ドメイン移管の手順とは?初心者でもスムーズに実行する方法
- Miyuki Shimose
- 6月6日
- 読了時間: 10分
更新日:7月3日

ドメイン移管の流れは、どのレジストラ(ドメイン管理会社)から移管するか、どのサービスに移すかによって多少手順が異なりますが、基本の流れは共通しています。基本の手順とポイントをしっかり押さえておけば、初めてでもスムーズに進めることができます。
そこでこの記事では、ドメイン移管についての基礎知識から、準備・移管手順、よくあるトラブルの解決方法、そして Wix が提供するプラットフォームにドメインを移管する方法まで解説します。
「ドメイン移管を自分で進めたい」「今の事業者から移りたい」と考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
ドメイン取得がまだの方は、こちらの独自ドメイン取得方法を解説したブログ記事もご覧ください。「.com」「.net」「.org」の違いを解説した記事や、空きドメイン検索ツールの利用もおすすめです。
ドメイン移管とは?
ドメイン移管とは、現在使っているウェブサイトのアドレスであるドメインを、今のドメイン管理会社(レジストラ)から新しいレジストラへ移す手続きのことです。
これにより、サイトのアドレスや URL を変えずに、実際の管理や支払い方法・ DNS 設定などを新しいホストでまとめて行えるようになります。
ドメイン移管を正しく完了させることで、ウェブサイトのアクセスやメールの機能を維持しながら、スムーズにドメインの運用先を切り替えることができます。
ドメイン移管で重要な点は、「所有権の移転」ではなく「管理業者の変更」だということです。あなたはドメインの所有者であり続けます。移管後も同じドメインを使って同じウェブサイトを運用できます。
ドメインを移管する理由とは?
ドメイン移管の主な目的は、より良いサービスやサポート、お得な料金プラン、使いやすい管理パネルなどを求めて行われます。
ドメインを移管する理由を整理しておくことで、自分に合った管理会社や最適な移管タイミングを判断しやすくなります。
現在のレジストラへの不満
カスタマーサポートの対応が悪い、管理画面が使いにくい、サーバー障害が多いといった提供される機能の制限などに不満を感じている場合。
より良い機能・価格を求めて
他社の方が安価なドメイン管理や、ドメインプライバシー保護・便利なサイトビルダーといった追加機能が利用できる場合。
サービスの一本化・管理効率化
複数のドメインをバラバラの管理会社に預けている場合、一つのレジストラ(DNS管理会社)にまとめることで、管理やコストを最適化できるため。
会社の合併や事業譲渡に伴った移管 会社の合併や事業譲渡によって、新しいレジストラへの移管が必要になることもあります。
重要なのは自分の目的やニーズを明確にし、それに合ったドメイン移管先を選ぶことです。
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ドメインを移管する手順
ドメイン移管をスムーズに進めるには、事前の準備が重要です。必要な情報を集め、確認事項をチェックすることで、トラブルを未然に防げます。
移管対象のドメインか確認する
まず確認すべきは、ドメインの登録状態です。ICANN(国際機関)が定めたルールにより、移管できるのは登録から 60 日以上経過したドメインに限られます。最近取得したばかりの場合は、この期間を待つ必要があります。
2. ドメインをアンロック(ロック解除)する
次に、ドメインのロック状態を確認します。多くのドメインは不正な移管を防ぐために「転送ロック」がかかっているため、現在の登録業者の管理画面でこのロックを解除する必要があります。
連絡先情報を最新に更新する
さらに、ドメイン管理者の連絡先メールアドレスが最新かつアクセス可能であることを確認しましょう。移管手続きの承認メールはこのアドレスに送られるためです。
Whois 情報が正確であることも重要です。特に管理者情報はプライバシー保護がかかっていないことが必要です。一時的にプライバシー保護を解除することになります。
移管に必要な情報と認証コードを取得する
移管に必須となるのは「認証コード」(AuthCode または EPP コード)です。これは現在の登録業者から取得できる、ドメイン移管のためのパスワードのようなものです。
ドメインの詳細情報も準備しておきましょう。具体的には、ドメイン名、登録日、有効期限、現在の DNS 設定などです。これらは現在の管理画面で確認できます。
移管先の業者によっては、身分証明書や会社登記簿謄本などの提出を求められることもあります。特に .jp ドメインなど国別ドメインでは必要になることが多いです。
支払い情報も用意しておきましょう。多くの場合、移管には1年分の更新料が含まれます。クレジットカードや支払い方法の情報を事前に準備しておくとスムーズです。
移管前のバックアップと記録
移管作業の前には、現在の DNS 設定をスクリーンショットや文書で記録しておきましょう。移管後に同じ設定を復元する際に役立ちます。
独自ドメインメールサービスを利用している場合は、MX レコードの設定も記録しておきます。これらの情報を失うとメール受信ができなくなる可能性があります。
また、ウェブサイトのバックアップも取っておくと安心です。移管自体はサイトコンテンツに影響しませんが、予期せぬトラブルに備えておくのは賢明です。
6. 新レジストラで移管手続きを開始する
準備が完了したら次は、移管先となる新しいレジストラを選びます。価格やサポート体制、追加機能(ドメイン保護やサイトビルダーなど)を比較し、納得できるサービスを選んでアカウントを作成してください。
新しいレジストラによっては、移管時に料金が発生します(1年分の契約更新が必要な場合もあり)。事前に料金体系をよく確認し、必要な場合は移管費用の支払いを行いましょう。中には初年度無料などのキャンペーンを実施しているケースもあります。
新レジストラでアカウントを作成したら、管理画面から移管申請を行います。先ほど取得した認証コードや、各種登録情報を入力してください。ドメイン所有者や登録情報の確認は Whois サービスで可能です。
7. 移管申請を承認する
移管手続きを始めると、新しいレジストラから承認依頼のメールが届きます。これは本人確認と不正防止のために必要な作業です。メール内の案内に従い、移管申請を承認しましょう。
移管には通常数日かかります。進捗状況や追加指示がある場合もあるので、メールはこまめに確認してください。なお、移管中は多少のダウンタイムが発生することがあるため、事前にユーザーや関係者へ周知すると安心です。
8. 移管完了を確認する
移管が完了したら、新しいレジストラの管理画面でドメインが正しく登録されているか確認します。
ウェブサイトやメールが正常に動作しているかも必ず確かめてください。また、ネームサーバーや DNS の設定など、必要な情報を新しい環境で再設定しましょう。適切に設定しないと、サイトやメールが利用できなくなる可能性があります。
万が一トラブルがあれば、速やかに新レジストラのサポートに相談しましょう。
9. ドメインの自動更新設定を確認する
ドメイン移管時期がドメインの有効期限と重なる場合、レジストラによっては自動で更新されることもあります。必要に応じて更新手続きや有効期限の確認を行いましょう。
10. 旧サービスの解約
すべての確認が終わり、問題なく新しい環境で運用できていれば、旧レジストラや旧ホスティングサービスの契約を解約しましょう。解約にもれがあると余計な費用が発生する可能性があります。
スムーズな移管のためのポイント
事前準備をしっかり行う
移管手続きのタイミングは、アクセスが多い時期やイベント開催時を避けましょう。万一に備え、サイトやメールのバックアップも取っておくと安心です。
困ったらサポートに相談
操作方法や不明点は、必ずレジストラのカスタマーサポートに早めに相談しましょう。移管に慣れていなくても、丁寧にガイドしてもらえます。
ウェブサイトやメールのバックアップ
トラブル発生時でも、バックアップがあれば元に戻すことができるため、必ず事前にデータの保存を行いましょう。
Wix へのドメイン移管方法
Wix にドメインを移管すると、ドメイン情報や DNS 設定、契約の管理をすべてWix アカウント上で一元化できます。
Wixでドメイン移管する手順
Wix エディタ上の「ドメイン」メニューにアクセス
「既存ドメインを追加」から「ドメインをWixに移管する」を選択
移管するドメインと現在の管理会社を入力
(別のブラウザタブで)現レジストラの管理画面にログインし、ドメイン移管ロックを解除し、認証コードを取得
(Wix アカウントに戻り)認証コードを入力
契約延長年数とクーポン使用の有無を選択
連絡先情報を見直し更新
ドメインプライバシー設定を選択 プライベート登録:個人情報(名前と住所)は保護され、WHOIS ドメイン情報レコードに掲載されない登録方法です。プライバシー保護オプションは、いつでも有効と無効を切り替えることができます。
パブリック登録:個人情報(名前と住所)が WHOIS ドメインレコードに常に表示されます。
支払方法を選びドメインの移管を完了します

