Wixドメインのセキュリティ対策|SSL、DNSSEC、ドメインロックの仕組みと確認方法

サイトそのものの守りが万全でも、ドメインを乗っ取られたり、DNSの設定を書き換えられたりすると、訪問者は偽サイトへ誘導され、独自ドメインのメールも届かなくなります。Wixのドメインプロテクションは、SSL証明書、DNSSEC、ドメインロック、WHOIS情報公開代行という、役割の違う4つの機能で成り立っています。
この記事では、Wixで自動的に守られている部分と、自分で確認・設定しておく部分を分けて整理します。DNSSECを追加できる条件や移管の「60日ルール」、.jpドメインをWixにつなぐ場合の注意点もあわせて確認しましょう。
この記事の概要
Wixで取得したドメインを守る4つの機能の役割と、それぞれの確認方法を解説します。
SSL・DNSSEC・ドメインロック・WHOIS情報公開代行の違いがわかる
DNSSECを追加できる条件と手順がわかる
.jpなど他社で取得したドメインをWixにつなぐときの注意点がわかる
Wixなら、ドメインの取得と同時にSSL証明書が自動で設定され、WHOIS情報公開代行やDNSSECも購入時に追加できます。ドメイン、サイト、メールをひとつの管理画面で扱えるので、設定のし忘れも防ぎやすくなります。
Wixドメインを守る4つのセキュリティ機能(要点まとめ)
Wixドメインのセキュリティは、通信を守るSSL、名前解決を守るDNSSEC、所有権を守るドメインロック、個人情報を守るWHOIS情報公開代行の4層で考えるとわかりやすくなります。SSLは自動で設定され、DNSSECとプライベート登録は購入時、または1年以上の延長時に追加します。ドメインロックは、移管するときだけ解除するのが基本です。
機能 | 守るもの | Wixでの扱い | 自分ですること |
|---|---|---|---|
無料SSL証明書 | サイトと訪問者の通信 | ドメイン接続後に自動で有効化 | 鍵マークとhttps://を確認 |
DNSSEC | 正しいサイトへの誘導(DNSの改ざん防止) | 「プライベート登録およびDNSSEC」として購入時・延長時に追加 | 対象の拡張子・地域かを確認 |
ドメインロック | ドメインの所有権(不正な移管) | 主要な拡張子に対応 | 移管するときだけ解除 |
WHOIS情報公開代行 | 氏名・住所などの個人情報 | 購入時・延長時に選択 | 公開範囲をWHOIS検索で確認 |
「Wixでドメインを購入するということは、単に名前を手に入れるだけではありません。安心も一緒に手に入れることです。セキュリティと信頼性、そしてスムーズな連携がそろっているので、余計な手間をかけずにブランドを輝かせることができます」
― オフィル・グヴィリ(Wixドメイン担当プロダクトマーケティングマネージャー)
ドメインのセキュリティとは?サイトのセキュリティとの違い
サイトのセキュリティが、サーバーやログイン、決済データといった「サイトの中身」を守る対策だとすると、ドメインのセキュリティは、ドメイン名そのもの、DNSの設定、登録情報、そしてドメインを管理するアカウントを守る対策です。サイトがどれだけ安全でも、住所にあたるドメインを奪われれば、訪問者は正しい場所にたどり着けません。考え方の全体像はドメインプロテクションの基本で紹介しているので、ここではWixでの具体的な仕組みに絞って解説します。
ドメインを狙う主な攻撃
ドメインを標的にした攻撃には、主に次のようなものがあります。
ドメインの乗っ取り:管理アカウントへの不正ログインなどで所有権を奪われたり、他社へ無断で移管されたりする
DNSスプーフィング:DNSの応答を偽装し、正しいアドレスを入力した訪問者を偽サイトへ誘導する
DNSレコードの不正な書き換え:設定を改ざんし、サイトを見られなくしたり、メールを盗み見たりする
なりすましドメイン:よく似た名前のドメインを第三者が取得し、フィッシング詐欺に悪用する(メールセキュリティの対策もあわせて重要です)
なお、似た名前のドメインを第三者が取得すること自体は完全には防げません。ドメインのセキュリティ対策は、あくまで自分のドメインが乗っ取られたり悪用されたりするリスクを下げるためのものです。
「プレミアムドメインへの投資は、フィッシングやサイバースクワッティング、ブランドの混同といったリスクを減らします。こうしたリスクは顧客の信頼を損ない、売上にも影響しかねません。私たちの業務内容を考えると、これは最優先の課題でした」
― ロブ・ゴールド(Intermedia マーケティングコミュニケーション担当副社長)
無料SSL証明書:訪問者との通信を暗号化する
