失敗しないドメインの決め方とは?
ドメイン名は URL としても知られ、サイトのブランディングと信頼性を示し、検索結果の順位にまで影響を与える重要な役割を持っています。Web サイトやビジネスのドメイン名の選定はオンラインプレゼンスを確立するうえで重要なステップです。ドメイン名は、ユーザーが Web ブラウザに入力して Web サイトに到達するための住所のようなものですから、ビジネスの本質を反映し、覚えやすいものにするべきです。
ドメインを決定する際の 10 ポイント
01. 生成 AI ツールを使用する
ドメイン名のブレインストーミングは白紙から始めても良いですが、候補リストがあればさらに効率的です。ドメイン名の検索や生成に役立つ AI ツールが多数公開されていますので、ブランドに関連するキーワードやフレーズをもとに幅広いアイデアを得られることでしょう。
02. 短いドメインにする
意外かもしれませんが、ドメイン名は最長63文字まで設定できます。とはいえこれほどまでに長いドメインは無謀で、入力するのも覚えるのも大変な冗長な名前になってしまいます。そのため、ドメインは常に短いものを選ぶようにしましょう。
どこで使用するドメイン名でも、3~12文字に収めることが望ましく、大体英単語2~3つを超えない範囲で設定するとよいでしょう(例:wixteamtokyo など。Wix、Team、Tokyo という3つの単語を使用)。使いたいドメイン名がそれよりも長くなってしまったら、どこかを省いて短くするか、別のドメイン名に変更することを検討してください。
03. 入力しやすい文字列にする
「サイトを見てみよう」とせっかく思ってもらえても、そもそもブラウザに打ち込むことすら大変な URL だと本末転倒です。口頭でも伝えやすく、実際にもタイプしやすいドメイン名を探しましょう。つづりを間違いやすかったり、一回で発音できないような言葉はできる限り使わない方が良いでしょう。
自分の選んだドメイン名について友人に意見を求め、はじめての人にも正確に把握してもらえるかどうかを確認しましょう。もし、間違いが起こりそうなら別の名前を選びます。
自分の個人名をドメインに使いたいけれど、名字のつづりが複雑だという方は、下の名前やニックネームなどを組み合わせましょう。また、「cookingwithakira」のように、専門分野(この場合は「料理(cooking)」)を名前(akira)と組み合わせるのもよいでしょう。
また、一般的に使われている予測しやすい名前を選ぶのもポイントです。たとえば、短縮系の「u」ではなく「you(あなた)」を使用する、「ok」や「okay」のようにつづりが複数存在する言葉には注意するなど、極力ミスが起こらないように名称を検討しましょう。
04. 数字とダッシュ(記号)を使用しない
パスワードとは異なり、ドメイン名はそれ自体があなたのサイトを表現する文字列でなければなりません。そのため、ハイフンや数字などの特殊文字を使うことは避けましょう。たとえば、「gr8cakes-4all,」がドメインだとすれば、一体何についてのサイトなのかまったく分かりません。
数字とハイフンを含むドメインは混乱を招きやすい上に、覚えるのも入力するのも大変です。たとえば、「テンアップルズ」というドメインを口頭で聞いた人は、スペルが「10apples」なのか「tenapples」なのか迷ってしまうかもしれません。
一方、ハイフンは見落としやすいほか、アドレスバーに URL を打ち込む際に入力位置を間違えたり、多くのキーボードでは打ちづらい場所にキーがあったりします。ドメインに必須の文字ではないため、分かりにくいものはできる限り使わないようにしましょう。
05. ブランド名を使用する
優れたブランディング戦略では、さまざまな異なる要素が一体化して1つのまとまりのあるストーリーを伝えています。ブランド戦略について、Wix のブランドマネジメント責任者であるヤヤ・アーロンソンはこのようにコメントしています。
「ブランド戦略の根本は、ブランディングが信頼にかかっているということです。顧客とブランドという二者の関係性を考えたとき、重要な役割を果たすのは‟相手が本物である”という信ぴょう性です。信ぴょう性は信頼を構築し、感情的なつながりを生み出します。一貫性とエンゲージメントが培われ、悪評の立つリスクが低下するのです」
なお、ドメイン名は、ビジネスサイトや SNS のアカウント名、ブランド全体のトーンなど、サイト以外で行っているマーケティング施策と合ったものにしましょう。同じレベルの言語で情報を発信することで、複数のプラットフォームで適切なメッセージを配信し、オンラインプレゼンスを高めることができます。
すでにビジネスを運営している場合は、そのビジネス名そのものや少し変えた名前、または(以下で説明しますが)ビジネス名にキーワードを加えた名称などをドメイン名として使用することができます。まだビジネス名が決まっていないのであれば、少し時間を取って、キャッチーでブランドの精神を体現する簡潔な名称を考えてみましょう。「Wix」や「Google」のように響きのよい新しい言葉を創ることもできます。