次のステップ
購入を完了すると、「wix-team@registrar.wix.com」からドメイン登録者のメールアドレスに、移管が開始されたことを確認するメールが送信されます。ドメインの移管が完了するまで、最大 7 日間かかる場合があります。
ドメイン移管時によくあるトラブルと解決策
ドメイン移管はシンプルな手続きですが、思いがけないトラブルが起こることもあります。主な事例とその対応方法をまとめました。
ドメインがロックされている
多くのレジストラでは、不正な移管を防ぐために初期状態でドメインがロックされています。管理画面の「ドメイン管理」セクションからロックを解除してください。やり方が分からない場合は、直接サポート窓口に問い合わせるとスムーズです。
連絡先情報が古い・正しくない
メールアドレスなどの情報が正しくないと、移管承認メールが受け取れません。移管を始める前に、登録情報を必ず最新化しましょう。
認証コード(EPPコード)の取得で手間取る
EPPコードが見つからない場合や分からない場合、管理画面をよく確認するか、レジストラのサポートに早めに連絡しましょう。
60日以内の変更や移管があった場合の制限
ドメイン登録や名義変更後60日間は移管できません。事前に移管可能かどうか確認し、該当する場合は待つ必要があります。
処理の遅延
手順漏れやレジストラ独自のポリシーにより、移管が遅延するケースもあります。ロック解除、認証コードの提出、承認メールの確認がすべて済んでいるか再チェックしましょう。5〜7日以上経っても進捗がなければ問い合わせてみてください。
予期せぬ手数料
移管時に、追加費用や契約更新料金が発生する場合もあります。各社の料金体系やキャンペーンを事前に確認し、費用面でもトラブルを防ぎましょう。
もっと詳しく ▶︎ ドメインとは?やホスティングサービスとレンタルサーバーの違いについて、そしてトップレベルドメイン(TLD)などドメイン名を決める際に役立つ関連記事もぜひご活用ください。
この記事を書いた人

下瀬 美幸(Miyuki Shimose)
Wix 公式ブログ編集者/SEO エキスパート