という感情があるからこそ交際関係に発展するのと同じように、起業には、ビジネスへの揺るぎない情熱と「成功させたい」という強い願望が必要です。まずは、そのビジネスに自分は心躍るかどうかを確かめてみてください。ワクワク感があれば、その先に待ち受ける苦難も、挑戦と受け止め、乗り越えられるでしょう。
2:自分のアイデアを心から信じている
あなたのビジネスアイデアがどれだけ可能性に満ちているのかを、誰も理解してくれないときがあるかもしれません。しかし、そんな時でも自分の製品やサービスを固く信じて、何事にも動じず、だれにも邪魔されずに進み続ける意志の強さが必要です。
3:学び続ける覚悟がある
起業すると、自分がすべてをコントロールできる立場になると考えれば、仕事上は理想的な状態かもしれません。しかし、自分が企業の中心になるがゆえに、臆せずに新しいことを学んでいかなくてはなりません。むしろ、やるべきことは常にあるのですから、時間をかけて業界のあらゆる側面についてリサーチを行い、学びを怠らないようにしましょう。
4:資金調達ができる
人生を変える瞬間を見越してお金を貯めてきた人も、中小企業向けの融資を受ける資格がある人も、長期的なビジネス運営で最も重要なのは、キャッシュフローの確保です。バリューチェーンを理解し、堅実な財務計画を立てることで、会社としての支出をしっかりと管理しましょう。起業を考えている地域のファイナンシャルアドバイザーとの無料相談を予約して、さらなる見識を深めておくと良いでしょう。この段階では、専門家に助けを求めることが大切です。
ビジネス運営は、人脈、交渉力といった高度なコミュニケーションスキル、そしてマネジメント能力が不可欠と言われています。
5:失敗の恐怖に直面する覚悟がある
中小企業庁の調べによると、日本では個人事業所の約 62% が最初の1 年経過後も継続しています。さらに、76% が2年目も継続することは、想像よりも若干ポジティブな結果かもしれません。経営者は、事業計画をしっかりと立てて、失敗のリスクやスモールビジネスが直面するその他の課題を克服する強さが必要です。
6:自分の時間を管理できる
起業すると、多くの仕事をこなす必要があります。あらゆる種類のタスクを一手で回さなければならないため、1日まるまる使ってもまったく時間が足りないと感じるかもしれません。仕事をより効率的に進められるよう、1週間の計画をきちんと立てておきましょう。
そもそも、あなたが独立してビジネスを始めようと決意したのは、素晴らしいビジネスアイデアがあったからこそ。この人生を変えるようなひらめきは「アハ体験(エウレカ効果とも)」とも言われるもので、アドレナリンを分泌させ、自分よりも大きなものの一部になれるかもしれないと感じさせてくれる瞬間のことを指します。
しかし、ほとんどのアイデアはお金と時間を必要とし、潜在的なリスクも伴う可能性があることを心に留めておきましょう。そうならないようにアイデアを練り直し、テストして、実現可能なオプションであることを確認する必要があります。資金が心配ならば、低コストですぐに始められるオンラインビジネスのアイデアにも目を通してみてください。
1:ドロップシッピングビジネスを開始
予算内で中小規模のビジネスを始めたい場合は、ドロップシッピングが最適です。ドロップシッピングは小売業向けのフルフィルメントサービスの一種で、自分で在庫を管理せずに商品を販売できます。商品が売れたら、その後の業務はすべてサードパーティのサプライヤーに委託できるため、梱包や発送などにかけるコストや時間を節約できます。
ドロップシッピングビジネスに興味があるなら、まずドロップシッピングサプライヤーのアカウントを作成し、商品を選んで調達するところから始めましょう。次に、商品をネットショップに追加し、顧客がオンラインで購入できるようにします。顧客がチェックアウトしたらサプライヤーに購入情報が転送され、サプライヤー側から商品が発送されます。
ドロップシッピングで最も重要なのは、何を売るかです。「自分の知っているものを売る」のが良いと言う人もいますが、Wix は「自分の好きなものを売る」ことが成功の秘訣だと考えています。あなた自身が好きなことに対して、前向きにビジネスに取り組むことで、そのポジティブなムードに顧客を巻き込んでいけるからです。
2:オンデマンド印刷商品の販売
