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ローコード・ノーコードとは?開発のメリットやデメリットを解説


ローコード・ノーコードとは?開発のメリットやデメリットを解説

一昔前までホームページを作成するとなれば、バックエンド開発やプログラミングに関する知識が必要でした。しかし今では、だれもが好きなパーツをドラッグ&ドロップして、思い通りのホームページが無料で作成できます。サイトを裏で動かすための複雑なコードを苦労して習得する必要もありません。


ツールの発展により、ホームページを作成する方法は多様化し、今では誰もがローコード・ノーコードでホームページを作成することができるようになったからです。


本記事では、ローコード・ノーコード開発の歴史から、これらを使ってサイトを作成する場合のメリットとデメリット、これらの開発手法が Web の新時代をどう進化させていくかの予測まで詳しく解説します。


「ローコード」「ノーコード」について詳しく知らない人も、ホームページの制作に関わった、または自作した経験があれば、おそらく一度は使ったことがあるはずです。

ローコード・ノーコード開発


ローコード・ノーコード開発とは、コーディングの知識がない人や経験の浅い開発者が、Web サイトやアプリケーションを構築できるようにするためのデザインへのアプローチ手法のことです。ユーザーフレンドリーな Web サイト開発ツール( WYSIWYG ツール)に始まり、コードを書かずにドラッグ&ドロップで操作できるインターフェースから基本的なプログラミング機能を備えたより高度なプラットフォームまで、幅広く展開されています。

社会全体がますますデジタルにシフトする中、ローコード・ノーコードのテクノロジーはどちらも存在感を発揮しています。業界や職業を問わず、多くのプロフェッショナルが競争力を高めるためにオンラインプレゼンスを必要としており、異なる種類の Web サイトやアプリ、メルマガキャンペーンなどの作成が活発化しています。ローコード・ノーコード開発の登場により、コーディングのスキルを持たない人でも Web サイトを作成する手段を持てるようになりました。しかもそれを短期間で、一人で効率的に行うことができるのは大きなメリットです。また、ローコード・ノーコード開発を使用すると、静的または動的なウェブサイトも構築できます。

ローコード・ノーコードの進化


インターネットはそもそもコードで動くものであり、当初は複雑なデジタル言語でプログラミングができるコンピュータの達人たちが席巻する世界でした。しかし、Web の必要性が高まるにつれ、ユーザーにとってより汎用性の高い機能をサポートする必要が出てきました。


1980 年代、アプリケーションをより迅速に開発する必要性が認識され始めたころ、ローコードムーブメントの火付け役となったのが RAD(Rapid Application Development、高速アプリケーション開発)です。RAD の目的は、開発者が迅速かつ効率的に作業できるように、プログラミング言語を簡素化することでした。やがて開発者たちは「ソフトウェアエンジニアリングの素晴らしさは、ユーザーのニーズに合わせて柔軟に対応できることだ」と気づき、これが今日のようなローコード化への動きがさらに加速する一因となりました。

その後も、自動プログラミング、ビジュアルプログラミング、モデル駆動開発などの仕組みなどにより、ローコードのムーブメントはさらに進化を遂げてきました。現代のローコード・ノーコード開発プラットフォームでは、コードがあらかじめ用意されており、開発者だけでなくあらゆるバックグラウンドを持つユーザーがドラッグ&ドロップで直観的に Web サイトを構築し、アプリ開発、さらにはメルマガキャンペーンの送信などができるようになっています。



ローコード対ノーコード:ニーズに応じた選び方


ローコードプラットフォームとノーコードプラットフォームは、どちらも最終的には開発プロセスを簡略化し、すべてのユーザーに役立つ機能を提供するものですが、以下の点で異なっています。

ローコード


ローコードは、従来のコーディングとノーコードによる開発の中間に位置する、ハイブリッドな開発アプローチです。プログラミングに熟練していなくても、コードの基本的な知識を持っている人は、ローコードプラットフォームを利用してスキルを向上させたり、Web サイトやその他のデジタル製品をさらにカスタマイズできます。ローコードの開発ソフトは、ノーコードに比べてややハードルは上がりますが、それでも開発プロセスを大幅に改善しスピードアップする点では、大きなメリットを発揮します。

ノーコードプラットフォームとは異なり、ローコードはいわゆるオープンソースのシステム技術を採用しているため、ユーザーはシステム機能を開発するコードに(限定的ではありますが)変更を加えられます。ローコードプラットフォームは通常、ドラッグ&ドロップ操作、CSS や JavaScript などのコンポーネント、ビジュアル開発といった機能を備えているのが特徴で、効率的かつユーザーフレンドリーな環境でサイト制作を進められます。


Velo by Wix も、ローコードプラットフォームの一例です。ドラッグ&ドロップのインターフェイスを採用していますが、ユーザーは独自の JavaScript、API、カスタム CSS をエディタに追加して、サイトの外観やユーザーとのインタラクションをカスタマイズできます。


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ノーコード


ノーコードとは、開発者以外のユーザーを対象とした、コーディングの知識を持たない人に最適な高速アプリケーション開発手法です。ノーコードプラットフォームはプログラミングの知識を必要としないため、企業経営者やフリーランサー、個人のクリエイターなどの間で人気を博しています。

