9月26日14 分
最終更新: 10月27日
更新日 2024年9月26日(公開日 2023年1月26日)
ホスティングとは、レンタルサーバーのプロバイダーや通信事業者が、保有するサーバーを顧客に貸し出すサービスのことです。信頼できるホスティングサービスを厳選しなければ、その脆弱性を突いた悪意のある攻撃にさらされたり、サーバーダウンなどの障害発生時の復旧が遅くなるなど、Web サイト全体のパフォーマンスに影響を及ぼします。したがって、ホームページを作成するにあたって、安全性の高いホスティングサービスを選択することは非常に重要です。
本記事では、安全なホスティング(レンタルサーバー)サービスがサイトを構築する上でいかに重要かに焦点を当て、利用可能なホスティングサービスの主な種類を見ていきます。また、Web ホスティングとドメイン名の違いや、信頼性の高いホスティングサービスの特徴についても解説します。
目次
ホスティングとは?ハウジングとの違い
Web ホスティングとは?
ホスティングの主な種類
共有ホスティング
VPSホスティング
クラウドホスティング
専用ホスティング
リセラーホスティング
マネージドホスティング
レンタルサーバーとドメイン名の関係
レンタルサーバーの必須機能
01. セキュリティ
02. サーバーの信頼性
03. 独自ドメイン名の取得
04. 帯域幅とストレージのスケーラビリティ
05. カスタマーサービス&サポート
06. ビジネス用メールアドレス
レンタルサーバーのコスト
スモールビジネスで自社サイトを始めるとき、まず悩むのが「ホスティング」と「ハウジング」の違いです。この2つはどちらもサーバーを利用するための方法ですが、目的やコストに大きな違いがあります。ここでは、その違いをわかりやすく解説します。
ホスティング:サーバーを借りる
ホスティングとは、サービス会社のサーバーを借りる形で、自分のウェブサイトを運用する方法です。
初期費用が低い(約 5,000 円 ~ 20,000 円)
専門知識が不要:運用・保守はサービス提供者が対応
スモールビジネス向き:比較的手軽に始められる
一方、ハウジングは自社所有のサーバーをデータセンターに預けて運用する方法です。
初期費用が高い(約 30 万円 ~ 100 万円)
専門知識が必要:自社でサーバー管理が求められる
大規模事業や高セキュリティ用途向き
多くのスモールビジネスにとっては、ホスティングが最適です。コストを抑えつつ、信頼できる業者にサーバー管理を任せられるため、ビジネスの拡大にも柔軟に対応できます。
ただし、以下のようなケースではハウジングが適しています。
独自システムの運用が必要
高いセキュリティ管理が求められる
大量データの処理や高トラフィック
ホスティングサービスのメリットは、管理の手間が少なく、サーバーのメンテナンスを気にせず運用できる点です。例えば、レンタルサーバー会社が提供するサーバーを使う場合、専門的な知識がなくても簡単にサイト運営が可能です。
Web ホスティングは、自分のウェブサイトをインターネット上に公開するために必要なサーバーとデータストレージを提供するサービスです。多くのホスティングサービスが存在し、目的に応じた最適な選択がビジネス成功の鍵となります。ここでは代表的な種類とその特徴を紹介します。
複数のサイトが1台の物理サーバーを共有する方法です。小規模なサイトやトラフィックが少ない新規サイトにおすすめで、低コストで始められるメリットがあります。ただし、他のサイトのトラフィック急増がパフォーマンスに影響することもあります。
1台のサーバーを複数の仮想ユニットに分け、独立して利用するタイプです。共有ホスティングに比べカスタマイズ性が高く、自分専用のサーバー空間が確保できるため、より安定した運用が可能です。
VPS ホスティングではある程度サーバー管理を行う必要性があり、その分のコストが加算されます。また、このタイプのホスティングサービスも(上述の共有ホスティングと同じく)複数のサイトで 1 つのサーバーを共有しているため、どこかでトラフィックが急増すると同じネットワーク内のサイトが影響を受けてしまう可能性は残されています。
