ネット物販ビジネスとは?初心者向けに徹底解説
ネット物販ビジネスの始め方を学びたくても、複雑で面倒に見えるかもしれません。ビジネスを軌道に乗せるには、アイデアだけでなくプランも必要です。この記事では、最初のひらめきからネット物販の開始、その後の作業に至るまで、ネットショップビジネスを開業するプロセスを具体的にお伝えします。
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ネット物販を始める10のステップ
どんな起業にも言えることですが、成功を手にするには入念な計画と準備が欠かせません。ここでは、ネット物販ビジネスを始めるための手順を10 のステップに分けてご紹介します。
01. 得意分野を見極める
感覚的には違和感があるかもしれませんが、細部から考えたほうがネット物販ビジネスを大きくするチャンスが高まります。つまり、まずビジネスの得意分野を決めるということです。
大まかなトレンドの調査は無駄ではありませんが、カテゴリーの幅を広げると、ひしめく競合他社の群れに直面することになります。米国を例に取れば、健康、パーソナルケア関連は 2027年までにネット物販市場の 13%を超える分野に成長する見込みですが、大手ドラッグストアや美容小売業者との競争は(不可能ではないとはいえ)新規参入者にとってはかなり難しいといえるでしょう。
大きな市場ではなく、ニッチ(すき間)市場を狙いましょう。例えば、10 代の若者のためのオーガニックスキンケアに特化し、ニキビ肌向けの洗顔剤、保湿剤、日焼け止めなどをそろえたネット物販ビジネスから始めるなどです。おそらく、ネット物販ビジネスを始める上で最も重要なのは、販売する商品の選定です。リサーチはしっかり行いましょう。
選んだ分野について、専門知識があれば大いに役立ちます。適切な商品やサービスの調査には相当な時間がかかります。ビジネスの細かい部分にも目配りが必要です。また、少なくとも始めのうちは自分で日々の業務管理をすることになると思いますので、ネット物販で売る商品は自分が楽しんでできるものにしましょう。
02. 市場を調査する
ネット物販ビジネスの得意分野やアイデアが決まったら、潜在的な市場を調査・評価しましょう。顧客をより深く理解すると同時に、収益予測やコストの算出に必要な数値データを集めましょう。市場を把握する戦略としては以下が挙げられます。
顧客の想定:ビジネスは法人向けですか、それとも個人向けですか?構築するビジネス形態は顧客層を想定すると決めやすくなります。ネット物販ビジネスの多くは B2B か B2C のいずれかの形態を取っていますが、両方を平行して行う業者も存在します。例えば、通常は個人消費者との取引を主に行うグルメ食品販売業者が、ホリデーシーズンに法人向けのギフトサービスを提供する、などです。あるいは、アパレルの小売業者が大量注文向けにカスタムオプションを整備し、企業から会社のロゴを入れたユニフォームを受注できるようにすることもあるでしょう。実際にビジネスを始める前に、主要なネット物販の KPI(重要業績評価指標)を理解しましょう。
市場規模の把握:属性、所在地、興味、消費習慣、その他のキーポイントをもとに、典型的な顧客のプロフィールを作成します。次に、プロフィールに従って人口統計や市場データを調べ、現実的な数字を把握します。ここでの目的は、潜在的な顧客をより理解し、自分のネット物販ビジネスが最終的にどれくらい成長するかを測定することです。このようなベンチマークは、売上げが出始めてから目安となる収益実績ができるまでの間、収益や需要を可能な限り正確に予測するのにも役立ちます。
業界にどっぷり浸かる:業界メディアや分野のオピニオンリーダーをフォローし、メディアを利用してネット物販のトレンドをつかみましょう。
競合相手の研究:競合相手の Web サイトを詳しく研究します。メルマガに登録し、相手に関わるニュースを追跡しましょう。オンラインとそれ以外の両方について、相手がどのようにマーケティングしているか観察します。財務状況や業績を入手できれば、自社の予測や予想にも役立ちます。
潜在顧客に直接質問する:アンケートや投票を駆使して潜在顧客から情報を集めましょう。関連するソーシャルメディアのグループやフォーラムに参加したり、潜在顧客が集まりそうなイベントに参加したりしましょう。