SSL証明書は、サイトと訪問者のあいだでやり取りされるデータを暗号化し、フォームの入力内容やログイン情報が盗み見られるのを防ぎます。仕組みの詳細はSSL証明書とはで解説しています。
Wixでは取得と同時に自動で設定される
Wixでは、ドメインプロテクションのページにあるとおり、ドメインの取得と同時に無料のSSL証明書が自動で付与されます。証明書を自分でインストールしたり、期限が来るたびに更新したりする必要はありません。くわしくはSSL証明書のページで確認できます。
鍵マークと「https://」で有効か確かめる
ブラウザでサイトを開き、アドレスバーに鍵マークが表示され、URLが「https://」で始まっていればSSLは有効です。表示されない場合は、まずドメインがサイトに正しく接続されているかを確認しましょう。確認の流れはHTTPSの仕組みとWixでの確認方法でも紹介しています。
なお、ネームサーバーをWix以外のものに切り替えると、WixはドメインのDNSを通じてSSL証明書を更新できなくなります(Wixヘルプセンター)。切り替えた場合は、変更後にSSLのステータスを確認してください。
DNSSECとは?偽サイトへの誘導を防ぐ仕組み
DNSSEC(Domain Name System Security Extensions)は、ドメイン名とサーバーの住所(IPアドレス)を結びつけるDNSを、改ざんから守るための仕組みです。
DNSSECの仕組みをかんたんに
DNSSECは、DNSの応答に電子署名を付けて、「正規の管理者が出した情報か」「途中で書き換えられていないか」を確かめられるようにします。封印付きの手紙のように、封が破られていればすぐに気づける、というイメージです。これにより、DNSの応答をすり替えて偽サイトへ誘導するスプーフィングなどの攻撃を防ぎやすくなります。
ただし、DNSSECは通信を暗号化するものではありません。通信の暗号化はSSLの役割で、DNSSECは「正しい行き先」を保証する役割です。DNSそのものの仕組みはDNSの仕組みで解説しています。
WixでDNSSECを追加できる条件
Wixヘルプセンターによると、WixのDNSSECには次のような条件があります。
DNSSECは「プライベート登録およびDNSSEC」として、プライベート登録とセットで追加する(DNSSECだけを購入することはできない)
追加できるのは、ドメインを購入するとき、または登録期間を手動で1年以上延長するとき
EU以外のすべての国と、すべての.comドメインで利用できる
あとから無効にしたり、再び有効にしたりできる
プライベート登録とDNSSECの費用は返金の対象外
ケース | DNSSECを追加できる? | 補足 |
|---|---|---|
Wixで新しくドメインを購入 | できる | 購入時に「プライベート登録およびDNSSEC」を選択 |
Wixで購入済みのドメイン | できる | 1年以上の延長と同時に追加 |
DNSSECだけを追加したい | できない | プライベート登録とセットで追加 |
EU圏の国から購入 | .com以外は対象外の場合あり | .comはすべての国で利用可 |
他社で登録して接続したドメイン | WixのDNSSECは対象外 | 登録先のサービスで設定 |
購入済みのドメインにDNSSECを追加する手順
すでにWixでドメインを持っている場合は、登録期間の延長と同時にDNSSECを追加します。
1. Wixアカウントの「ドメイン」を開く
2. 該当するドメインの横にある「延長」をクリックする
3. 登録期間(1年以上)を選び、「次へ」をクリックする
4. 「プライベート登録およびDNSSEC」を選び、「続行」をクリックする
5. お支払い情報を入力し、「購入する」をクリックする
無効にしたいときは、「ドメイン設定」から「連絡先を編集」を開き、「プライバシー保護およびDNSSEC保護」で切り替えられます。
ドメインロックと60日ルール:不正な移管を防ぐ
ドメインロックは、ドメインの「所有権」を守るための機能です。あわせて、移管に関するICANN(ドメイン名を管理する国際的な非営利団体)のルールも知っておくと、いざというときに慌てずに済みます。
ドメインロック(移管ロック)とは
ドメインロックは、第三者からの不正な移管申請をブロックする仕組みです。ロックがかかっている間は、所有者が自分で解除しない限りドメインを他社へ移すことはできません。Wixのドメインロックは主要なドメイン拡張子に対応しています。自分のドメインの状態は、このあと紹介するWHOIS検索で確認できます。
移管できない「60日ルール」とは
