11月29日17 分
更新日 2024年11月29日(公開日 2024年1月30日)
ブログ運営はなかなか骨が折れる仕事です。Wix チームにも、ブログ運営を長年経験し、白紙のページの前で何を書くかを長時間思い悩んだことがあるといる編集者もいます。
今回の記事は「AI でブログ記事を書く」がテーマです。AI にコントロールを委ねるという発想自体に賛同できないライターさんもいらっしゃるかもしれません。しかし、AI は紛れもなく、うまく使えばブログ運営に大活躍するツールです。ブログ記事全体の下書きを作成したり、自分が書いた文章の推敲に使用したりと、AI はブログを始めることを検討されているすべての方を強力にサポートしてくれます。
そこで今回は、AI を使用してブログ記事を作成するときに知っておいていただきたいことをいくつかご紹介します。AI にブログの運営を丸ごと任せるという意味ではありません。むしろ、AI はクリエイティブな仕事をする上での良きパートナー(専属アシスタントのようなもの)になり得るということを少しご説明したいと思います。
ほかにも AI サイト作成ツールを使用すれば、無料でブログを作成することができます。ブログの運営にご興味をお持ちの方は、ぜひお試しください。
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作成したいブログや Web サイトの種類に関わらず、AI ツールを活用することでブレインストーミング、ライティング、編集、コンテンツの最適化などにかかる時間を大幅に節約できます。AI デザインツールを使えば、画像生成にも活用できます。
テーマに一貫性のあるコンテンツを大量に作成するという場合、AI は特に重宝します。しかし、総合的なコンテンツマーケティング戦略を考案するといったときには AI にすべてをおまかせというわけにはいきません。AI にもまだ得意不得意があるため、リサーチを行ったり、長文のコンテンツを書く場合には、それぞれに特化した AI ツールを利用することができます。
たとえば、いくつかのトピックがすでに選ばれており、その概要についてはっきりとしたイメージがある場合、AI は本格的な記事作成に活かせるアイデアをすばやく出せますし、そうでなければ、少なくとも75%完成した状態の記事を作成してくれます。ブログ記事を一から書き始めるのではなく、AI が作成した結果をもとにして自分で編集し、足りない部分の肉付けをしていくイメージです。
AI を利用すれば、コンテンツの質と信ぴょう性に妥協することなく記事作成の効率を上げることができます。AI を味方につけつつ、記事の方向性や質は自身でしっかりと管理していくことでより良い結果が生まれます。
ただ、AI は1つの作業でしか能力を発揮できないわけではありません。単にコンテンツの下書きを作成するよりもはるかに高い能力を秘めているのです。それでは以下で、AI を活用して質の高いブログを作成する方法を見ていきましょう。
AI の特徴はたくさんありますが、中でも最も優れた性質の1つが「多様性」です。AI を活用すれば、以下のようなコンテンツ作成プロセスにおけるいくつかのステップを自動化・改善できるようになります。
ブログトピックのアイデア出し
トピックのリサーチ
アウトラインの構築
コンテンツの執筆
文章の見直し
ブログを始めたばかりの初心者の方でも、経験豊富なブロガーであっても、ピンチの時は AI がトピックのアイデア出しを手伝ってくれます。でも、この段階では近道をしないようにしましょう。AI ツールを使用してアイデアを集めた後に、やはりキーワード検索は徹底的に行うべきです。
たとえば、ChatGPT や Gemini のようなツールは初心者でも使いやすく、質の高いアイデアを教えてくれます。利用できるプロンプト(指示)としては、たとえば以下のようなものがあります。
[トピック]についてブログのアイデアを 10 個出して
[キーワード]に関連するブログのアイデアをいくつかリストアップして
夏の[トピック]にまつわる話題は何?
[ターゲットオーディエンス]の間で話題のトピックは何?