03. 適切なプロダクトミックスの選択
得意分野やターゲット市場は販売する商品やサービスを決める指針となります。例えば、狙っている顧客層はセレクトグッズやギフトセットが好きかどうか、季節的な影響を受けるかどうか、などを考えてみましょう。
ビジネスの潜在力は価格と利幅によって決まります。ですからこれらは慎重に考慮します。損益分岐点分析は、初期費用を回収して利益を生み出すためにそれぞれの商品をどれくらい販売する必要があるかを把握するのに役立ちます。
商品を選ぶ際は、以下の要素を考慮します。
商品の寿命:商品のライフサイクルの見通しを立てることで、複数年単位でのビジネスプランを作成しやすくなります。高額商品のライフサイクルは十年単位です。例えば、ソファを購入した顧客は、その関連商品に興味があるなどの場合でない限り、すぐには同じ店舗を利用しないでしょう。一方で、ペットフードや美容用品のような補充が必要な商品は、その性質上リピート購入につながる可能性があります。このような商品については、まとめ買い向けの割引を提供したり、定期購入ボックスビジネスを始めたりするなど、リピーターを増やす工夫が必要になるでしょう。
期待価格:さまざまな価格帯の商品を提供すれば買い手へのアピールも広がるかもしれませ。ただし、高級品の購入に慣れている顧客を想定しているのであれば、品揃えも最高級品に限定した方がいいかもしれません。B2B の販売者であれば、自分の法人顧客が卸売価格での商品の大量提供を望んでいるかなどをチェックします。
売上原価: 商品を選ぶにあたっては、おしゃれな梱包、丁重な配送や設置サービスが必要か、などの諸経費やロジスティクスを考慮します。これとは対照的に、デジタル商品には配送や物理的な調達の必要がありません。売上原価を算出する数式は、<期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高>です。
ガイドラインを整理したら、次は詳細を設定します。ヒントが欲しい、トレンドを知りたいという場合は、競合他社の Web サイトを見たり、Amazon などの売れ筋商品を検索したりします。Google トレンドや Algopix のようなネット物販ツールも話題の商品を知る役に立ちます。また、「ラッコキーワード」など、お気に入りの SEO ツールやキーワードリサーチツールを使えば、頻繁に検索されている商品やブランドの調査、商品コンセプトの検証などが可能になります。
04. 商品の入手先とサプライヤを確保
具体的な商品が決まったら、適切な調達方法を探す必要があります。商品はすべて手作りを続けたいと思う場合もあるでしょう。あるいは、Wix 系列のドロップシッピングソリューションである Modalyst のような、プラットフォームを使ったドロップシッピングが便利かもしれません。
予算、リソース、好みに応じ、商品の調達にはいくつかの選択肢があります。
手作り:この場合、品質管理は万全ですが、ビジネスの規模を拡大したり大量注文に対応したりするのは難しくなります。
メーカーに依頼:外部のメーカーから商品を調達し、自社のブランド名で販売します。商品を自社の仕様で作り、生産、価格設定、ブランディングも自社で管理します。大量生産も効率よく実現できますが、品質を確保するにはメーカーとのスムーズなコミュニケーションが不可欠です。
有名ブランドメーカーとの提携:特定のメーカーやデザイナーの商品を狙っている場合は、正式な再販業者や代理店として契約することで商品を提供できるようになります。このような提携はブランドの強化にはなりますが、他の販売者と競争するために商品価格を低くする必要があります。商品の最低広告価格(MAP)を設けているブランドもあり、いずれの場合も利幅が削られる可能性があります。また小売業者は、メーカーと提携してメーカーと小売企業の垣根を越えたプライベートブランド商品を作ることもできます。コストコの「カークランド」や Amazon の「Amazon ベーシッ ク」はこの戦略の代表例です。