オンデマンド印刷とは、独自のデザインをサプライヤーに共有し、Tシャツやマグカップなど無地のアイテムに印刷して商品化することを指します。日常的に使う商品に個性的なデザインを追加して、オンラインで販売するには最適な方法です。フリーランスのアーティストやデザイナーにとっては、自分のクリエイティビティを収益化するという点でもおすすめです。
また、オンデマンド印刷を利用して、既存のビジネスアイデアをさらに発展させることもできます。たとえば、ネットショップをお持ちの場合は、メイン商品に加えて、ブランドロゴ入りのオリジナル商品も販売できます。これは、オンラインで売上を伸ばすために効果的な方法の一つで、ブランドアイデンティティの強化にも役立ちます。
3:プロフェッショナルなサービスの提供
ビジネスには、商品とサービスという2つの側面があります。商品の販売ではなく、サービスを提供するビジネスでは、基本的にスキルと専門知識を収益化することになります。
まずは、フィットネストレーナー、コピーライター、ライフコーチ、大工など、提供するサービスのアイデアを選び、その概要を紹介するホームページを作成してサービスを販売することから始めましょう。 オンライン予約ソフトウェアを使用して、顧客にサイトから直接予約してもらうことも可能です。
もっと詳しく▼
「サブスクリプションボックスの始め方 」について詳しく解説した記事もあわせてご覧ください。
いくつかの例を見て、起業に対するインスピレーションが得られましたか? そうであれば、この時点で一歩立ち止まり、自分の選択の背景にある動機をもう一度考えてみましょう。自分が、何のビジネスをだれのために立ち上げたいかを考えるのは常に良いことですが、「なぜそうしなければならないか」を自問することも、同様に大切です。
あなたの情熱に沿ったアイデアを選ぶことは重要ですが、その商品やサービスに対する市場の需要があるかどうかも大きな指標となります。ビジネスアイデアを成功させるには、スケーラビリティ(拡張性)と、ターゲットとなる市場のユーザーが長期的なニーズを持っているかという観点から、それ自身を見つめ直してみる必要があります。
ビジネスアイデアを本格的に実行に移す前に、まずは実際に試してみて、その妥当性を確認しましょう。フォーカスグループや情報収集目的での調査・インタビューなど、さまざまな方法があります。
また、ターゲット層向けのランディングページを作り、クリックされるかどうかを確認するという戦略もあります。低コストであるだけでなく、市場における消費者の需要を測定し、商品アイデアへの関心喚起にも役立ちます。
もし、あなたのアイデアが見込み客の興味を引かないことが分かったら、他のオプションを探りましょう。今のアイデアを改良してどのように新しいものを提供できるか、あるいは、どうすれば消費者のニーズにもっと直接応えられるかを考えてみてください。
満足できるビジネスアイデアが生まれたら、次のステップはビジネスの名前を考えることです。
ビジネス名の決定は簡単だと思われがちですが、実は複雑で困難なステップです。ビジネス名は、事業に関わるあらゆるところに表示されるほか、マーケティングやブランディング施策にも影響を及ぼします。適切な名称をつけ、潜在顧客に対してより良い第一印象を与えられるよう、よくアイディアを練る必要があります。
さて、ビジネス名の重要性をお伝えしたところで、各業界で長きにわたって実践されているビジネス名の決め方のベストな方法を紹介します。
大切なのは、顧客があなたのビジネスのことを忘れず、その後も見つけてもらいやすい、短くてシンプルな名前にすることです。普段のコミュニケーション(電話・メール・会話の中)で不自由なく、呼びやすい名前にしましょう。まずは無料のビジネスネーム作成ツールなどを使用して、アイデアを探しましょう。
その後、市場調査を行い、競合他社がどのようなネーミングをしているかを確認しながら、選択肢を絞り込みます。同じ業界の他ブランドの全体的な個性やトーンも参考にして、自社にぴったりの名前を探しましょう。
特に注意するべきポイントは、以下の4つです
同業他社で「同じ」または「類似」の商号がないか
ドメイン名を取得できるのか
名前を検索したときに表示されそうか
理想のロゴデザインと合わせられるか