AI から回答が返ってきたら、ブログ記事の見出しが本来の意図とブログ読者の興味関心に一致するかどうかを順に確認しましょう。こうした場面では Semrush のような SEO 検索ツールが活躍します。ブログ作成に役立つツールはたくさん公開されているため、関連キーワードの選定や検索結果画面(SERP)におけるオーガニック検索の表示順位などの確認に役立てることができます。
リサーチは長い時間を要するものです。AI の生成したリサーチ結果には頼りすぎないことを推奨しますが(多くの AI ツールが古いデータや誤った断片的なデータを引用するため)、いずれにせよ得られた回答を最初のきっかけ作りとして活かすことは可能です。
Wix チームが実際に検証してみたところ、この点において Gemini は ChatGPT よりも優れていました。Gemini に「最近のブログの統計とそのソースを引用表示してくれる?」のようにお願いすると、便利な統計情報一覧がすぐに提供されます。しかし、決してこの結果を鵜吞みにせず、各ソースと統計情報について正確かつ最新であることをご自身で確認するようにしてください。
また、長文かつ複雑な論文やインタビューの文字起こしの要約を AI に頼むといった使い方もできます。AI は、重要な情報を取り出したり、高度な専門用語を一般に通じる言葉に噛み砕いて解説したりするのに役立ちます。なお、繰り返しになりますが、各種権利は常に原作者に帰することを念頭に置き、要約の内容が正しいことも必ず確認しておきましょう。
ChatGPT や Gemini のようなツールに一度指示するだけで、ブログ記事の大まかなアウトラインを作成してもらうことができます。あるいは、メイントピックに関する共通テーマやよくある質問を AI に尋ねて、インスピレーションを得ることだって可能です。
しかし、たいていの場合、このとき提示されたアウトラインは完成形ではありません。アウトラインに、ターゲットとする読者に十分な価値を提供できない無関係な部分が含まれていることも否めません。AI の生成したブログのアウトラインは必ず自分の目で確認し、間違いがないかをしっかりと確かめましょう。
AI が一番価値を発揮するのは、一番時間を要するであろう「コンテンツの作成」をほぼ代行してくれるという点です。AI による生成結果をブログの下書きとして大いに生かしましょう。できる限り想定に近い結果を得るために、ブログ記事のテンプレート、ブログのフォーマット指定、文章のトーン&マナー、他のブランドが採用している記事作成のガイドラインなど、できるだけ多くの情報をプロンプトに組み込むことが重要です。
また、以前あなたが作成した記事をいくつかサンプルとして共有し、本人らしい書き方を学習させることもできます。ただし、常にコンテンツを再検証するようにしてください。AI の作成したコンテンツは一見良いものに見えても、冗長で華美な文章になっていたり、度を超えた主張や不正確な主張が含まれている場合があります。
Wix 活用のヒント:Wix では、キーワード調査や競合分析が可能な SEMrush のSEOツールが、ブログ編集ツールに搭載されています。調査から執筆、そして オンページ SEO 対策まで、ブログ記事作成に必要なすべてを Wix 上で完結することができます。
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記事を公開する前に必ずやっておきたいのが文章の見直しです。文法的に問題のある部分や漢字・送り仮名のミス、改善の余地がある文章などを強調表示してくれる日本語向けの文章校正ツールもいくつか公開されています。
ただ、こうしたツールでは基準が少し厳しめに設定されていたり、記事の文脈を誤解してエラーが出されたりという場合もありますので注意が必要です。独創性に優れた文章で記事が構成されている場合、通常の文法から外れているためにエラーフラグが立ってしまうことがあります。このような場合には、すべてが間違いではないということを念頭に置いた上で、ツール上で表示される推奨例などを参考に必要な修正を行いましょう。
Wix では SEO アシスタントを利用して、ブログ記事が基本的な SEO の評価基準を満たすかを確認(代替テキスト、対策キーワード、メタディスクリプションを含んでいるかなど)できますし、タイトルタグとメタディスクリプションを AI に作成させることも可能です。さらに、Semrush の SEO Writing Assistant のようなツールを活用すれば、コンテンツの読みやすさとオリジナリティについてより詳しいアドバイスを受けることもできます。
執筆した文章が堅い、読みづらいといったことでつまずいたら、そのたびに AI プロンプトを修正して回答を再生成すれば、また違ったコンテンツ案を得ることができます。
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ブログを運営する上で AI は確かに役に立ちますが、その一方で注意しておかなければいけない点も確かに存在します。AI は単調な作業を減らし、コンテンツ作成プロセスをスピードアップさせてくれますが、決して盲目的に取り入れてよいものではありません。
AI 生成コンテンツには主に2つの問題点があります。それは、引用できるデータによってその成果が変動すること、そして提示されたコンテンツがガイドラインに則していない場合があり得るということです。
ChatGPT のようなツールはすでに公表されているデータを引用するため、データベースから得た部分を繋ぎ合わせて回答していることが分かります。これにより、既存のコンテンツに似たものができあがったり、なんとなく陳腐な印象になったりします。
自身のブログサイトを守るため、そして Google からペナルティを受けないためも、AI 生成コンテンツは(一部・全部に関わらず)必ず人が編集する必要があります。Google のガイドラインには、コンテンツが AI の力を借りて作成されたものであるかどうかにかかわらず、有用な内容でなければならないと明記されています。