ドメイン名にはビジネス名称や自分の名前に近いものが選ばれることが多いとはいえ、最終的にその名称が「ブランド」として認識されることが第一です。ドメインをブランディングの一部とすることで、オンライン上の住所にオリジナル感が生まれて覚えやすい名称にたとえば、「bakingwithsam.com」と「samteachesbaking.com」は良く似たパターンと意図のドメイン名ですが、前者の方が後者よりもはるかに強い印象を与えます。
06. SEO キーワードを含める
SEO 対策を少しプラスして、ユーザーがあなたのサイトと同じようなビジネスを Google で検索した際の上位表示を狙いましょう。ドメイン名に関連キーワードを含めるのも有意義な SEO 施策の1つです。検索エンジンの Web クローラーはドメインを見るだけであなたのビジネスの専門分野をすぐに理解できるようになるため、該当するトピックに関する検索順位の向上につながります。また、検索エンジンだけでなくサイト訪問者にも、ドメイン名を通じてサイトの内容を把握してもらうことができます。
キーワードの使用は有効な手段ではありますが、キーワードは節度を守って使うこと、またもともとのドメイン名になじむ場合のみ使用することを心がけてください。絶対ではありませんが、キーワードを過剰に含むドメイン名はスパムのような印象を与えることがあります。ドメイン名で SEO を意識することに意味はありますが、必須ではないことを覚えておきましょう。
上記の注意点を意識しながら、自然で覚えやすい形でドメイン名にキーワードを含めていきます。たとえば、「Aloha」というポキ(※魚介の切り身を調味料で和えたハワイの郷土料理)専門レストランの店舗サイトなら、ドメインは「alohapokeshop.com」、写真ポートフォリオサイトを作成しているのであれば、「photography」という言葉を入れるか、自分の名前に拠点とする地名を追加するのもよいでしょう。ドメイン名の案は「jimsmithphotography.com」や「tokyoweddingphos.com」となります。
07. 適切なドメイン拡張子を選ぶ
ドメイン拡張子とは、 TLD(トップレベルドメイン)としても知られ、ドメイン名の末尾に位置する文字のことです。サイトのアドレスの一番右に表示される個の拡張子は、目的、場所、またはオーナーなどの重要な要素の一部を示します。
もっとも一般的なものは「.com」、「.org」、「.net」ですが、さまざまなニーズに対応し、最初に希望したドメイン名が既に使用されていた場合の代替として使えるドメインの種類はたくさんあります。
以下では、これらのドメイン拡張子の使用例をご紹介します。
.com:「コマーシャル(商業)用」という意味があり、Web 上でもっとも普及している拡張子です。もっとも信頼され、よく知られている TLD なので、迷ったときはこれを使えばほぼ間違いありません。「.com」の拡張子は営利目的のビジネスに紐づけられます(例:wix.com)。
TLD に関連するビジネスは他にも、「.biz」、「.tech」、「.digital」、「.company」があります。
.net:「ネットワーク」を意味し、2番目によく見られる拡張子です。一般的に、Web ホスティング、データベース、そして共同作業ツールのようなサービスプロバイダーが使用します。
.org:「organization」を短縮したもので、非営利組織と慈善団体がもっともよく使用しています(例:wikipedia.org)。
.info: 「information」の略で、情報提供や教育目的のサイトが優先的に確保しています。
ccTLD: 国別コードトップレベルドメインは、物理的な場所を表し、国内の SEO を飛躍的に向上させるかもしれないドメイン拡張子です。たとえば、「.de」(ドイツ)、「.fr」(フランス)、「.nl」(オランダ)、「.mx」(メキシコ)、「.br」(ブラジル)、「.be」(ベルギー)、「.uk」(イギリス)などがあります。
08. リサーチを行う
ドメイン名を購入する前に、競争法に違反していないことを確認しておきましょう。商標と著作権のデータベースを調べ、競合ブランドも調査します。他のブランドで浸透しているドメイン名を使用すると、たとえそれが間接的であっても(ドメイン名以外で使用していても)、顧客の混乱を招き、法律的な問題が起こってしまう可能性があります。そのため、自分のビジネスを適切に表現し、入念なリサーチを経てドメイン名を決めることには大きな意味があります。