卸売業者から調達:多くの卸売業者は複数のメーカーによるラインナップを提供しています。仕入れの段階で比較的安価な商品を見つけることができれば価格設定に余裕を持たせることができます。ただし、海外から商品を仕入れる場合は、在庫や倉庫に関わる保管費用だけでなく、輸送料や関税がかかるかもしれません。
ドロップシッピングサプライヤーとの連携:ドロップシッピングでは、従来は小売業者が行っていた作業をサプライヤーが請け負うため、先行投資を最低限に抑えながらネット物販ビジネスを立ち上げることができます。マーケティングと商品の選定は自社で行いますが、受注内容は直接サプライヤーに送られ、商品も顧客に直接発送されます。在庫の買い付けや維持、保管、倉庫の運用、商品の発送を行う必要はありません。その反面、商品の品質や納期の管理ができないため、サプライヤーにミスがあった場合は自社のブランドに傷が付くかもしれません。ゴーストコマースはこれを一歩進めたもので、オンラインストアを設置せずに商品を宣伝しつつ、ブランドイメージの維持と顧客対応を行うものです。
商品の調達法を決める場合、選択肢を吟味し、すべての要素を慎重に検討することが大切です。最終的な決断を下す前に、以下の点を確認しましょう。
商品のカスタマイズやブランド化の可能性は?卸売業者は大量販売を主とするため、品揃えを望みどおりに微調整するのは難しいかもしれません。中間的なオプションとしては、自分のロゴとブランドで商品を販売できるホワイトラベル方式を提供しているサプライヤーの採用も考えられます。さらに商品をカスタマイズしたい場合は、ドロップシッピングの一環であるオンデマンド印刷があります。これを利用すると、仕様に沿ったカスタムデザイン商品を受注に応じて提供することができます。
在庫にどれくらいの資金を投じるべき?起業資金が限られている場合、ドロップシッピングを利用すれば、ブランド立ち上げの費用を抑えることができます。
倉庫管理やフルフィルメントはどれくらい複雑になる?定期購入、法人向けギフトサービス、大口販売を提供する場合、配送の正確さや時間厳守を実現するには自社でロジスティクスを管理する必要があるかもしれません。
競合相手の商品調達方法は?競合他社をそっくり真似るのは避けるべきですが、差別化の点で相手がどれくらい優位かを把握するために相手の手法をできる限り調査します。自分が仕入れたいブランド品の独占販売権を相手が握っていませんか?サステナブルなサプライヤーからのみ調達した商品の販売を約束していますか?
サプライヤーに問題が発生したときのバックアッププランは?在庫切れが発生すると、販売機会の喪失や顧客満足度の低下、在庫管理の不安など、さまざまな負の影響が生じます。顧客をがっかりさせないためにも、在庫の確保には積極的な対策が必要です。手に入れやすい卸売商品についてはバックアップソースを見つけ、不測の事態はサプライヤーとの契約でカバーしましょう。
ビジネスの規模をどう広げる?商品を自社生産や手作りにすれば万全な管理が可能になりますが、需要が急増した場合の対応は難しいといえます。新しい工場との契約、新たな人員の雇い入れ、高額なソリューションの採用などが必要になるかもしれません。柔軟に対応するための選択肢として、ドロップシッピングや卸売販売を検討するのも一案です。
顧客は何を期待している?買い手の間では「サステナビリティ」の優先度がどんどん高まっています。例えば米国の消費者については、環境負荷を最低限にする工夫がなされた商品であれば 12 %の割高でも購入するとの調査結果もあります。顧客が倫理的に調達された商品を求めているのであれば、それを考慮するべきです。
05. ビジネスプランでアイデアを検証する
これまでの調査や計画を正式なネット物販ビジネスプランとして文書化します。ビジネスプランは包括的かつ詳細に事業を説明するだけでなく、日々の業務でミッションを忘れないための目安にもなります。しっかりしたビジネスプランがあれば、立ち上げ時にチームの足並みも揃い、自社にふさわしいビジネスパートナーや投資家を惹きつける土台になります。
ビジネスプランの各項目は自社の優先事項に合わせて作成します。ただし、適切かつ実用的なプランにするために必ず以下の要素を含めましょう。