ビジネス名を決めるときにもう一つ重要なのは、実際にビジネスとともに成長できる名前を選ぶことです。まず、今のビジネスを起点として、近い将来に拡張していく可能性があるすべての動線を考えてみましょう。これには地理的な位置、ニッチ分野、商品提供の方法など、あらゆることが含まれます。たとえば、イヤフォンを販売するネットショップで「イヤフォンアディクト」というビジネス名にしたとして、その後ヘッドフォンやアクセサリーなど他の商品も扱うようになった場合はどうでしょうか?場所や特定の言葉、商品の種類にちなんだ名前を付けてしまうと、事業を拡大したいときに制限される可能性があることを念頭に置きましょう。もちろん、ビジネス名はブランドの個性を反映した具体的なものであるべきですが、提供する商品を限定してしまうのはおすすめしません。
ストーリーとは、人々の共感を募り、絆を形成するのに役立つ普遍的なアイデアのことを指します。同様に、顧客の感情を揺さぶるブランドストーリーをビジネス名に組み込むことで、顧客を惹きつけることができます。
たとえば、アイリッシュ・スプリング(Irish Spring)社のデオドラント石けんは、アイルランドののどかな村や森の情景をイメージしたビジネス名です。元々はドイツで設立された会社ですが、その名前とそこから連想されるストーリーが、消費者の購買意欲を刺激するのに役立っています。
これは、ビジネスオーナーが考えるべき法的な問題です。2022 年現在、日本国内では同じ名称でも法人の設立は可能です。しかし、事業目的も名称も同じとなると、同じ称号を持つ他社から差し止め請求が出されたり、法的な問題に発展する可能性があります。ビジネス名を決める前に、まずは国税庁の法人番号公表サイトで既存の法人名を検索してみることをおすすめします。また、個人事業主の屋号については特に制限がありませんが、こちらの場合も、希望する名称を検索して類似のビジネスがすでに存在していないかを確認しておくと良いでしょう。
また、ビジネス名の可用性を確認する際には、考慮すべき点がもう一つあります。最終的にビジネス用のホームページを作成するのであれば、ビジネス名と類似した独自ドメイン名(インターネット上の住所)が必要になります。そのため、ドメイン名検索ツールを利用して、希望するドメインが利用可能かどうかを確認しておきましょう。サイトの作成とドメイン名の決め方についての詳細は、次のセクションをご覧ください。
かつてないほど多くの人々がインターネットを利用している今、ビジネスを始める上では、高機能の Web サイトが欠かせません。ビジネスサイトは、見込み客や投資家、パートナーもチェックするため、ブランドの魅力を打ち出すチャンスでもあります。
このことを念頭に置いて、スモールビジネス向けの Web デザインのヒントを見ていきましょう。
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「企業ホームページの作り方」について詳しく解説した記事もあわせてご覧ください。
本格的にデザインされたビジネス向けのホームページテンプレートを選んで、事業のニーズや狙いたい顧客層に応じてカスタマイズしましょう。Wix にはテクノロジー、不動産、金融、法律関連など、さまざまなカテゴリーのテンプレートが揃っています。Web サイトを通じて何をアピールしたいのかを考え、ビジネスの目標に合ったレイアウトを選びましょう。
テンプレートをカスタマイズしたら、次のステップに進みましょう。いよいよ Web サイトを公開するわけですが、これには以下の2つのプロセスが必要です。
まず、Web ホスティングプロバイダーを選びます。Web ホスティングとは、サイトのファイルを保存し、オンラインで閲覧できるようにするサービスです。Wix は中小企業のホームページで多く採用されている Web ホスティングプラットフォームで、年中無休のセキュリティ監視と SSL 証明書によってユーザーの安全を守るとともに、信頼できる無料の Web ホスティングを提供しています。
Web ホストを選択したら、登録したドメインをホスティングサーバーに接続する必要があります。これには数分かかりますが、Wix でサイトのドメインを購入すると、ドメインのセキュリティが担保されるほか、総合的なカスタマーサポートも利用できるため、操作に行き詰まった場合も安心です。
