2023年7月25日13 分
最終更新: 11月20日
起業家、実業家、事業家など、「経営者」を表現する方法はたくさんありますが、それぞれの違いを自信を持って説明することはできますか?
この記事では、ビジネスを始めたい人に向けて、起業家とは何なのか、起業家の 4 つのタイプ、起業家に必要とされるスキルについて紹介します。また、よく混同される 起業家、実業家、事業家の違いについてもわかりやすく解説します。
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目次
起業家とは?
起業家と実業家、そして事業家の違い
実業家とは?
事業家とは?
起業家の4つのタイプ
01. スモールビジネス型
02. 成長可能なスタートアップ型
03. 実業家型
04. 社会起業家型
シリアルアントレプレナー(連続起業家)とは?
起業家のスキル
起業家になるには
01. 課題の明確化
02. リサーチ
03. ソリューションの策定
04. ネットワークの構築
05. 資金の調達
起業家についてのよくある質問
起業家とは、英語で「entrepreneur(自ら事業を興す人)」といい、自分のビジネスアイデアを具現化し、新しいビジネスを始め、経営していく人のことをいいます。それだけでなく、商品やサービスを提供することで、生活水準を向上させて新たな富を生み出すばかりでなく、雇用や国民所得を創出します。
一般的に起業家と呼ばれる人は、スケールの大きな問題を解決するビジネスを興したり、社会の変化に影響を与えたりする新規ビジネスを起業した人といった概念を含めることが多くあります。
次に、「起業家」と似たような言葉としてよく使われる「実業家」と「事業家」についても触れてみましょう。
実業家は、既存の事業を経営している経営者を指します。彼らは既に確立されたビジネスモデルに基づいて、日々の運営や成長戦略を行っています。実業家は、事業を安定的に運営することに重点を置き、効率化や収益最大化に努めることが一般的です。
事業家は、一般的に広義の経営者と捉えることができます。企業の経営者全般を指す場合もありますが、狭義には起業家や実業家といった特定の経営者を指すこともあります。そのため、「事業家」という言葉は文脈によって異なる意味合いを持つことを覚えておきましょう。
起業家には大きく分けて、4 つタイプがあります。それぞれの違いに注目し、あなたが向かうべき方向をよく理解することが大切です。ここでは主な 4 つのタイプの企業家について紹介します。それでは起業家のタイプをそれぞれみてみましょう。
スモールビジネス型
成長可能なスタートアップ型
実業家型
社会起業家型
スモールビジネス型の起業家は、ビジネスを始めるにあたってフランチャイズや大企業になることを想定していません。このタイプの起業家の仕事内容は多岐にわたり、起業家自身の特徴を生かしたビジネスであることがわかります。レストラン経営者、書籍販売者、地域のフィットネスインストラクターなど、スケールは小さくとも情熱と技術で顧客に最大限のサービスを提供している人たちです。従業員を雇ったり、遠隔地の人材を使ったりすることもあれば、まったく個人でビジネスを行う場合もあります。
将来的には融資や資金援助を受けることもありますが、基本的には事業をゼロから始めて軌道に乗せなければなりません。この自立の精神が、スモールビジネス型の起業家を他の起業家と区別しています。
成長可能なスタートアップ型の起業家の特徴は革新を目指すことです。このタイプの起業家は、個人または個人が集まって出来上がったグループが、特定のビジネスアイデアに牽引されるようなビジネスモデルに多くみられます。代表的な例がシリコンバレーです。
Google 、 Wix 、 Airbnb などの成功したスタートアップ型企業は、始めは小規模ながら、急速な成長を遂げて巨大な利益を生み出しています。このような企業では、規模を拡大したり、さまざまなグローバル市場に参入したりするため、外部投資家の引き入れや追加の資金調達を必要とする場合も少なくありません。
実業家型の起業家は、すでにライフサイクルの途上にある企業でビジネスを手掛けます。このような起業家は、主要なターゲット市場の周辺分野で新しい製品を作ったり、別なサービスを提供したりすることで会社の成長と維持を図ります。例えばあるジーンズのメーカーは、既存の生産工程を利用してデニムのバックパックや帽子、スニーカーなどを販売しようとするかもしれません。