ミッション、説明、ユニーク セリング プロポジション(USP):ビジネスプランでは、会社の存在理由を提示し、事業内容を上手く要約し、他のブランドと一線を画す特徴を明らかにする必要があります。これは市場における主張の根拠となり、将来的には優先事項を決める指針となります。特に、独自の USP を具体化することが大切です。USP はプロダクトポジショニングにつながり、競合の中で際立つのを助け、価値観を共有できるパートナーや消費者を特定する役に立ちます。例えば、反プラスチックの飲料水メーカーで Wix の加盟店でもある「Mananalu」は、環境保護を全面的に押し出すことで商品を差別化しています。Mananalu の水は詰め替え可能なアルミボトルに入っており、プラスチックよりもリサイクルが簡単です。また同社は、商品が1本売れる毎に集積した海のゴミからペットボトル1本を取り除くことを約束しています。さらに、顧客は「プラスチックオフセット」を購入して同社の活動を支援することもできます。気候中立(Climate Neutral)の認証や 「1% for the Planet」の会員資格など、持続可能性に対する同社のコミットメントは第三者機関が承認しています。
市場調査と SWOT 分析:市場調査の概要を作成し、競合他社の中での自社の位置づけを明確にします。強み、弱み、機会、脅威(SWOT)を分析し、最も成長が期待できる分野を特定します。現実に即した分析を行うことで、ビジネスを立ち上げたときばかりでなく、規模を拡大したり新サービスを加えたりする際にも軸が保ちやすくなります。
商品・サービスの内容:これまでの調査やプランに基づき、商品やサービス、調達、価格戦略を細かく策定します。商品やサービスが顧客のニーズにどう応えているかを説明してください。また、ブランド体験の重要な要素であるカスタマーサービスやフルフィルメントに関するプランについても記載します。
ECマーケティング戦略:主に利用するデジタルチャンネルやマーケティング戦術に使用するテクノロジーの選定など、ネット物販ビジネスをターゲット層にどう紹介するかを説明します。
財務予測:これまでの調査をもとに、支出、収益、成長の予測モデルを構築します。現実的な予測を立てるため、競合相手や同業他社の実際の業績を使いましょう。取り入れる成長指数や算式については業界誌や業界エキスパートを参考にしてください。
資金源:貯金、未公開株、クラウドファンディング、投資家など、必要な起業資金確保の手段を記載します。資金提供の候補者にプランを説明する場合は、情報をカスタマイズして必要な金額の根拠を示すとともに、資金提供の利点を説明します。
06. ビジネス名と組織構成を決める
ビジネスプランがまとまったところで、ビジネスを支える法的枠組みを整えましょう。
まず、ブランドアイデンティティを反映したビジネス名を選ぶことから始めます。アイデアが必要な場合は、人気の検索キーワードを調べたり、得意分野に関連する名前をブレインストーミングしたり、名前に使う文字のバリエーションで遊んでみたりしてください。リストを絞り込む際は。以下の点に気をつけます。
読みやすい、言いやすい、書きやすい、覚えやすい
検索しやすい
ドメインで利用可能
他社と重複しない
ビジネス名が決まれば、次はロゴです。自分で作成しても、グラフィックデザイナーに依頼してもいいでしょう。無料の Wix ロゴメーカーを使うこともできます。
さらに、会社に適切な法的構成を決めます。これは、どのタイプのビジネスを始める場合にも重要なステップです。ビジネスの形態によって会社の責任範囲や税務処理の方法などが決まります。
法律の専門家や会計士に相談し、個人事業、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社のいずれが適しているか判断しましょう。会社の形態に従い、定款の策定、資金の払い込み、登記登録などが必要になる場合があります。
07. プラットフォームを選ぶ
いよいよ、自分のネット物販 Web サイトを構築してブランドに命を吹き込む準備が整いました。
まずは、自分のニーズに最適なネット物販用プラットフォームの選定です。数多くの Web サイトビルダーがひしめいていますが、それぞれどんなことができるか慎重に評価してください。サイトをスムーズに作成できるよう、以下を備えたプラットフォームを選びましょう。
