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「販売価格」の決め方|価格を決定する9つの方法


「販売価格」の決め方|価格を決定する9つの方法


ネットショップで販売価格を設定する際に検討すべき要素は、数式や数値だけではありません。


利益率や収益などの数値は重要ですが、原材料費の変動や販売場所、事業に適用される法規や規制など、ほかにも注意すべき要素も存在します。


実際には、顧客がどのような商品を求めているか、また、いくらであれば支払ってくれるかを常に予測し続ける必要があります。そのため、さまざまな価格戦略を理解し、それらを適切なタイミングで活用することが、利益を生み出すカギとなります。


そこで、この記事では、販売価格戦略の策定に役立つ情報をお届けします。すぐに実践できる価格戦略から、ネットショップを作成する際に最適な価格の決め方について詳しく見ていきましょう。




▼ もっと詳しく

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代表的な販売価格戦略9選


販売価格設定で考慮すべき点については、すでにいくつか触れました。次は、さまざまな価格戦略を試してみることが必要になります。中小の E コマースで現在よく使われている 9 つの販売価格戦略を以下にご紹介します。


専門家のヒント:以下の販売価格戦略から 1 つか 2 つ選び、いろいろな組み合わせでテストを行い、自分のビジネスに適した戦略を見つけましょう。


01. コストプラス価格


原価に利幅を上乗せして希望の価格帯にする、最も単純な販売価格設定法の一つといえます。需要状況や競合相手の価格設定などは考慮しません。


02. キーストーン価格


商品の卸売価格を単純に 2 倍して販売価格を設定する方法です。送料、需要、その他の要素を考慮しながら利幅を調整します。


03. 競争に基づく価格


競合他社と同程度の価格を維持します。飽和状態にある分野や、価格が最も重視されるマーケットプレイスでよく使われる戦略です。


04. プレミアム価格


販売価格を常に競合他社より高く設定し、自社の商品は他社よりも品質が高い、または何らかの点で優れているという認識を醸成します。高級ブランドのイメージ構築手法の一つですが、その販売価格を正当化するには、顧客が価格に値する価値を確実に商品から得る必要があります。


05. スキミング価格


商品の市場投入時に合理的な範囲の最高価格で販売し、時間をかけて段階的に価格を下げていく方法です。この戦略では商品のライフサイクル初期に最大収益を確保できます。


06. 割引/セール価格


一時的に割引を提供して売り上げや顧客ロイヤルティー向上のインセンティブにしたり、季節外れの商品や動きの少ない商品を割り引いたりします。ただし、顧客から見たブランド価値を下げる恐れがあるため、期間や頻度は必要な範囲にとどめましょう。


07. ペネトレーション価格


商品の初期販売価格を低く設定し、顧客を惹きつけて市場シェアを獲得する手法です。売上を伸ばし、顧客のロイヤルティーを得ることができます。


08. バリューベース価格


商品の価値を反映した販売価格に設定します。高品質なもの、耐久性があるもの、有名ブランドが作成した商品などでは他の商品より高い販売価格を設定する場合があります。


09. セット商品価格


複数の関連商品をセットで販売します。セット価格は単品購入価格よりも高くなりますが、セットに含まれる商品それぞの単品価格は割安になります。平均注文額(AOV)を高め、一度に複数の商品を購入してもらうための手法です。


どの販売価格戦略を選ぶにせよ、まずは試しながら自分のビジネスに最適な手法を見つけることが肝要です。価格の設定については、恐れることなく完全に適したものが見つかるまでさまざまな戦略をテストしてみてください。競合相手への目配りも怠らないようにしましょう。


代表的な販売価格戦略9選

Wix の E コマース機能には、価格の調整やモニタリングを目的とする便利なツールが含まれています。商品原価、利ざや、利益を一元管理できるうえ、割引価格の設定やクーポンの作成なども可能です。こちらでぜひご確認ください。


EC運営に必要な機能がすべてそろった「Wix Eコマース」でいますぐネットショップを作成をはじめましょう。



販売価格戦略の要素


適性価格はバランスの問題です。高すぎると顧客が離れるリスクが生じ、安すぎると利益を失います。


以下に、適切な価格を見つける 5 つのヒントを挙げてみました。


01. 利幅


すべての経費を加算し、営業経費を算出します。商品の生産や発注コストも含めた全経費を把握することで、ビジネスの維持に必要な一販売あたりの利益をより正確に見積ることができます。


サプライヤーへの商品発注費、材料費、オンライン販売に関わる手数料(マーケットプレイス利用費、決済処理手数料)などのわかりやすい項目はもちろんのこと、生産にかかる時間や梱包用品費などの気づきにくい経費も忘れずに含めましょう。



02. 販売場所


自社ブランドサイトやマーケットプレイスなどの販売予定場所のリストを作成します。各チャネルの客層、価格帯、必要手数料、売れ筋商品を調査・検討してください。また、参入する商品カテゴリーでの競合状態も評価します。


例えば、5,000 円の HydroFlask ブランドの商品は、Amazon であれば買い手がつく可能性がありますが、低価格指向の買い物客を狙った品揃えの Wish では難しいかもしれません。


03. 規制/ルール


多くのサードパーティマーケットプレイスでは均一価格が義務付けられています。このポリシーの下では、他のマーケットプレイスや自分の Web サイトなど、どの販売場所でも同じ価格を提示しなければなりません。


また、例えば Etsy のようなプラットフォームでは、売り手同士による価格調整が禁じられています。



販売価格を決める前に、販売するすべてのチャネルについて価格設定のルールや要件をしっかりと把握しましょう。


04. マーケットリサーチ


ターゲット顧客を明確に絞り込むことで、それらの人々が当該商品や類似品に費やす一般的な価格を把握できます。商品について、顧客が市場で支払う(または支払わない)金額を調査しましょう。