Wixヘルプセンターによると、ICANNの規則により、次のいずれかから60日以内はドメインを移管できません。
ドメインを登録したとき
登録者の連絡先情報を変更したとき
異なるドメイン事業者のあいだで移管したとき
この制限はWixへの移管、Wixから他社への移管の両方に適用され、Wixが解除することはできません。移管できない間も、Wixのドメインを外部のサイトに接続しておくことは可能です。将来ほかの事業者へ移す予定があるなら、連絡先情報の変更は移管の後にすると、60日ロックの発生を避けられます。
移管するときだけロックを解除する
ドメインロックは普段はオンにしておき、移管の直前にだけ解除するのが基本です。移管に使う認証コード(EPPコード)は登録者のメールアドレスに届くため、メールの管理も大切です。具体的な流れはドメイン移管の手順をご覧ください。
WHOIS検索でロックの状態を確認する
WHOIS検索でドメインを調べ、ステータス欄に「clientTransferProhibited」と表示されていれば、移管ロックが有効になっています。調べ方の詳細はWHOIS検索の使い方で解説しています。
WHOIS情報公開代行で個人情報を守る
登録されたドメインの情報はWHOISデータベースに掲載され、誰でも登録日や有効期限、所有者の連絡先などを調べられます。Wixヘルプセンターによると、Wixでドメインを購入または移管するときは、次の3つから登録方法を選べます。
登録オプション | WHOISでの表示 | DNSSEC |
|---|---|---|
パブリック登録 | メールアドレスと電話番号は代替情報に置き換え、そのほかの登録情報は公開 | なし |
プライベート登録 | 個人情報はWixの情報に置き換えられ、非公開 | なし |
プライベート登録およびDNSSEC | プライベート登録と同じく非公開 | あり |
すでにドメインを購入済みの場合は、登録期間を手動で延長することでプライバシー保護を追加できます。ただし、プライベート登録はすべてのスパムを防げるわけではなく、法律にもとづいて情報の開示が求められる場合もあります。また、.co.ukや.deなど、プライベート登録に対応していない拡張子もあります。サービスの概要はWHOIS情報公開代行のページで確認できます。
「ドメインレジストラによっては、WHOIS情報公開代行などのセキュリティ機能や、プレミアムDNS、SSL証明書、サイト作成ツールを組み合わせたパッケージを用意しています。こうした追加機能で年間費用が上がることもありますが、利便性やセキュリティ、パフォーマンスの面で価値があります。機密性の高いデータを扱う企業や、オンライン取引への依存度が高い企業にとって、これらの機能は欠かせません」
― クマール・アビナヴ(Mavlers シニアリンクビルディングアナリスト)
管理アカウントと連絡先も守る
ドメインを管理するWixアカウントは、いわば「マスターキー」です。アカウントを乗っ取られれば、ドメインの設定もすべて操作されてしまいます。
Wixアカウントで2段階認証を有効にする
Wixヘルプセンターによると、2段階認証は「アカウント設定」の「2段階認証」から有効にできます。認証方法は、パスキー、Wixアプリ、SMS、電話、メール、認証アプリなどから選べます。複数の方法を有効にしておくと、ひとつが使えなくなってもログインできなくなる事態を防げます。
登録者の連絡先メールを最新にしておく
移管の認証コードやICANNからの確認メールは、登録者のメールアドレスに届きます。連絡先情報を変更した場合は、14日以内に確認を済ませないとドメインが停止されるので注意しましょう。また、前述のとおり連絡先の変更は60日ロックのきっかけにもなります。
自動更新で失効による乗っ取りを防ぐ
更新を忘れてドメインが失効すると、第三者に再取得されるおそれがあります。自動更新をオンにし、登録しているカードの有効期限も確認しておきましょう。更新や管理の基本はドメイン管理の基本で紹介しています。
費用の目安として、Wixのドメイン料金一覧によると、.comドメインは年額プレミアムプランの購入で初年度無料、2年目以降は1,500円〜です。拡張子ごとの違いはWixのドメイン料金で詳しく解説しています。※料金は2026年10月時点の公式サイトの情報です。
.jpなど他社で取得したドメインをWixにつなぐ場合の注意点
.jpや.co.jpなどのJPドメインは、Wixでは取得できません。国内のドメイン登録サービスで取得し、Wixのプレミアムプランでサイトに接続(ネームサーバー接続またはポインティング)して使います。取得条件はJPドメインの取得条件で、Wixと登録事業者の関係はWixはドメインレジストラ?で解説しています。