プロフェッショナルな完成度:Wix ではさまざまな特徴を備えたホームページのテンプレートを数多く用意しています。ブランドを表現するためのカスタマイズも可能です。
ドメイン:あなたのビジネス名にふさわしいドメインも必要です。
万全なセキュリティ: Wix は、年中無休のセキュリティ監視による安全なインフラによってサイトをデータ漏洩から保護します。
最高のパフォーマンス:高速かつ高パフォーマンスのサイトに応じ、売上のピーク時でもモバイルとデスクトップデバイスを一挙にサポートできる能力を備えた Web ホスティングを使うことが重要です。
内蔵された分析機能:Wix のダッシュボードでは、Web サイトのトラフィックなど、重要な指標を追跡してパフォーマンスレポートを作成することができます。
カスタマイズ可能なショッピングカート画面:カスタマイズ可能なショッピングカート画面は、購入プロセスの全過程でブランディングとメッセージの一貫性を保証します。
多様な決済方法:ネット物販の決済方法に柔軟性を持たせ、顧客が選べるようにする必要があります。
コンテンツ管理システム:理想的なコンテンツ管理システム(CMS)は、ブログ、ハウツー記事、購入ガイドなどの充実した商品情報やブランド構築機能をサポートします。
バックオフィス機能:会計管理や受注処理などのバックオフィス機能を自動化できる包括的なツールを探しましょう。Wix では、在庫管理、請求書作成などのタスクのための E コマースツールを提供しています。
合理的な価格:利用するプラットフォームの価格は、現在についても将来的にも自社の条件に合ったものでなければなりません。リサーチの際には定期料金や追加料金に注意を払い、合計費用を把握しましょう。Wix の場合、ネット物販機能を備えたウェブサイトを月額 29 ドルから構築できます。
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08. オンラインストアを作成する
どのネット物販プラットフォームを使用するかに関わらず、オンラインストアに最も適したデザインを知ることが必要です。サイトの作成のベストプラクティスには以下のようなものがあります。
取扱い商品を明確にする:サイト全体のデザイン要素や表現を統一し、顧客がビジネスの内容や商品を人目で把握できるようにします。商品カテゴリーや個々の商品名には専門用語の多用や奇抜なネーミングを避け、買い物客がサイトを訪れる際に使った検索キーワードに沿った言葉を使いましょう。買い物客が購入を決めそうな場面で曖昧さは禁物です。「今すぐ購入」のような明確な CAT(コールトゥアクション)を使いましょう。
画像の質には投資を惜しまない:「百聞は一見にしかず」といいますが、ネット物販には特に当てはまります。買い手は商品に実際に触れたり試したりできないため、「購入」をクリックしてもらう説得材料は写真や動画です。細部や特徴がはっきり見える高画質の写真は不可欠であり、動画は商品の動きを見せると同時に TikTok のようなソーシャルプラットフォームに再利用することもできます。
ユーザー生成コンテンツ(UGC)を見せる:買い手は自分と同じような人々による商品やサービスのレビューを信頼するため、カスタマーレビューやユーザーの投稿写真、ソーシャルメディアのコメントは目立つように配置します。B2B の世界も同じです。ガートナー社のソフトウェア購入に関する調査によれば、86 %の企業がベンダーを決める際に検証済みのレビューを考慮すると答えています。
モバイルデバイスの活用:オンラインショッピング経験者の 50 %以上がモバイルデバイスで取引を行っています。また、さらに多くの人が「いつでも、どこでも」利用できるスマートフォンで商品を検索しています。ネット物販サイトは、単にモバイルに対応しているだけでは十分ではありません。サイトへのアクセスの大半は外出先で行われていると考えるべきです。Wi-Fi が利用できない環境下でもページの読み込みが速く、小さな画面でも鮮明に画像が表示されるようにしましょう。
09. 財務を管理する
ネット物販ビジネスの開始後は、売上、利益、成長などを追跡するツールが必要です。ネット物販での資金管理のヒントでは、月々の適切なキャッシュフローを確保し、ビジネスを軌道に乗せるためのベストプラクティスを提示しています。
