タイポグラフィとは?美しいデザインのコツと基本テクニック
- Miyuki Shimose

- 7月7日
- 読了時間: 8分
更新日:8月6日
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タイポグラフィとは、文字を読みやすく、美しく配置するためのデザインの技術や手法のことです。具体的には、フォントの種類やサイズ、行間、文字間隔などを調整し、見た目の美しさだけでなく、情報が伝わりやすいように工夫します。
この記事ではタイポグラフィの基本から、フォントのデザイン要素の解説、そして、ホームページデザインに適したフォントを選ぶためのヒントを紹介します。
タイポグラフィとは?
タイポグラフィとは、文字や文章を読みやすく、美しくデザインする技術です。この技術は、情報を視覚的に伝えるためにとても重要な役割を果たします。
そのほかにも、ブランドイメージや雰囲気の表現といった、装飾的な効果を目的として活用できる重要なデザイン要素です。
タイポグラフィの主な目的とは?
タイポグラフィの役割は、ただ文字を並べることではありません。伝えたい情報を、より読みやすく、そして魅力的に見せるための重要な手段です。
読みやすさの向上
文字を読みやすくすることで、情報をスムーズに伝えることができます。
美しさの追求
見た目が美しいことで、より魅力的な表現が可能になります。
ブランドらしさを表現する
タイポグラフィに使う、フォントの種類やレイアウトの工夫によって、ブランド独自の世界観を伝えることができます。とくにロゴデザインや Web デザインでは、ブランドアイディンティティを構築する大切な要素です。
タイポグラフィは、ポスターやインフォグラフィックス、 Web サイト、広告など、あらゆる場面で活躍しています。丁寧に設計されたタイポグラフィは、デザイン全体の質を引き上げ、見る人の心を動かす力を持っています。
タイポグラフィの主な要素とは?
書体(タイプフェイス)とフォント 文字の形やデザインを書体といいます。ゴシック体や明朝体、セリフやサンセリフなど、様々な種類があります。
フォントサイズ 文字の大きさは、情報の優先度を示します。見出しやタイトルは大きく、本文は小さくするなど、メリハリをつけることで読みやすさが向上します。
行間 行と行の間隔は、読みやすさを大きく左右します。広すぎると読みにくく、狭すぎると圧迫感があるため、適切な間隔を設定することが重要です。本文ならフォントサイズの1.4 〜 1.6 倍が目安です。
文字間 (カーニング/トラッキング) 文字同士の間隔を整えることで、見た目の印象が変わります。文字によっては間隔を調整することで、より読みやすくすることができます。
レイアウト 文字や画像、図形の配置は、全体の調和がポイントです。余白を活かし、視線が自然に流れる構成を心がけましょう。

Web デザインにおけるタイポグラフィとは?
Web デザインに使用できるフォントには、デバイスに元々インストールされている「システムフォント」と「Web フォント」に大別されます。どの端末からでも同じフォントが表示されるようにするためには、Web フォントを使用する必要があります。
Wix を利用したホームページ作成なら、プリセットにある Web フォントを使用でき、表示についての問題を回避できます。
もちろん、Google Fonts などのフリー Web フォントをダウンロードし、Wix エディタにアップロードして使用することも可能です。

また、Web デザインでは、同じ書体やフォントを使用することで、全体的にまとまったユーザー体験を作り上げられます。同じサイト内で 2、3 種類までのフォントを使用するのは問題ありませんが、同じフォントは同じ使用方法で統一しましょう。
たとえば、ページのタイトルが 40 px の Helvetica Bold で書かれている場合、他のタイトルも同じ条件で揃えます。テキストの条件をカスタマイズして保存する Wix 機能を活用すれば、サイト内で繰り返し使用できるのでおすすめです。