オンラインでビジネスを始めるにあたっては、SEO の基本的な知識が欠かせません。SEO(検索エンジン最適化)は、サイトへのトラフィックを増加させるために不可欠なものです。safari digital によるレポート(英語)にもある通り、企業がマーケティング予算の平均41%を SEO に割り当てているのはそのためです。
ビジネスに効果的な SEO 戦略構築の基本を説明する前に、 SEO とは何かについて、ここで再確認しておきましょう。SEO とは、特定のキーワードで検索されたときに、サイトの表示順位を向上させるために Web サイト上のコンテンツを最適化するプロセスを指します。たとえば、オーガニックのベビー用品を販売している場合は、「エコ ベビー」「ナチュラル ベビー」といったフレーズをサイトのコンテンツに組み込むと良いでしょう。そうすることで、ユーザーが Google 検索でこれらのフレーズを入力したときにあなたのサイトが表示される可能性が高まります。
サイトの最適化にあたっては、各業界特有の用語をチェックしたり、キーワード選定ツールを使ってコンテンツに組み込むべき検索キーワードを探すのも良いでしょう。これに加えて、覚えておきたい SEO 対策のポイントを以下でご説明します。
表示速度:ページの表示速度は、ランキング要因の一つです。ページが読み込まれる速さが、検索エンジンの検索結果におけるサイトの表示順位に直接影響を与えます。サイトのページは数秒以内に完全に読み込まれるか、表示される必要があります。また、読み込みが必要なコンテンツが多い場合は、画像のサイズを最適化して Web ページの負担を減らすことで、サイトの表示を高速化できます。
メタディスクリプション:検索結果で URL の下に表示される、サイトの短い要約文のことです。Web サイトのコピーと同じように、メタディスクリプションにもキーワードを入れ込んで最適化することをおすすめします。こうすることで 、Web サイトのクリック率が向上し、検索結果で上位に表示される可能性が高くなります。
Web トラフィックの仕組みをよりよく把握すれば、ビジネスサイトを効果的に運用するために最良の決定を下すことができます。
きちんと整理されたビジネスプランを立て、事業計画書に書きだすことで、アイデアを整理しましょう。ビジネスプランは、新しく始める事業をどのように構成・運営・管理するかについてのロードマップとして機能します。また、潜在的なパートナー、投資家、銀行にアプローチする際や、起業にかかる費用を割り出すといった面でも役立ちます。まずは紙にアイデアを整理し、それを順序立ててまとめていきましょう。
インターネットには多くの事例やプラン用テンプレートがあるので、様々な角度からインスピレーションを得ることができます。ここでは、ビジネスプランに記載すべき重要なポイントを紹介します。
1:エグゼクティブサマリー
ビジネスの提案やコンセプトをざっくり示した要約です。本格的なエレベーターピッチ(1分程度でビジネスの概要を説明すること)をすると仮定して、ビジネスの特徴やアピールポイントを簡潔にまとめましょう。
2:ミッションステートメント
自社のコアバリュー、目標、また質の高いビジネスを提供するための顧客に対する約束など、会社の目的を簡潔に説明したものです。競合他社と自社を差別化できるよう、効果的なミッションステートメントを考えてみましょう。各業界で知られる企業のミッションステートメントの例を見てみると、それぞれ自社の特徴を捉えた個性的なアピールがなされていることがわかります。
3:業界分析
スモールビジネスの動向や成長性など、属する業界に関する調査結果をまとめます。このセクションを作成する際には、業界の規模や今後どのように進化していくかに焦点を当てましょう。また、競合他社はどこかを考え、各社の強みと弱みもメモしておくことをおすすめします。
4:顧客分析
次に、ターゲットとする顧客層にフォーカスし、その顧客層にどのようにアプローチしていくのかを自問します。顧客のニーズを明確にし、商品やサービスがそれをどのように満たすかを明記してください。
5:財務予測
将来的に、どれだけの資金が流入・流出していくかを予測します。投資家は、リスクを正当化するために確かな数字を見たがります。売上予測(業界や市場のトレンドに基づく)、経費、埋没費用、キャッシュフローの見込み(売上予測と経費から算出)、予想される利益や損失などを盛り込みましょう。