以下の 3 つは特に留意すべき項目です。
季節性を考慮したプラン:祝日、年間の気象パターン、その他の周期的に発生する事態によって収入の上下が起こり得ます。顧客のニーズや関心は季節によって変化します。例えば、夏は冷感商品やアウトドア用品への需要が高まり、冬は暖房器具や防寒関連商品が人気になります。また、クリスマスやバレンタインなど特定の祝日やイベントに合わせて商品の需要も増加します。正確な予測を立てることで、売上が増える時期を予め把握し、低調な月のキャッシュフローをカバーできます。
フルフィルメントに対処:ネット物販ビジネスで物理的な商品を取り扱う場合は、正味売上高の 15 %から 20 %をフルフィルメントに費やすと考えてください。バーチャルサービス、ダウンロード可能なアプリやソフトウェア製品を提供する場合はこのようなコストがすべて回避できます。ドロップシッパーを利用して注文を処理する場合はこれらの諸経費を負担することはありませんが、サプライヤーはおそらくその費用を手数料に転嫁するでしょう。
高額なチャージバックや返品を防止:日本の EC サイトの返品率はおよそ 5~10%と言われています。再販のために在庫に戻したりそのまま廃棄したりするリバースロジスティクスの費用を考えると返品は事前に防ぎたいものです。寸法ガイドやサイズガイド、互換性情報、素材などを含めた詳細な商品ページを作成しましょう。また、購入前のよくある質問に対応するカスタマーサービスコンテンツを充実させ、配送が間に合わなかった場合でも配送中の商品がキャンセルされないよう、配送予定は明確に伝えましょう。最後に、返品ポリシーは実際に対応できる条件にしましょう。
10. ネット物販ビジネスのマーケティング
オンラインストアの立ち上げ自体はひとつの目途になりますが、その後「ほったらかし」ではいけません。ネット物販サイトが数限りなくひしめく中で、新規顧客を惹きつけてリピーターを獲得するインセンティブを生み出すには、大いにブランドを宣伝しなければなりません。
オンラインでの販売増加を目指してマーケティング予算を配分する際は、ターゲット顧客が確実に利用するデジタルチャンネルに焦点を当てましょう。戦略は以下のとおりです。
ショッピング体験のパーソナライズ:いまや、消費者の 10 人に 7 人がショッピング体験のパーソナライズ化を希望しています。Webサイトのパーソナライズ化を取り入れることでリピート購入率が 44%、コンバージョン率が 46%増加したとの調査結果もあり、企業としてもこれを使わない手はありません。E メールキャンペーン、おすすめ商品、購入後のプロモーションなどでネット物販のパーソナライズを自動化できるツールを探しましょう。例えば Wix では、商品ページに「売れ筋商品」や「関連商品」のギャラリーを追加できます。
口コミでの評判:顧客によるレビューの作成や共有は、口コミでブランドへの支持を高めるための第一歩にすぎません。友人や家族を紹介すると特典が取得できるプロモーションを設定し、ターゲット顧客が最もよく利用するソーシャルメディアネットワークに付加価値がある情報や限定特典を投稿しましょう。ソーシャルメディアでの知名度をさらに高めるため、マイクロインフルエンサーとの提携も検討します。マイクロインフルエンサーのフォロワーは、規模が小さくても熱意があり、ブランドの熱心な支持者になる可能性を秘めています。
SEO の優先:ある調査では、オンライン購入をした人の半数近くが買い物検索に検索エンジンを利用しているとの結果が出ています。常に最新の検索エンジン最適化策を把握し、ブランドの認知度を可能な限り高めましょう。リッチコンテンツの作成、モバイルデバイスへの最適化、サイト速度の最大化、インバウンドリンクの獲得などによってランキングを向上させます。
ロイヤルティの構築:立ち上げ時に新規顧客の開拓に力を入れるのは当然ですが、既得顧客を維持するためのプランも必要です。一回限りの購入者を増やし続けるよりも、リピート客を持ったほうがコストを抑えられるばかりでなく、リピーターのほうが利益率が高くなります。購入金額に応じて特典や限定オファーが得られるロイヤルティプログラムの設定を検討しましょう。
ネット物販ビジネスとは?