ドメイン名が決まったら、そのドメイン名が利用可能かどうかを確認することが大切です。利用可否については、Web ホスティングやドメイン登録サイトで確認することができます。ドメイン名の登録システムには、たとえば、登録済みドメイン名とその IP アドレスを掲載するデータベースがあります。これらの情報はすべて無料で公開されています。
09. ドメイン名を長期的な視点で考える
ブランドの将来的な成長を見越しているのであれば、それに向けて早い段階から計画したいと考えるかもしれません。そんなときは、競合他社の購入に備えて複数のドメイン名を購入し、確保しておきましょう。
ここでいう複数ドメインとは、異なるドメイン拡張子(「.com」と「.net」の両方など)や、よく似た文字列で、ユーザーが混乱する可能性のあるドメイン名(頭に「the」があるものとないものなど)を指します。こうすることで1つの Web サイトに複数ドメインを使用できるようになるため、特に便利です。
さらに、選択したドメイン名がビジネスの将来的な成長が阻まないことも確認しておきましょう。たとえば、美容院の例を考えてみます。現在は美容院にネイルサロンを併設していますが、将来的には理髪店とスパトリートメントサロンにも事業を広げたいと考えています。このような場合、ドメイン名は将来的な計画も反映した、充分に解釈の余地のあるドメイン名を選ぶのがおすすめです。
また、個人ホームページとビジネスサイトを区別できるドメイン名にすることも重要です。個人用のサイトや自分のブランドについてのサイトドメインなら、個人的な興味により近く、クリエイティブな名前にすることが多いでしょう。ビジネスとしてのブランド向けであれば、よりプロ志向に、競合の行動を考慮した名称を選ぶ必要があるかもしれません。
10. 気に入った名称はすぐに登録する
ドメイン名が決まったらできるだけ早く登録して、他のサイトで使用されないようにしましょう。まずは ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)の手続きを代行してくれる認定ドメインレジストラを探します。レジストラはドメイン名を保護するだけでなく、ドメイン名の権利を維持し、購入期間の所有権を担保してくれます。
ドメイン名の価格は、選ぶ拡張子や期間(例:長期間ドメインを保有する)などの要因によって異なります。ただし、Web ホスティングを提供している多くのプラットフォームは、初年度のドメイン登録料を無料としています。
Web ホスティングとドメイン登録を組み合わせたプランは、シームレスな Web サイト構築、ドメイン購入、プロ向けのオンラインツールといったサービスを、1つの Web サイトインフラ内でまとめて利用できるビジネスソリューションです。
適切なドメイン名を選ぶことが大切な理由
ドメイン名とは何か、そしてサブドメインとは何かを理解すると、これらが Web サイト制作のプランニングに大きな影響を与えることがよく分かります。
適切なドメイン名を選ぶことのメリットは次のとおりです。
サイトの専門性が高まる:URL は、Web におけるブランドの住所として機能することから、よく考えられてカスタマイズされていれば、サイトのプロ意識と権威性につながり、企業の第一印象から高い専門性を示すことができます。
Web サイトが表示されやすくなる:Web サイトに適したドメイン名を選択すると、覚えやすいうえ、潜在的な訪問者もサイトを見つけやすくなります。ビジネスの内容を表現した覚えやすいドメインを設定することで、より多くの人にサイトを見てもらうことができます。
ドメイン名を選ぶためのFAQ
よく考慮された適切なドメイン名とは?
適切なドメイン名とは、覚えやすく、入力しやすく、さらにブランド/ビジネス/または目的と関連性のあるドメイン名です。混乱を招く可能性の高いハイフンと数字を避けた簡潔な文字列で設定します。さらに、適切なドメイン名は、あなたのアイデンティティを反映し、独自性があるものなので、オンラインの場で注目を受けやすくなります。コンテンツに則した、発音しやすくポジティブな意味合いの名称を選びましょう。
ドメイン名を購入する際の注意点は?
ドメイン名を購入する時は以下の要素を検討しましょう。
関連性:ドメイン名がブランド、ビジネス、またはコンテンツを反映している。
覚えやすさ:訪問者が覚えやすい名前を選ぶ。
簡潔さ:複雑なスベル、ハイフン、または数字を避けて分かりやすい文字列にすることを心掛ける。
キーワード:関連キーワードを含めて検索エンジンでの表示順位を上げる。
利用可否:ドメインの利用可否を調べ、最初の案が利用できなければ類似した別の名称を検討する。
ドメイン拡張子:目標に基づき、適切な拡張子(「.com」、「.net」、「.org」など)を選ぶ。
法的考慮:商標を確認し、必ず他人の権利を侵害しないドメインを選ぶ。
ドメイン履歴:ドメイン履歴を調べ、潜在的な問題が発生する可能性を潰しておく。
編集者:Miyuki Shimose
SEO & ブログコンテンツマーケター