6:運用計画
最後に、アクションプランをまとめます。チームとして活動する場合は、SMART ゴールと目標を達成するために、各メンバーがどのように貢献するかを書き出します。タイムラインや達成したいマイルストーンなどを盛り込み、具体的なスケジュールを立てるのがポイントです。いずれも、年単位、四半期単位で考えます。
スタートアップのためのブランド構築は、ビジネスを始める上でとても重要な要素です。ひと言で言えば、ブランディングとは、会社とそれに関わるすべてのもの(例:ロゴ、Web サイト、商品、サービスなど)に対して、一貫したトーンやアイデンティティ、価値観を作り出すことです。それにより、飽和状態にある市場の中であなたのビジネスを際立たせ、ターゲット顧客の間での認知度を高められます。
ビジネスにとって最も重要なブランディングアセットをいくつか紹介します。
ビジネスロゴ
ロゴは、あなたのビジネスを最も印象づけるものの一つです。会社の顔として、ビジネスの内容とその価値を表現するものでなければなりません。ロゴを作成する際には、個性的かつ識別しやすいデザインを意識し、適切なメッセージや感情が効果的に伝わる画像・色を使用しましょう。
名刺
「これだけデジタルが発達したのに、まだ名刺が必要?」と思う人もいるのではないでしょうか。しかし、メールで情報を送るよりも、名刺を渡した方が早い場合は多々あります。紙で大切な情報を発信できる手軽さ、持ち運びのしやすさ、取り出しやすさといった点は、あらゆる場面で効果を発揮します。
名刺メーカーで名刺を作成し、自分のブランドを美しいデザインでアピールしましょう。フォントやカラー、画像を自由にカスタマイズして、自分のブランドに合ったデザインに仕上げられます。
独自ドメインのメールアドレス
仕事用のメールアドレスを利用することで、オンラインでやり取りする顧客に対して、あなたの会社のブランドを印象付けられます。メールアドレスを見ることで会社名を認識できるため、企業としての信頼性とブランド認知度の強化にも効果的です。ビジネスメールの作成は、ほんのわずかなステップで完了します。設定が完了したら、独自ドメインのアドレスからニュースレターや購入確認メールなどを送信し、本格的にビジネスを展開していることを顧客にアピールします。
ブランドカラー
色は、ブランドのイメージを大きく左右します。色の配色によって「高級そうな印象」「信頼できる印象」など、あなたのブランドイメージを強調することができます。ブランドカラーを設定することで、ロゴデザインや、マーケティングクリエイティブに利用し、統一感のあるブランディングが可能になります。
タイポグラフィ
相手が読みやすい、見やすいフォントにしましょう。 Webサイトや、印刷物に統一したフォントを使用することで、エスタブリッシュされた企業であると信頼感を得ることができます。
トーン
一貫した口調や文体で情報発信しましょう。SNSや顧客とのコミュニケーションでは、印象が大事になります。ターゲット層のユーザーに親しみを持ってもらえるトーンを考えましょう。
タグライン
目を引き、耳に残るキャッチコピーを考えましょう。例えばナイキのスローガン 「Just Do it」や 日立製作所の「Inspire the next」大成建設の「地図に残る仕事」などが有名です。
ビジネス市場では、既に多くの企業とサービスが存在するため、あなたが最初の段階で卓越したアイデアを持つことは大事です。ビジネス市場へ飛び込む前に、あなたのターゲット層についてより深く理解しましょう。ターゲット層の年齢層やロケーション、価格帯を把握することで、適切なターゲット層へのアプローチが期待できます。ターゲット層に適したコンテンツやビジュアルを考慮しながら、あなたのビジネスの特徴を考えてみましょう。
ピッチデックとは、10〜15枚程度のスライドプレゼンテーション資料で、スタートアップ企業や事業会社が、自社の会社概要や事業計画、ビジョンを説明するために作ります。投資家が、あなたのビジネスが「何を、なぜ、どのように」行うのかを知るための簡単なプレゼンテーションです。Dropbox DocSend が行った起業や資金調達に関する調査(英語)によると、投資家は受け取ったピッチデックに平均 3 分 44 秒ほどしか目を通さないと言われています。