ネット物販ビジネスは、オンラインで商品やサービスを販売する事業形態です。オンラインストアをつうじて世界中の顧客に物品やサービスを提供でき、買い手は時間を問わず商品を閲覧して購入できます。
近年、ネット物販の売上高は他の小売形態に比べ急増しています。例えば、経済産業省が 2023年にまとめた報告によると、消費者向けネット物販の売上高は前年比で 5.37 %増加しています。同時期の小売業の売上高は前年比 2.6 %の増加でした。
こうした成長を考えると、今やあらゆるタイプの小売業者がネット物販をビジネスの重要な一部と見なしているのもうなずけます。「Digital Commerce 360」のレポート(英文)によれば、世界のネット物販サイトの数は 2019年から 2023年の間に約 3 倍の 2,650 万に増加しました。
ネット物販業者には、オンラインのみで事業を展開する業者もいれば、実店舗や生産工場、オフィスでのサービスを強化・補完するためにオンライン店舗を設置する業者もいます。BtoC のネット物販の取引相手は個人消費者ですが、BtoB は企業同士の取引です。日本では、CtoC(個人間)のネット取引市場も急速に拡大しています。
ネット物販ビジネスの初期費用は?
ネット物販ビジネスの立ち上げ費用は、販売品目からオンラインストアに必要な機能に至るさまざまな要因の影響を受けます。日本の場合、初期費用は 0 円から数千万円、月額運用費用は 10 万円から 20 万円程度といわれています。
最終的にはかなり割高だと思われるかもしれません。ですが、ドロップシッピングを利用すれば在庫やフルフィルメントの初期支出を回避できますし、Wix のようなプラットフォームはネット物販サイトのホスティングプランやデザインサービスをお手頃な価格で提供しています。とはいえ、例え出費を最低限に抑えたアプローチであっても、マーケティングやテクノロジー、ソフトウェア、法務、管理費などのコストは考慮しなければなりません。
どれだけ起業資金があったとしても、ネット物販ビジネスを始める前は入念な調査とプランが大切です。しっかり準備をすれば、手痛い失敗を避け、成功のチャンスを高めることができます。想定されるコストの内訳は以下のようなものです。
事業の設立と許認可の取得:組織構成とガバナンスの設定、必要な許認可の取得、登録や税務書類の提出では法律や会計の専門家を雇う必要があるかもしれません。
プラットフォーム:ネット物販用 Web サイトはテクノロジーがものを言います。ひとつの包括的なダッシュボードで配送、支払い、マーケティングを一括してサポートする必要があります。各モジュールの価格が別々に設定されている場合もありますし、年会費制ですべてのサービスが利用できる場合もあります。
商品:商品にかかる初期費用は、オンラインで販売する商品や調達方法によって異なります。在庫を抱える場合は保管や倉庫スペースの諸経費が加わります。
デザイン、商品写真、コピーライティング:オンラインストアを設置するにあたっては、Web サイトのデザイン、商品写真、コンテンツの作成にプロの手を借りることをお勧めします。複数の国で立ち上げる場合は、翻訳サービスを使って商品説明を正確にローカライズする必要があるかもしれません。
カスタマーサービス:ブランドの評価を高めるには迅速なサービスが不可欠です。顧客の質問やリクエストに個人で対応するプランを策定するか、人員を雇って十分な対応を確保することが必要です。
ロジスティクス:受注やネット物販の管理をドロップシッパーに外注しないで自社で行う場合、梱包、受注品のピッキングやパッキングの人員確保、運送業者や外部ロジスティクスプロバイダーとの契約などの投資が必要です。