このタイプの起業家の特徴は、既存の会社の事業範囲を拡大し、競争力を維持する新しい機会の創出を主な仕事内容とすることです。言い換えれば、まったく新しい事業を立ち上げるわけではないため、上述した他のビジネスモデルとは少し異なります。このような会社が新たな創造活動に取り組むきっかけとしては、進化を求める外部からの圧力や、技術の進歩による自社技術の陳腐化などが考えられます。
社会起業家は、社会に利益をもたらすような製品やサービスの創出に力を注ぎます。このタイプの起業家は世界をより良くするために行動し、収益性の高いビジネスを営んでいる場合でも、常に自分たちの使命を念頭に置いています。
ここ最近、特に環境保護に関する分野の社会起業家にメディアの注目が集まっています。例えば、バイオテクノロジー関連事業を手掛けるユーグレナや、再利用可能・植物由来の材料を使って商品を開発しているセブンスジェネレーションなどです。
ブランドには社会的責任が伴うという考え方が、ますます広がりをみせています。事業環境も変化を続けており、今日の消費者は製品だけではなく、その会社の倫理水準や道徳的な責任も考慮しながらブランドを選んでいます。
起業家のなかには、次々と新しい事業を立ち上げるシリアルアントレプレナー(連続起業家)と呼ばれる人たちがいます。連続して(シリアル)新しい事業を立ち上げる起業家(アントレプレナー)です。次々と事業を興すばかりでなく、起業して成功を収めた後に、その会社を売却・譲渡して獲得した資金を元手に新しい事業を始める例も多くみられます。特定の業界やビジネスモデルに囚われず、自由な発想と行動力で複数の事業を展開していくシリアルアントレプレナーは、日本でも注目を浴びる存在です。効率良く短期間で利益を獲得し、その後の運営は売却先に任せて自分は新しいことを始めるという働き方も、選択肢のひとつだといえるでしょう。
起業家はユニークなビジネスモデルであり、成功するにはいくつか特定のスキルが必要になります。そうしたスキルの例を以下に挙げてみましょう。もし、スキルに不安がある場合は、その弱点を補う人材を採用することを念頭に入れましょう。
戦略的な思考と問題解決能力
財務の管理・計画能力
販売、マーケティングの統括・目標設定能力
ミクロ、マクロ両面でのリーダーシップとチームマネジメント能力
見込み客の創出、営業改革、クリエイティブな思考を含む販売ネットワーキング・関係構築能力
リスク回避を含む回復力と柔軟性
時間の整理・管理能力
コミュニケーション力・交渉力
マーケットの調査・分析力
起業家に必要なスキルについて把握したところで、次は起業家に至るまでの道のりをみてみましょう。起業家になるには欠かせない 5 つのステップは次のとおりです。
最初のステップは解決したい課題を明確にすることです。目標とするのは自分自身のために働くことや、画期的なアイデアで現在の市場をあっと言わせることです。ですから、頭の中にあるすべてのアイデアを目の前に並べ、取捨選択をしてみましょう。経験してきた仕事内容や、すでに持っているスキルを考慮するのはもちろんですが、実現に向けて粘りと意欲を発揮できるビジネスはなにかが一番大切なポイントになります。ゼロからビジネスを始めるのはもちろんのこと、実現できるかどうかはあなた自身にかかっています。ですから、自分の心の底に根ざしている欲求を掘り起こすことが肝心なのです。
「知識は力なり」以上にこの場に当てはまる言葉はありません。主要な課題が明確になったところで、対象となる業界についてできる限りのことを学びましょう。まったく新しい分野であれ、すでに経験のある業界であれ、インターネットにあふれる豊富な情報を活用して知識を蓄積しない手はありません。
本やブログを読み、他の起業家のホームページを研究して、ターゲットとなる市場についてよく調べて学びましょう。 GLOBIS 学び放題やヒューマンアカデミーのようなオンラインコースを受講する手もあります。ご自身のアイデアに別の視点を与えてくれるようなコンテンツに触れ、実際の状況をしっかりと把握しましょう。
例えば、商品の販売を手掛ける場合は、想定される顧客(ペルソナ)を設定して商品の買い手を具体的にイメージする必要があります。まずは自分の顧客の人物像と、彼らが商品に何を求めているかを考えてみましょう。年齢や職業など、ターゲットにする層の特徴や、そのような顧客たちが共通して抱えていそうな問題を考えてみてください。
これらを検討することで、次のステップであるソリューションの策定につなげることができます。
起業家の特徴は、ものごとを新鮮な角度から捉える力や既成概念にとらわれない発想力です。あなたが提供するソリューションは、対象となる市場にこれまで存在しなかったものであるべきです。ターゲットとする人々の目に魅力的に映るような、クリエイティブで革新的なアプローチを考えましょう。そうすることで注目が集まり、潜在的な投資家を引きつけることができます。この段階では細部まで練り上げる必要はありません。一般的な解決策から始め、どの選択肢が最も現実的で実行可能かを見極める過程で詳細を詰めていけばいいでしょう。