ピッチデックを成功させるためにベストな方法は、文章と視覚情報の両方で説得力のあるコンテンツを作成することです。以下のヒントを参考にして、ピッチデックの質を高めていきましょう。
ビジネスへの情熱を示す:まず、ビジネスアイデアを思いついてから、それを実現するために行ったコミットメントを示す興味深いストーリーを盛り込みましょう。そして、その情熱がアイデアの発想に役立っただけでなく、目標に向けて邁進する際に情熱がさらに増すことを伝えてください。
問題を解決する:取り扱う商品やサービスが、現在の市場におけるギャップをどのように埋めるか、あるいは問題を解決するのかを説明します。商品のライフサイクルを示すことで、そのビジネスが長期に渡って顧客に価値をもたらすことを潜在投資家に伝え、納得してもらいましょう。
データに基づいたコンテンツを使用する:データは信頼性を確立するために役立つだけでなく、市場のニーズを深く理解した上で商品やサービスを作っていることを示すことができます。
フォントサイズ、色、レイアウトを統一する:プロフェッショナルな印象を与えるためには、スライドの外観も重要です。コーポレートアイデンティティを反映した形式でまとめ、しっかりと考え抜かれたプランであることを伝えましょう。
では、正式なビジネスを立ち上げるにあたって最適な形態を見ていきます。どこで起業するかによっても異なりますが、日本国内での例を以下で紹介します。
現在における一般的なビジネスの種類は、以下の通りです。
個人事業主:法人を設立せず、個人で事業を営む人のことを指します。税務署に開業届を提出し、必要に応じて屋号などを設定できます。屋号は必須ではありませんが、屋号付きの銀行口座などを開設したい場合は考えておくと良いでしょう。
株式会社:日本で設立可能な会社の一形態で、中でも株式を発行し、資金調達を行って組織される会社を指します。出資者(株主)と経営者が異なるのが一番の特徴で、株主総会を開くことが原則とされています。
合同会社:アメリカの LLC(Limited Liability Company)をモデルとし、2006年の会社法改正に伴って導入された会社形態です。株式会社とは異なり、出資者が経営者を兼任します。株式会社よりも設立コストが低く、手続きが比較的容易であることがメリットです。
他にもさまざまな事業形態がありますが、どれが自分のニーズに最も適しているかは、個人責任の度合い、税金費用、事業登録の要件など、複数の要因に基づいて慎重に決定しましょう。たとえば、個人事業主は手続きが簡単ですが、逆に最も多くの個人責任を負うことになります。法人は個人と比べて社会的な信用度が格段に上がる反面、事業が赤字でも税金が発生します。
それぞれの形態についてしっかりと研究し、メリットとデメリットを比較検討した上で、自分のビジネスに合ったものを選びましょう。 必要に応じて、会社設立専門のサポート企業や、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
次に、事業資金について掘り下げていきます。ビジネスを軌道に乗せるためには、十分な資金と確実なキャッシュフローの両方が必要です。
助成金や融資の申請から、エンジェル投資家へのアプローチ、資金調達キャンペーンの立ち上げまでさまざまな戦略がありますが、ここでは資金調達におすすめの方法をいくつか紹介します。
中小企業向けの助成金の申請:助成金を利用する最大のメリットは、返済の必要がないことです。中小企業庁の補助金公募案内や、政府が運営するミラサポ plus などのサイトで最新の補助金事情をチェックしておきましょう。
クラウドファンディングキャンペーン:クラウドファンディングを活用すれば、アイデアを広く共有し、フィードバックを得ると同時に迅速・簡単に資金を調達できます。クラウドファンディングサイトは数多くありますが、それぞれの手数料や条件、また一般的にどのようなユーザーを集めているのかなどを考慮して最適なものを選んでください。
ブートストラップ(自己資金での起業):外部から資金を募るのではなく、自己資金を投入する方法です。自らのコストと財務リスクを軽減するために、初期は外部リソースを最小限に抑え、可能な限り切り詰めるのが理想です。