「ノーコード」と呼ばれてはいるものの、ソフトウェアはそもそもコードがなければ開発できません。ノーコードプラットフォームでは、開発経験のない個人のユーザーがコードに触れずに開発ができるように、コードを使用しないユーザーフレンドリーなデザインを採用しています。基本的な Web ページから高度な動的コンテンツを含む Web サイト、あるいはサイトの内容を落とし込んだアプリまで、さまざまなものを開発できます。プログラミング言語を知らなくても分かりやすいインターフェースで作業できるという点は、一般ユーザーにはかなり大きなメリットだと言えるでしょう。


ノーコードプラットフォームは、クローズドなシステムで動作するためにバックエンド開発の比重が大きく、フロントエンドのインターフェースでデザインに加えられる変更はたいてい制限されます。そのため、自由自在にカスタマイズができるという訳ではありませんが、その代わりにビルディングブロックを使用して、最先端のデザイン要素や機能をサイトに追加できます。

ノーコードプラットフォームの一例である Wix エディタは、WYSIWYG インターフェースとコンテンツマネジャーを使用しており、ユーザーのディスプレイ上でリアルタイムに編集内容を確認できます。ノーコードで Web デザインができることに加えて、マイアプリ by Wix を使って独自のモバイルアプリを構築することも可能です。



Wix エディタ



ローコード・ノーコード開発のメリットとデメリット


ローコード・ノーコード開発が広く浸透してきたのには、それなりの理由があります。ホームページを作成したい人はたくさんいますが、必ずしも複雑なプログラミングができる必要はありません。そもそも、コーディングを一から勉強するのはちょっと…という人もいるでしょう。このような場合において、システムの知識がなくても作業できるというのは、とてつもなく大きな利点です。ホームページを自分で制作するなら、「ローコード」「ノーコード」ツールを使って、開発することで時間を効率的に使うことができます。

とはいえ、ローコード・ノーコード開発に対してやや厳しい意見が出されることもあります。以下で、これら 2 つの開発手法のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

ローコード・ノーコード開発のメリット


迅速に開発できる

ローコードツールを活用すれば、コーディングやメンテナンスにかかる時間を短縮し、完成品やプロトタイプをより早く作成できるようになります。ローコードツールによって、企業はデジタル製品の需要の高まりだけでなく、ユーザーのニーズにも素早く対応できるようになります。アクセシビリティ適応も効率的に導入することができます。

学習時間を短縮できる

ノーコード・ローコードのプラットフォームは、中小企業のオーナーから、独自の Web サイト、メルマガキャンペーン、アプリケーションなどを管理および設計したいクリエイターまで、すべてのユーザーをサポートします。また、Eコマース、コミュニティ構築、アップデートといった多彩な機能が搭載されているため、デジタルファーストの環境下で、顧客やクライアントをしっかりとサポートしてくれます。

スケーラビリティが手に入る

ローコード・ノーコード開発を採用すれば、そもそもの制作期間を短縮できるため、デジタルプレゼンスをより速く構築できます。すぐに結果が欲しい中小企業やフリーランサー、およびサイトの構築、マーケティングキャンペーン、ビジネスの成長など、ニーズに応じたプロジェクトを、より迅速かつ同時に管理したい場合にぴったりです。


コスパが良い

ローコード・ノーコードのシステムは通常、オーダーメイドのソフトウェアを作ったり、Web デザイナーやデベロッパーを雇うするよりも低コストで利用できます。サイトのリニューアルや更新も自分で行うことができます。

ローコード・ノーコード開発の課題点


カスタマイズ性にやや欠ける

ローコード・ノーコードプラットフォームは、複雑なカスタマイズができるとは言い難いのが現状です。作業していくうちに、もっとこうだったらいいのに、もっとコントロールできるのに、など、カスタムコードでしか作れないデザイン機能を求めてしまう場合があるかもしれません。


技術的な限界がある

時には、インターフェースのビジュアルコンポーネントへのアクセスがロックされているなど、求める機能がローコード・ノーコードプラットフォームでは実装できないケースに遭遇することがあります。

脆弱性の問題

ほとんどのローコード・ノーコードソリューションにはセキュリティプロトコルが組み込まれていますが、作成されるデータを完全にコントロールできるスタンドアロン開発とは、やはりレベルが違います。このため、ユーザーがローコード・ノーコードプラットフォームの脆弱性を見落としてしまうというケースがよく発生します。

ローコード・ノーコード開発のこれから


一部批判もあるとはいえ、ローコード・ノーコード開発のメリットは、多くの業界やユーザーに受け入れられています。Statistica は、世界のローコード市場の売上が、2020 年の130 億ドルから 2027 年には約 650 億ドルに増加すると予測しています。また、Gartner は、2024 年までにアプリケーション開発の 65 %をローコードテクノロジーが占めるようになると予測しています。

ローコード・ノーコード開発ソフトがデジタル時代を民主化し、信じられないような成果を上げていることは間違いありません。そして、AI のような新技術は、ユーザーとこれらのソフトウェアとの関わり方や、そこから生み出されるものをますます変えていくことでしょう。


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Miyuki Shimose

編集者:Miyuki Shimose ブログ コンテンツマネージャー

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