美しく見せるタイポグラフィの基本テクニック
タイポグラフィはデザインにおける「声」です。読者が最初に感じる印象を決め、ブランドの雰囲気や世界観を伝えます。ここでは、読みやすさとブランドらしさを両立するために、美しいタイポグラフィデザインにする 7 つのデザインテクニックを紹介します。
01. 読みやすいサイズと行間を確保する。
文字は情報を伝えるためにあります。まず始めに、「誰が、どの距離から読むか」を想定しましょう。たとえばプレゼン資料なら 3 m 離れた席でも読めるか確認し、行間は文字サイズの 1.4〜1.6 倍を目安に調整します。 背景とのコントラストも必ずチェックしてください。ブログ記事が、目を細めなければいけないほど読みにくかったり、書いてある内容を誤解して間違ったボタンをクリックしてしまったりすると、本当に不快な気分になってしまうものです。
また、文字と背景色のコントラストにも十分に配慮してください。これらの要素を適切に設定することは、アクセシビリティの向上にもつながります。

02. フォントは最大でも3種類まで絞る
タイトルや見出し(ヘッダー)に使うフォント、説明文やブログ記事など、長い文章のブロックに使うフォントを、それぞれ 1 つずつ選ぶとよいでしょう。そして、必要であればアクセントやボタン用に追加で 1 種類使用します。
フォント数を制限することで、媒体をまたいでも統一感が保たれます。また、制限を設けることは、クリエイティビティを鍛える良い練習になります。
03. 情報の階層(ヒエラルキー)を作り視線を誘導する
サイズ・太さ・配置を変えて情報の優先度を示します。新聞の見出しが典型例です。タイトル、サブタイトル、本文の順に整えれば、読者が必要な情報を瞬時に把握できます。
04. フォントの組み合わせを意識する
本文には読みやすさを重視したフォントを選び、見出しでブランドらしさやテーマ性を演出します。数字やアルファベットを欧文フォントに切り替えるだけでも洗練された印象を与えます。
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日本語フォントをメインとして考える際には、相性の良い欧文フォントも合わせて用意しましょう。数字やアルファベットを欧文フォントと切り替えて表示することで、より洗練されたデザインにすることができます。このように2種類以上のフォントを混合して使うことを混植(こんしょく)と言います。
デザイナー用のツールでは、一部の文字に別のフォントが割り当てられる機能がある場合があります。このようにすでに2種類以上のフォントデザインが調整されたものは、合成フォントと言われ簡単に混植デザインが可能です。

05. フォントのイメージを利用してブランドを表現する
タイポグラフィのデザインに着手する前に、ブランドアイデンティティの明確な定義が大切です。 丸ゴシックは親しみやすさ、セリフ体は信頼感、スクリプト体は優雅さを表現します。用途やターゲットに合わせて、書体が持つ心理的効果をうまく活用しましょう。
セリフ体とサンセリフ体の違い
タイポグラフィを語るとき、セリフ体やサンセリフ体という言葉をよく耳にするかと思います。セリフ体の「セリフ(serif)」とは、文字のストロークの端にある小さな装飾(うろこ)を意味します。セリフ(うろこ)のついているセリフ体は「格式・物語」を強調し、落ち着いた印象を与えます。日本語では明朝体との相性がいいです。
一方、サンセリフ体の「サン(sans)」とは、フランス語で「な(無)い」を意味し、サンセリフ体は、文字通り「セリフなし」の文字を指します。 サンセリフ体(このブログ記事で使用している書体)は、一般的に文字の先端に装飾がなく、すっきりとしたラインで構成されています。近代的でフレッシュさ、軽快さを表現することに向いています。日本語ではゴシック体との相性がいいです。

06. 余白やホワイトスペースを意図的に使う
ホワイトスペースとは、文字や画像の周囲にある空白部分のことで、「ネガティブスペース」とも呼ばれます。
グラフィック要素の間に適度なスペースを設けることで、ごちゃごちゃせず文字が分かりやすくなります。また、テキストの周りに余白や空白があると、よりテキストが注目され、セクションや情報ブロックの区別にも役立ちます。
さらに、文字周りに十分なスペースを取ると、読みやすさと高級感が増します。

まとめ
「文字の選び方と見せ方」を整え、優れたタイポグラフィを作成することで、デザインの印象を大きく変えます。美しさだけでなく、使い勝手がよく、分かりやすいデザインにすることで、制作物全体の質を高めることができるでしょう。
まずは行間やフォント数の見直しなど、すぐに変えられる部分から着手してみてください。文字が整うだけで、印刷物のデザインも Web サイトも一段と魅力的になります。
この記事を書いた人

下瀬 美幸(Miyuki Shimose)
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