需要の高い商品を販売する場合も戦略的な価格設定を行い、市場からかけ離れた値段にしたり、本来の価値以下で販売したりしないようにすることが大切です。各マーケットプレイスやライバルたちのサイトを訪問して売れ筋商品の平均価格をチェックするなど、実践的な調査を行います。また、ERESA のような商品リサーチツールを使えば価格やラインキング推移などの詳細情報を入手できます。


05. 商品のユニークさ


顧客は、ユニークなものや、自分の価値観に合ったものに対しては、より高い価格を支払う傾向にあります。




Wixユーザーの販売価格戦略事例


ここでは、Wix の E コマースユーザー 3 社を取り上げ、販売価格戦略の例をお見せします。


・ペネトレーション価格


オンラインで宝飾品を販売している Darby Pritchards は、複数の価格設定法を採用しています。なかでも、中級で手頃な価格のジュエリーを提供するという同社の方針に沿い、ペネトレーション価格を採用しているのが特徴的です。ラインアップが豊富であらゆるシーンに対応できるジュエリーの手持ちを増やしたい買い物客には格好の店舗になっています。



・セット商品価格


The Spice Suite は、食欲をそそる多様なスパイスやオイルを探しているシェフや料理人にぴったりです。ワシントン D.C. の中心部に実店舗を構え、オンラインショップを併設することで世界中どこからでもそのスパイスが入手できます。送料や手数料をカバーするため、オンラインでの販売はスパイスボックス、キッチンウェアセット、ファッションウェアボックスなどのセット商品限定となっています。



・バリューベース価格


Kaekoo は、インド、トルコ、タイ、アフリカ、アルゼンチンのアーティストたちがデザインした手作りのテキスタイルを販売しています。同社は、「各作品は、何世代にもわたって受け継がれてきた先祖伝来の技法を用いて慎重にデザインされ、倫理的に制作されています」と、サイトの「ストーリー」で述べています。このブランドは、手織りのクッションケースを一般的なものより高い価格で販売するバリューベースの価格設定を採用していますが、それにはしっかりした根拠があるのです。



強い・弱い価格戦略を理解する


唯一の完全、または不完全な販売価格戦略というものはありません。価格設定は、主に収益に与える影響や販売する商品の種類、在庫に対する現在の需要によってアプローチが変わってきます。


採用中のアプローチの有効性に影響を及ぼす要素は見落とされやすく、販売価格の妥協点を維持するのは必ずしも容易ではありません。


ある状況において、その価格戦略が強いのか弱いのかを判断する際に考慮すべきシナリオをいくつか挙げてみます。


一般的な商品を幅広く販売する場合は、市場にはかなり多様な種類の商品が存在するため、検討すべき価格戦略も多岐に及びます。販売する各サブカテゴリーや商品ラインの価格戦略を分析し、市場調査に基づいて個別に価格設定を行うことが大切です。


起業したばかりの場合は、価格設定には関連するすべての事業立ち上げコストを考慮します。これには在庫、送料、マーケティング、従業員の給与などが含まれます。


独自のアイテムや体験を販売する場合、とりわけ CBD を含んだ化粧品のような需要が高い商品を販売する場合は、より高い価格(コストプラス、プレミアムなど)を設定しやすくなります。提供する価値や独自性が高いほど、販売価格を上げる余地も大きくなります。


需要の高い商品や供給不足の商品を販売する場合も、プレミアム価格を設定できます。とはいえ、便乗値上げなどは避けるべきです。例えば、コロナ禍の初期に多くの販売業者が消毒剤やマスク、その他の必要品を過剰な高価格で販売し、市場や当局の規制措置を受けました。 


日用品や販売競争が激しい商品の場合は、プレミアム価格戦略を採用すると競合相手にビジネスを奪われやすくなるため、注意が必要です。


デジタル商品を販売する場合は、提供する価値に基づいて価格を設定できます。また、追加で異なる価格帯を設定することもできます。例えば、基本バージョンを低価格で販売すると共に、別の機能を付加したプレミアムバージョンをより高価格で提供するなどです。このアプローチは特に、顧客が定期的に料金を支払って商品を利用するサブスクリプションベースの価格設定モデルで効果を発揮します。


採用している価格戦略の妥当性を確認するには、企業物価指数を参照する方法があります。これは日本銀行が公表している企業間で売買される財(物品)の価格変動を示す指標で、従来は「卸売物価指数」と呼ばれていたものです。


企業物価指数は、国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数の 3 つの指数で構成され、景気動向や金融政策を判断するための材料として使われています。例えば、2024年6月の企業物価指数は前年同月比で 2.9%上昇しました。また、円ベースで見た輸入物価指数は前年同月比で 9.5%上昇しました。


企業物価指数が上昇すると、企業が上昇分を販売価格に転嫁することが見込まれるなど、近い将来の物価の動向を推測することが可能になります。また、自ら航空燃料を購入することはなくても、例えばディーゼル燃料の価格が上昇しているのであれば、将来の輸送費や送料の増加を見込むことができます。



適切な販売価格戦略で競争力をつける


販売価格の設定は少々複雑ですが、綿密な計画やテストによって自分のビジネスに適したアプローチを見つけることが可能です。自分の経費を理解し、調査を行い、ターゲット顧客を把握し、適切な頻度でテストを実施します。


ビジネスを始めるための詳細については、Wix のガイドをチェックしてみてください。



Miyuki Shimose

編集者:Miyuki Shimose

SEO & ブログコンテンツマーケター





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