クラウドホスティングはその名の通り、クラウドから実行される複数の仮想サーバーを利用する新しいタイプのホスティングです。最も信頼性の高いホスティングサービスの一つと言われており、その理由はいくつかあります。
複数のクラウドサーバーを使用する主なメリットは、1 つのサーバーにトラフィックのリクエストが集中した場合、別のサーバーが対応してくれるという点です。これにより、突然トラフィックが増加しても、Web サイトのパフォーマンスに影響を与えることなく、サーバー側で効率的に対応できます。このため、クラウドホスティングは、突然または長時間のダウンタイムが許されない多忙なサイトにとって最適な選択肢です。
また、クラウドホスティングは、海外からのトラフィックが多いサイトにも最適です。サイトをホストする仮想サーバーと、コンテンツの配信を行う CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)を地理的に異なる複数の場所に配置することで、ユーザーが特定の Web サイトのドメイン名を入力すると、クラウドホスティングサービスがそのユーザーと同じ地域にある仮想サーバーからサイトのコンテンツを配信します。これにより、ページの表示速度やスピードが向上し、複数の拠点で一貫したユーザーエクスペリエンスを実現できます。
しかし、クラウドホスティングが真価を発揮するのはスケーラビリティ(拡張性)です。サイトのトラフィックの増加にもスムーズに対応し、パフォーマンスを低下させることがないため、今後トラフィックを増やしていきたいサイトには最適なソリューションです。
これまで、クラウドホスティングの主な問題の一つは、比較的コストがかさむことでした。しかし、現在では、多くのホームページ作成サービプラットフォームが、無料のクラウドホスティングを提供しています。
1つのサーバーを1サイトが独占して使用する方法です。トラフィックが多い大規模サイトや高いパフォーマンスを求めるサイトに最適ですが、コストが高いため慎重な判断が求められます。
マネージドホスティングは、ホスティングの特定の種類そのものではなく、サーバー管理をすべてプロバイダーに任せるサービスで、セキュリティやバックアップも対応してくれ流サービスの事です。技術的な知識が不要で、ビジネスに専念できる点が魅力です。
このタイプのホスティングは通常、データのバックアップ、サーバーとソフトウェアの管理など、包括的なサービスを提供しています。Web サイトの所有者にとっては、サイトのセキュリティとパフォーマンス面で安心感を得られることが大きなメリットでしょう。Wix を含む多くの Web ホスティングプロバイダーは、顧客が選択するホスティングの種類(クラウド、専用、VPS)にかかわらず、サービスの一部としてマネージドホスティングを取り入れています。
レンタルサーバーとドメイン名は、サイトの機能を提供するための独立した別の要素です。レンタルサーバーは、サイトがオンラインで保存および配信される場所と方法を管理するもので、ドメイン名は配信されるサイトのオンライン上のアドレスを意味します。ドメイン名は訪問者にサイトを見つけてもらうために不可欠であり、訪問者がこのドメインにアクセスしようとすると、サーバーにコンテンツ配信のリクエストが送られます。
ホームページを作成するためには、Web ホスティングサービスとドメイン名の両方が必要です。どちらも別々に購入できますが、無料のクラウドホスティングが搭載されており、同一サービス内で独自ドメイン名を取得できる Wix のようなホームページ作成ツールが多く使用されています。
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信頼できるホスティングプラットフォームが備えるべき重要な機能はいくつかあります。最も重要なのは、選択したサーバーがサイトの成長とともに拡張できるという点です。Web サイトのコンテンツやトラフィックが増加すると、ストレージスペースや帯域幅の拡大が必要になってきます。スケーラビリティが十分でないと、サイトのパフォーマンスや機能性が損なわれる可能性があります。