ブログ記事が AI を使用して急ごしらえでまとめられたものであり、独自の視点に欠けると Google が判断した場合、あなたのサイトはスパムの可能性があるとしてマークされるかもしれません。特にブログを通じてオンラインプレゼンスを構築しようとしている小規模ビジネスのオーナーにとって、これは大きなリスクになります。
AI は特定の業界の専門分野に対応するコンテンツの生成がそれほど得意ではないため、比較的新しい分野についてのサイトを一から構築しているという場合は AI を活用できるまでに少し時間がかかるかもしれません。複雑で専門性の高い分野のトピックを AI がすべて把握するのは難しいため、こうした内容でコンテンツ作成を行う場合はできる限り大幅な加筆修正が必要になります。つまり、このような場合の AI 生成結果はたいてい、ブログの読者にとって有益な内容ではないということです。
こうした制約があることから、以下では AI の生成したコンテンツを使用する際に注意すべきポイントをご紹介します。
剽窃や盗作:AI は、競合他社のコンテンツをほぼ完璧に写したブログ記事を作成することができます。できる限り元のリサーチやコンテンツと差別化した記事にすることが重要です。また、別の筆者のリサーチやアイデアを誤って自分の手柄にしてしまわないよう、細心の注意を払いましょう。AI の生成したコンテンツを慎重に再検証する時間を作らなければ、盗作は簡単に起こり得ます。
情報精度:OpenAI のサム・アルトマン CEO はたびたび、「ChatGPT の生成した回答は地球上で一番信用ならない」と発言してきました。AI は最近、企業、サイト、特定のトピックに関してあたかもそうだと思わせてしまうような事実ばかり答えるようになっているため、自分が誤情報を流布しないためにはファクトチェックが絶対に欠かせません。
信ぴょう性:AI をコンテンツ作成に利用する時、ある疑問が残ります。それは、出力された結果が本当に自分のものなのか?ということです。AI 生成コンテンツには、個人の発言やスタイルを侵害する可能性があるという倫理的なジレンマが必ずついてきます。コンテンツに興味・関心を持ってもらうためには、自分の個性を表現した文章を維持することが大切です。
イノベーションの欠如:コンテンツ作成に AI を活用することは先駆的でしょうか、それとも元のデータの欠陥を反映するものでしょうか?AI に頼りすぎないこと、そしてあなたの代わりに独自の意見を作成させないといったことも考慮しておきたいポイントです。AI は、すでに別の作成者が共有した意見を掘り返すことはできますが、特にセンシティブなトピックや賛否のあるトピックについては、独自の(かつ、賢明な)考え方で代弁することはできません。
バイアス:言語学習モデルは学習用のデータセットを元に訓練されているため、そのデータの持つバイアスを継承することで、ゆがんだ不公平な観点で文章を作成する可能性があります。このようなバイアスが微妙なものだとしても、不公平な言い回しや推定にならないよう慎重に向き合い、公平さを維持するよう努める必要があります。
上記で繰り返しお伝えした通り、AI の生成したコンテンツが規則に沿っているかどうかを確認するために人間がすべてのコンテンツを再検証しなければなりません。このときに注意したいポイントは次の通りです。
時々、AI ツールへの指示の精度に関わらず機械的な回答が返ってくることがあります。文法の誤りやスペルミスはないかもしれませんが、どこか読みにくかったり、普段書いているトーンとは異なる文章になっているかもしれません。
この文章の言い回しを調整し、あなたらしい文章になるよう編集しましょう。AI 生成テキストがスマートで「ちょうどよい」、といった先入観にとらわれず、あなた自身やブランドに合った雰囲気に変更します。メッセージを明確に伝えるかたわらで、普段の発言や表現方法と一致させるよう心がけましょう。
こうすることで、ブログを読む読者に常にあなたのブランドとつながっている感覚を与えることができます。これは読者層の維持のために重要なだけではなく、将来的にブログを収益化するためにも重要なことです。常にブランドに親しみを感じさせ、独自性のあるブログでなければなりません。
AI はポイントを伝えながらも、時として非現実的な事実を裏付けた文章を作成するのが非常に得意です。AI にリサーチや事実に基づくコンテンツを生成させたら、その内容の正確さをダブルチェックするようにしてください。コンテンツの主張を支持するリンクや参照情報の有効性を確認し、全体を正確な文脈で理解できることをチェックしましょう。
コンテンツに無意味・無駄な言葉、または冗長な文章が含まれていないことを再検証します。また、コンテンツの内容があなたの望む方向性とは合っていないという場合もあるかもしれません。
それぞれの文章と段落をよく読み、論理的な語順であることと、明確な表現であることを確認しましょう。指示を改良してより良い結果を獲得できるようになると、うまくいけば将来的にはこの部分の編集作業にかかる時間を短縮できるようになるでしょう。
前述のとおり、AI が使用する大規模言語モデル(LLM)はデータセットに基づき訓練されているため、学習データに含まれるバイアスを継承する可能性があります。それがコンテンツ作成時に事実と異なる不公平な視点を生むかもしれません。
不公平な言い回しや推定の形でこうしたバイアスが現れていないか常に目を光らせながら、編集作業を行いましょう。AI の作成したブログ記事に同じような種類のバイアスが登場することに気付いたら、そのような表現を具体的に避けるよう指示を改良する必要があります。
コンテンツ全体を通じてキーワードが自然に使われていること、そして読者が読みやすい文章構成になっていることを確認します。箇条書きを使う、長文は適度な長さで区切る、必要に応じて内容を要約するなど、読者に良い体験を提供できるよう工夫しましょう。記事の内容が薄くなりすぎないように注意し、むしろ読者の質問に完璧に答える十分な情報を記載するよう心がけると良いでしょう。
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編集者:Miyuki Shimose
ブログ コンテンツマネージャー