融資を受ける:中小企業は、銀行などの金融機関に融資を申し込むことができます。しかし、まずどれぐらいの金額が必要なのかを把握していることと、それなりの理由があることが条件となります。ビジネスプランに記載した財務予測を参考にして金額を見積もり、必要な融資の種類を選ぶと良いでしょう。
エンジェル投資家を見つける:多くの場合、エンジェル投資家(創業して間もない企業に出資する投資家のこと)は、共通の知人や家族のつながりなどから見つけられます。特に、創業の初期段階において個人的な資金で新興企業を支援する富裕層の個人が多く、エンジェル投資家とスタートアップのマッチングサイトなどからも連絡できます。
ビジネスを始めるにあたっては、競合他社の分析も必要です。競合調査は、市場の動向を詳しく把握できることはもちろん、潜在顧客に対する働きかけの強化、他社が提供する商品・サービスの理解、業界のトレンド予測などにも役立ちます。また、競合他社があなたの会社をどのように見ているかを予測し、自社事業の改善にも役立てられます。最も重要なのは、競合分析を通じて他社の成功例や避けるべき誤りを知ることです。
まずは、 SWOT 分析で競合他社の全体的なパフォーマンスを測定・評価するところから始めましょう。4つの象限を持つ表を作成し、そこに自社と競合他社の強み、弱み、機会、脅威をランク付けします。
強み:自社のビジネスがうまくいっている分野を記載します。そして、競合他社に目を向け、「どうすれば、彼らと同じことをより良い形でできるのか」と自問してください。競合の特徴を分析して何が顧客を惹きつけているのかを知り、自社のビジネス戦略の改善に役立てましょう。
弱点:自分に正直になり、できるだけ率直に答えましょう。「顧客からよく寄せられる不満や、好まれないことは?」
この質問に答えることで、「社内で何が問題なのか」といった抽象的な課題に取り組むのではなく、すぐに対処すべきテーマを絞り込めます。
機会:ビジネスを成長させるという観点で考えます。季節のイベントや環境に配慮した取り組み、トレンドのテストなど、新しい領域を開拓するさまざまな方法を考えてみましょう。
脅威:ビジネスに悪影響を及ぼす可能性のある外部要因に注意します。市場の変動から、消費者があなたの製品に興味を示さなくなるといった嗜好の変化まで、さまざまな可能性が考えられます。
本格的にビジネスに取り組む前に、法的・正式な事務処理をすべて完了させておきましょう。
個人事業主として活動を始める場合は、最寄り(一般的には納税地 =居住地)の税務署に開業届を提出します。屋号はオプションですが、上記のステップで覚えやすいビジネス名がすでに決まっている場合は記載すると良いでしょう。
本格的に個人事業を始める心づもりがあり、青色申告をしたい場合には、開業届と同時に「所得税青色申告承認申請書」も提出しておきます。また、勤めていた会社を退職して個人事業主として独立するという方は、国民健康保険への切り替えが必要です。
法人登記を行う場合は、法務局で申請を行います。個人事業に比べて資金と準備が必要ですが、早ければ1か月以内で法人を設立することは可能です。法人の設立によって信頼度が上がり、新規の案件契約がまとまりやすくなるなど、メリットはたくさんあります。登記を考えている地域の専門家に相談し、最も効率的な方法を検討することをおすすめします。
個人事業主の場合には、上述の青色申告届を提出(事業を開始した日から原則2か月以内)していれば、その年度の確定申告から青色申告が可能になります。事業を開始した日からその年の12月31日までに生じた所得や経費を記帳し、翌年の3月に確定申告を行います。
法人の場合は、設立時に決めた「決算月」に従って、1年に1回決算(年間収益、経費などをまとめた書類を作成すること)を行います。
たとえば、2024年4月1日に法人を設立し、3月を決算月とした場合は、2024年4月1日~2023年3月31日までが初回の事業年度となります。
この年度分の会計データをまとめて、決算月(3月)から2か月以内に税務署に申告する必要があります。
一人社長の場合、会計データの記帳から決算処理までを一人で行うことは可能です。しかし、法人経理に関する規則は年々改定されており、記帳する内容が増えてきた場合などに応じて、顧問税理士への依頼をおすすめします。
開業にあたって特定の許可証が必要な職種の場合は、必要なライセンスや許可証の取得を必ず行っておきます。