マーケティング:たとえ有料広告を使わない場合でも、ソーシャルメディアアカウントの開設や検索エンジン向けの Web サイト最適化に多大な時間を投資する必要があります。
今年、ネット物販を始める理由
Statista の調査によれば、E コマースの収益予測は年間 11.17%で、その市場規模は 2027年までに 5.56 兆米ドルに達するとされています。以下は、物販ビジネスを今年中に始めるべき理由のほんの一部です。
比較的参入障壁が低い:ネット物販ビジネスを成功させるにはある程度の初期投資が必要とはいえ、オンラインによるブランド構築費用は格段に低下しています。かつて、オンラインショッピングのためのテクノロジーには法外な費用がかかり、その管理にも専門の IT スタッフが必要でした。
比較的早く利益が出る:一晩で何百万円もの利益を出すのは難しいとはいえ、ドロップシッピングの比較的低い初期費用とスケールメリットにより、1 年から1 年半ほどで黒字を達成できる可能性があります。利益の大小は商品分野や仕入れコストに大きく左右されますが、適切かつ高品質の商品と優れたサービスで高めの価格設定を正当化し、マージンをより大きく取ることができます。
急成長するグローバル市場にアクセスできる:巨大なネット物販市場といえば例えば米国が挙げられますが、世界にはさらに急激な成長を遂げている地域もあります。そして、物理的な事業所を開いたりローカルスタッフを雇ったりしなくても、それらの市場で商品を売ることが可能になっています。ネット物販市場の規模と普及率では中国が圧倒的とはいえ、イギリス、韓国、ドイツ、インドなど、よりアクセスが容易と思われる国々も世界で検討すべきターゲットです。
自分のやり方でビジネスを運営できる:コロナ禍で世界中が認識したように、デジタルビジネスは遠隔管理が可能です。ドロップシッパーへの注文の取り次ぎやカスタマーサービスの対応は、好きな時間に好きな場所で行うことができます。これは、店舗に縛られ決められた時間にスタッフが接客しなければならない従来の小売業とは対照的です。
ネット物販ビジネスの収益性は?
ネット物販ビジネスの収益性は、業務を営む業界や分野など多くの要因に左右されます。始めようとしているビジネスの収益性や、収益性を上げるまでにかかる時間を予測するには以下を考慮する必要があります。
業界と得意分野
利益率は、選択した業界や得意分野によって異なってきます。例えば高級品や手作り品など、競争相手の少ない高価値の商品やユニークな品物を販売するビジネスは、文房具のような低価格の日用品を販売するビジネスよりも利益率が高くなると考えられます。
ビジネスモデル
ドロップシッピング、仕入れ、生産工程など、ビジネスモデルは収益に直接影響を及ぼします。例えば、ドロップシッピングの利用は特に立ち上げ時の諸経費を抑えますが、利益率が低くなる可能性があります。商品を生産するにはその分の先行投資が必要ですが、長期的には利益率が高まる可能性があります。
運営費
ネット物販ビジネスで収益性を最大化するには、Web サイト料金、マーケティング費用、配送費用などの運営費を低く抑えることが重要です。
マーケティングおよび販売戦略
オンラインストアで収益を上げるには、トラフィックやコンバージョンを促す効果があるマーケティングや販売戦略が不可欠です。収益性を確保するには、新規顧客の獲得コスト(顧客獲得コスト)を管理し、顧客一人の生涯価値よりも低く抑える必要があります。同時に、商品バンドルやアップセル、クロスセルを促し、平均注文額を増やしてビジネスの収益性を高めることもできます。すなわち、顧客の維持に力を注ぎ、リピーターとの盤石な顧客関係を構築することも意味します。
編集者:Miyuki Shimose
SEO & ブログコンテンツマーケター