また、ホスティングサービスがオートスケールに対応していることもますます重要になっています。オートスケールとは、サーバーに一定以上の負荷がかかった際に、自動でホスティングリソースを調整してくれる機能のことです。たとえば、ネットショップは季節によりトラフィックが急増することがあります。そのため、サーバーに負荷がかかってサイトがダウンしてしまうと、一年で最も売り上げが見込める日に販売ができなくなる可能性が生じます。
この点、Wix のようにホスティングを自動的に拡張する Web ホスティングサービスを利用すれば、サイトやサーバーにどれだけアクセスが集中しても、抜群の安定性と信頼性を維持できるため安心です。
個人でも企業でも、サイトを立ち上げるからにはサイバーセキュリティの基本を理解しておく必要があります。DDoS(分散型サービス拒否)攻撃など、サーバーを経由した Web サイトへの攻撃は壊滅的な被害をもたらすため、一度被害を受けたら回復は極めて困難です。そのため、サイトのコンテンツだけでなく、ユーザーのデータやプライバシーも保護するために、十分な安全性を備えたレンタルサーバーを選ぶことが重要です。
Wix の無料ウェブホスティングには、年中無休のセキュリティ監視に加えて、HTTPS と SSL 証明書といったサイトの安全対策も含まれています。また、バグバウンティ(脆弱性報奨金)プログラムを通じてサイト全体をくまなく検証するとともに、DDoS 対策も万全で、サーバーレベルの脅威からサイトを安全に保護します。すべての Wix サイトには、ブラウザと Wix サーバー間の通信を保護する TLS(Transport Layer Security)暗号化が適用されています。これにより、セキュリティ侵害のリスクを排除し、サーバーのダウンタイムから顧客のサイトを守ります。
ダウンタイムはパフォーマンスやサイトの使い勝手に悪影響を及ぼすため、Web サイトのみならず、円滑なビジネス運営にはサーバーの信頼性が不可欠です。サイトがダウンすると、検索表示順位に影響が生じたり、検索エンジンのペナルティに繋がる可能性もあります。また、サイトが正常に機能しなくなると、ユーザーが商品の購入やその他の操作を完了することが困難になるといった弊害も生じます。
このような事態を避けるために、サイトの稼働率の高いレンタルサーバー(Wix の場合は 99.9 %)を選ぶことが大切です。また、最適なパフォーマンスを実現できるよう、グローバルなトラフィックを処理できる(世界各地にサーバーと CDN を配置)かどうかといった点も確認しておきましょう。
Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏の Twitter を引用:
「サイトが時々、1~2 日ダウンするようなホスティングサービスは使っていられません。普通レベルのホスティングでもそこまでひどくない(はず)でしょう。(こうしたダウンタイムについて耳にすると、 @Wix & co. のような安定したプラットフォームはやはりすごいと思わせられます)」
さらに、ホスティングサービスはトラフィックを積極的に監視し、特定のサーバーに影響を与えるアクセスの急増や停電を事前に察知できる必要があります。サーバーの機能性を常に監視することは、ホストの信頼性を評価する上でとても重要です。2021 年 12 月、AWS(Amazon サーバー)の障害により、アメリカ東海岸の大部分でサーバーとその上でホストされているサイトがダウンしました。これに対して、同じ地域でサーバーを稼働させており、多くのサイトが AWS のサービスに依存しているにもかかわらず、Wix サイトは 1 つもダウンしませんでした。
レンタルサーバーの契約とドメイン名の取得は、異なるプロバイダーを使用しても問題はありませんが、これら 2 つをまとめて入手できれば簡単です。多くのホームページ作成サービスは、これらのサービスを一緒に提供しているため、手間をかけずに素早くサイトを公開できます。たとえば、Wix のプレミアムプランには無料のドメイン名取得が含まれており、プロフェッショナルな独自ドメイン名でサイトのブランディングを強化できます。