こんな例があります。1983年、ミラノを訪れていたハワード・シュルツは、好きなだけ腰を落ち着けて仕事やおしゃべりできるコーヒーショップが、 1,500 軒以上も軒を連ねていることに気づきました。今日のアメリカでは当たり前のコーヒーショップ文化ですが、当時はまだ存在しておらず、シュルツはここに市場としての可能性を見出しました。このアイデアを実行に移したシュルツは、当時 4 店舗しかなかったスターバックス社を買収し、世界最大のコーヒーチェーンに育て上げたのです。シュルツが成し遂げたことはそれだけではありません。このコーヒーの巨人は、コーヒーを飲むアメリカ人の概念を変え、レベルを底上げして高級コーヒー嗜好を大衆に広め、最終的には市場全体に変化をもたらしました。
同じ分野の他のプロフェッショナルたちとつながることは、その業界の実践的な知識の獲得に向けた極めて戦略的なステップです。カンファレンス、関連するトピックについての講演などの催し、起業家を目指す過程で指導してくれるメンターを見つけるなど、ネットワーキングの方法はさまざまあります。使用の自由度が最も高いツールのひとつが LinkedIn です。このプラットフォームを使えば、他のプロフェッショナルたちと直接連絡を取ることができます。無料会員になることもできますが、プレミアムアカウント(月額 3,627 円~ 13,300 円)には事業構築の初期段階にある起業家にとって非常に便利な機能が用意されています。例えば、まだつながっていない個人にもメッセージを送ることができる InMail メッセージや詳細検索などです。
このようなネットワーキング活動の一環として、経験や専門知識を学べる書籍の購読や学習コースの受講など、起業家を対象としたリソースを活用することも考えられます。
アイデアがあり、友人や同僚にも相談し、実現可能なビジネスプランも用意しました。次は、最も重要で最も難しいステップである、ビジネスを始めるための資金調達です。
幸いにも、今すぐ動かせるお金や資金的な支援者がなくても夢は実現できます。個人事業主や合同会社( LLC )などとして事業を立ち上げると、銀行融資や制度融資の利用などを検討できるようになります。また、 Readyfor や CAMPFIRE などのクラウドファンディングを利用すれば、さまざまな人から資金を調達することができます。さらに、資金集めやアイデア紹介を目的とする資金調達イベントを開催することも可能です。
別の選択肢として、投資家を発掘することも考えられます。友人、血縁者、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタルなどが挙げられますが、誰に売り込む場合でも、あなたの事業コンセプトが十分に練り上げられており、投資に値するものであることを証明する必要があります。
そのためには、ピッチ資料を用意しましょう。ビジネスにおける「ピッチ」とは、開発資金を呼び込むために行う、要点を詰め込んだ 10 〜 20 スライドほどの短いプレゼンテーションを意味します。投資家が知りたい情報を要点を踏まえ、誰もが理解できるようにわかりやすくまとめる必要があります。
ピッチ資料に含めるべき内容
ビジョン
社会課題
現状のソリューション
解決策の提示
ターゲット市場の規模や競合調査(参入障壁の築き方)
ビジネスモデルと収益化の方法
ビジネスポテンシャルがあり、十分なリサーチも済ませてあり、あらゆる側面から考え抜かれた事業であること、そして投資家にとってメリットがある事業であることを、投資家に理解してもらうことが肝要です。
起業家は、今や経済の活性化に欠かせない存在です。自らの問題意識や情熱、経験、スキルを活かして一からビジネスを興す起業家は、今後の働き方のひとつとして社会の注目を浴び続けることでしょう。
本記事では、起業家とは何か、起業家の特徴やスキル、起業家になるためのステップなど、起業家について簡単かつわかりやすく解説してみました。起業家になるのは決して難しいことではありません。次はあなたが夢や理想的な働き方の実現に向けて一歩を踏み出す番です。起業家として行動するためのさらに具体的な情報、ウェブサイトの作成、マーケティング、ブランドの構築などについては、ぜひ Wix の他のページもご覧ください。
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この記事を書いた人
Miyuki Shimose
SEO & ブログコンテンツマーケター