事業に関わる日々の支出・収入は必ず記録し、可能な限り領収書などのエビデンスを保管しておく必要があります。これまでは紙の帳簿やスプレッドシートなどで管理するのが一般的でしたが、今では、クラウド型の会計管理システムを導入している企業が増えています。個人事業主と法人のそれぞれに適した価格帯のプランが用意されていることが多いため、よく利用されている会計システムを調べてみましょう。
顧客から支払いを受けるためには、通常、事業専用の銀行口座が必要です。個人事業主の屋号名義、法人名義での口座開設には事業内容を示す書類一式の提出が必要で、通常3週間程度を要するため、早めに手続きしておきます。
1人だけのチームとして活動するのでなければ、ビジネスパートナーを迎え入れるのが一番です。アイデアを出し合える相手がいれば、その分ビジネスの範囲も広がります。あなたにないスキルや強みを持ち、共同でうまく事業を進められるパートナーを探しましょう。
従業員についても同じです。よほど小規模な事業でずっと社長兼プレーヤーとしてやっていくのでなければ、一人で何役もこなすのは難しいでしょう。経理担当、マーケティング責任者、ソフトウェアエンジニアなど、重要なポジションはたくさんあります。また、社内で雇用しない場合でも、フリーランサーや独立した請負業者からの支援が必要になってくることもあります。
さらに、少し規模が拡大してきた企業であれば M&A(合併・買収)も選択肢の一つです。他のビジネスを買収することによって、相手先の従業員は自動的にあなたの会社の社員となります。しかし、この場合は、2社のスタッフが可能な限りシームレスに協業できるよう、事前の意思確認が必要です。
採用活動を始めるなら、予算やニーズ、そして目指す企業文化をきちんと整理することが大切です。ビジョンステートメントを作成し、ビジネスの目標を明確にすることで、それを達成するために適切な人材を採用できます。
ビジネスを開始し、Web サイトを公開したら、スモールビジネスに適切なマーケティング戦略を立てて、事業を成長させていきましょう。最新の技術トレンドを把握し、自分のビジネスに導入することで、よりスケーラブルかつトレンドに即した事業を展開できます。強力なマーケティングプランがあれば、潜在顧客を引き付け、リードを生成し、売上を上げられます。
ここでは、最も一般的なマーケティング戦略をいくつか紹介します。
SNS マーケティング:多くの消費者が SNS を利用している現在、このトレンドに乗らない手はありません。SNS マーケティングは、多種多様なユーザーに向けてブランドのコンテンツを大々的に露出させるには格好の手法です。Facebook や Instagram、Twitter、LinkedIn など、ターゲットとするユーザーがアクティブに利用しているプラットフォームを絞り込み、ビジネスのニーズに合ったものを選びましょう。
メルマガ配信・CRM:メールマーケティングは、ブランドのプロモーションとエンゲージメントの構築に非常に効果的な手法です。メールを通じて顧客に直接アプローチし、ロイヤルティプログラムを構築したり、顧客の関心に基づいてメッセージをカスタマイズしたりできます。ニュースレター、メルマガ、ユーザーのアクションに対するメールでの自動応答など、さまざまなフォーマットのメールが利用できます。
コンテンツマーケティング:ターゲットユーザーを引きつけるために、ユーザーの関心に沿った価値あるコンテンツを作成・シェアしましょう。ブログの開設や管理、ポッドキャストや YouTube チャンネルの開設など、一口にコンテンツと言ってもさまざまな方法があります。ビジネスのニーズに合った媒体を使用して最新情報を共有したり、関連する業界ニュースを配信したりして、潜在顧客とのつながりを構築しましょう。今の時代のユーザーは、親しみやすく、高い頻度でアクティブに関わることができる企業を求める傾向にあります。
どのようなビジネスを立ち上げるかに関わらず、ビジネスプランの作成、資金調達、事業形態の選択といった「起業の基本」は、起業家として成功するための土台となる知識です。この起業ガイドで紹介したそれぞれのステップに沿ってビジネスを立ち上げ、成長させていきましょう。
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この記事を書いた人
Miyuki Shimose
SEO & ブログコンテンツマーケター