ドメインとレンタルサーバーを別のプロバイダーから購入した場合は、それぞれのプロバイダーが定める接続方法に従って設定を進めましょう。Wix では、簡単なステップで既存のドメイン名を新しいサイトに移管できます。
帯域幅とは、Web ホストからユーザーへサイトを転送するために必要なバイト数のことを指します。したがって、 ホスティングサービスを選択するときは、ストレージと帯域幅の要件を理解しておくことが大切です。
コンテンツの多いサイトを作成する場合、ホスティングサービスが最初に提供するよりも多くのストレージと帯域幅が必要になることがあります。大量のビデオや画像を含むサイトの場合は、特に重要です。Web の中には、帯域幅に制限が設けられており、設定された上限に達するとトラフィック数に制限がかかってしまう場合があります。
このことを念頭に置き、サイトがスケールアップしてもサーバーの拡張性を確保できるよう、柔軟かつ適切なホームページ作成サービスを選ぶことを心がけましょう。たとえば、Wix でサイトを構築すると、500 MB のクラウドストレージと 500 MB の帯域幅を含む無料の Web ホスティングサービスが自動的に接続されます。プレミアムプランにアップグレードするとストレージ容量が 50 GB に増え、帯域幅も無制限になります。
技術に相当詳しい人でもない限り、Web ホスティングサービスを維持および管理するために日々やるべきことはあまりありません。まずは、安全で信頼性の高いホスティングサービスを選ぶことが第一です。質の高いサービスはサイトを包括的に管理してくれるだけでなく、サイトの管理に必要な専門の技術サポートとカスタマーケアも充実しています。
セキュリティや信頼性だけでなく、サイトとビジネスの管理を同時に行えるホスティングサービスを選ぶのも良いアイディアです。たとえば、一度契約するのみでホスティングサービス、ドメイン名に加えて、ビジネス用のメールアカウントをまとめて開設できます。
オンラインでビジネスを行う場合は、使用するすべてのアセットの整合性を取ることが第一です。サイトの作成と同時に関連する独自ドメインのメールアドレスを取得できることは、ドメイン名検索と並んでホスティングサービスの必須機能となりつつあります。
レンタルサーバーのコストは、プロバイダーによりさまざまです。多くのプロバイダーでは数段階のプランを用意しており、選択したサービスの種類(主に価格)に応じて利用できる機能が変わってきます。通常は、価格が上がるほどより多くの機能を利用できるようになります。最も安いオプションが常に最善であるとは限らないので、レンタルサーバーとプロバイダーを選ぶときには、必要な機能が含まれているかを必ず確認しましょう。
たとえば、月々 150 円といった驚くべき価格で利用できるレンタルサーバーもあります。しかし、このような低価格のプランは、通常は数年単位の継続利用を前提としていることがほとんどです。また、月額は安いものの、データバックアップなどの特定のサービスが含まれておらず、利用したい場合は別途支払いが発生するプランもあるため、注意が必要です。
また、サービスの占有度と価格帯も比例します。たとえば、低価格帯で利用できる共有サービスに比べて、専用ホスティングのプランは月々数万円からになるものもあります。しかし、現在では多くのホームページ作成サービスで、プランの一部として無料の Web ホスティングが提供されているため、それらのオプションを検討してみるのも良いでしょう。
さて、この記事ではホスティングサービス(レンタルサーバー)の概要と利用できる主なレンタルサーバーの種類についてご説明しました。さっそく、以下の簡単なステップに従って自分のサイトに適したレンタルサーバーを探してみましょう。
1. 利用できるレンタルサーバーの種類を調べる
2. 自分のサイトに適したレンタルサーバーを選ぶ
3. レンタルサーバーを提供するホームページビルダーまたはプロバイダーを選ぶ
(Wix が提供する無料の Web ホスティング(レンタルサーバー)についてはこちらをご覧ください)
4. レンタルサーバーのプランを決定してドメイン名をサイトに接続する
編集者:Miyuki Shimose
SEO & ブログコンテンツマーケター