このとき気をつけたいのが、WixのWHOIS情報公開代行やDNSSECは、Wixが登録事業者になっているドメインを前提にしている点です(Wixヘルプセンター)。他社で取得したドメインのドメインロック、DNSSEC、WHOISの公開範囲、管理アカウントの2段階認証は、取得したサービス側で設定しましょう。一方、接続後のWixサイトでは無料SSLが有効になります。
項目 | Wixで取得したドメイン | 他社で取得して接続したドメイン |
|---|---|---|
無料SSL | 自動 | 接続後に自動 |
DNSSEC | 「プライベート登録およびDNSSEC」で追加 | 取得したサービス側で設定 |
ドメインロック | Wixで管理 | 取得したサービス側で設定 |
WHOIS情報公開代行 | 購入時・延長時に選択 | 取得したサービス側で設定 |
更新・支払い | Wixアカウント | 取得したサービス |
ドメインを接続するには、Wixのプレミアムプランが必要です。ホームページ作成費用の相場でも紹介しているとおり、プレミアムプランは月額1,300円から利用できます。
Wixドメインのセキュリティチェックリスト
最後に、今日から確認できる項目を表にまとめました。ひとつずつチェックしてみてください。
チェック項目 | 確認する場所 | OKの目安 |
|---|---|---|
SSL | ブラウザのアドレスバー | 鍵マークとhttps:// |
DNSSEC | 「ドメイン」の連絡先を編集 | プライバシー保護およびDNSSEC保護が有効 |
ドメインロック | WHOIS検索 | clientTransferProhibited |
WHOIS情報 | WHOIS検索 | 氏名・住所が表示されない |
2段階認証 | アカウント設定 | 複数の認証方法がオン |
連絡先メール | ドメインの連絡先情報 | 今使っているアドレス |
自動更新 | Wixアカウントの「ドメイン」 | オン、カードが有効 |
これからドメインを取得するなら、購入時に「プライベート登録およびDNSSEC」を選んでおくと、あとから延長に合わせて追加する手間がかかりません。まずは空きドメイン検索で希望の名前を探してみましょう。
よくある質問
Wixで取得したドメインは安全ですか?
Wixで取得したドメインは、無料SSL証明書が自動で設定され、主要な拡張子でドメインロックに対応しています。さらに、購入時や延長時にWHOIS情報公開代行とDNSSECを追加できます。ただし、管理アカウントの2段階認証や連絡先メールの管理は、自分で行う必要があります。
DNSSECだけを追加することはできますか?
できません。WixのDNSSECは、現在プライベート登録とセットの「プライベート登録およびDNSSEC」として追加する仕組みです。
取得したばかりのドメインを移管できないのはなぜですか?
ICANNの規則により、ドメインの登録、登録者の連絡先情報の変更、事業者間の移管から60日以内は移管できません。その間も、ドメインを外部サイトに接続して使うことはできます。
.jpドメインもWixのDNSSECで守れますか?
守れません。.jpドメインはWixでは取得できず、他社で取得してWixに接続したドメインはWixのDNSSECの対象外です。DNSSECやドメインロックは、取得したサービス側で設定してください。
Wixで自分で用意したSSL証明書を使えますか?
Wixでは、第三者のSSL証明書はサポートしていません(Wixヘルプセンター)。WixのサイトはすべてHTTPSが有効で、SSL証明書があらかじめ組み込まれているため、自分で用意する必要はありません。
ドメインロック中でもDNS設定は変更できますか?
変更できます。ドメインロックは他社への移管を止める仕組みなので、Wixアカウント内でのDNSレコードの管理はそのまま行えます。
まとめ:自動で守られる部分と、自分で確認する部分を分けて考えよう
Wixドメインのセキュリティは、自動で守られる部分と、自分で選んだり確認したりする部分に分かれます。
無料SSL証明書は、ドメインの接続後に自動で有効になる
DNSSECとWHOIS情報公開代行は、購入時か1年以上の延長時に追加する
ドメインロックは移管するときだけ解除し、60日ルールにも注意する
2段階認証、連絡先メール、自動更新は自分で確認する
.jpなど他社で取得したドメインを使っている場合は、ロックやDNSSECを取得したサービス側で設定しておきましょう。サイト作りの全体像はホームページの作り方、ドメインの基礎は独自ドメインとはもあわせてご覧ください。



