ノーコードツールとは?活用するメリットやできること、おすすめも紹介
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※こちらの記事は侍エンジニア様よりご寄稿いただきました。
プログラミングスキルがなくても Web サービスを開発できるって本当?
開発にかかる費用や工数を削減できるって具体的にどういう意味?
ノーコードツールって本当に安全なの?
IT 業界の発展とともに、プログラミングスキルがなくてもサービスが開発できる「ノーコードツール」が注目を集めています。
ただ、名前を聞いたことはあるものの、実際にノーコードツールがどんなものかイメージが湧かない人は多いですよね。
そこで、本記事ではノーコードツールのメリットや注意点を紹介します。具体的かつ効果的なノーコードツールの活用方法について解説するので、ぜひ参考にしてください。
記事の要約
ノーコードツールなら誰でも簡単に Web サービスを制作できる
用途に応じたさまざまなノーコードツールがある
ノーコードツールをより活用するならプログラミングを学習しよう
ノーコードツールとは
ノーコードツールとは、誰でも簡単に Web サービスを開発できるサービスです。
本来、Web サイトの制作にはプログラミングスキルが必要ですが、ノーコードツールを使えば直感的な操作できれいなページを作成できます。
たとえば、身近なノーコードツールに「Wix」があります。Wix はデザインのテンプレートが豊富で、ドラッグ & ドロップのみで制作できるのが特徴です。Wix は世界で 2 億 5 千万人以上が利用しているほど有名なサービスなので、拡張性やカスタマイズ機能などのアップデートも定期的に行われています。
ノーコードツールを活用する 3 つのメリット
ここからは、ノーコードツールを活用するメリットを、3 つにまとめて紹介します。
スキルなしで Web サービスが開発できる
開発への人件費や工数が削減できる
短期間で複数のサービスを開発できる
スキルなしで Web サービスが開発できる
前述したように、ノーコードツールを使えばプログラミングスキルがなくても、Web サービスを開発できます。
誰でも簡単に Web サービスが作れるノーコードツールを利用すれば、どのタイミングでも自由に制作作業に取り掛かれます。
たとえば Web サービスの開発をしたいタイミングは、新商品のリリースや新事業、店舗の開業など忙しいことが多いでしょう。
紹介した Wix などを使えば、プログラミングスキルがなくても1時間程度で高クオリティの Web ページを作成可能です。
開発への人件費や工数が削減できる
ノーコードツールを利用すれば、Web サービスの開発にかかる人件費や工数の削減になるのもメリットです。
Web サービスを開発する際には、プログラミングスキルを扱える人材を探すことにも人件費や工数がかかります。
またどのような Web サービスを制作したいのか、組み込んでほしい機能は何かと伝える工数も発生するため、実際に運営できるまでに多くの時間を必要とするでしょう。
ほかにも人件費や工数を抑えることに加え、プロの Web デザイナーに依頼するための費用を大幅に削減できるのがノーコードツールのメリットです。
短期間で複数のサービスを開発できる
ノーコードツールを利用すると、短期間で複数の Web サービスを開発することもできます。
プログラミングの知識がなくても使えるノーコードツールであれば、1 人が短期間にいくつもの Web サービス開発に取り掛かれるからです。
さらに法人など、複数人でサービスを開発できる環境であれば、サイト運営までのスピードは早まるでしょう。
紹介した Wix で Web サービスを制作すれば、同時に複数のプロジェクトを進行できます。短期間で複数のサービスを開発したいのであれば、ノーコードツールの利用がおすすめです。
ノーコードツールでできること
ここからは、ノーコードツールでできることを、4 つにまとめて紹介します。
Webサイトの制作
アプリの開発
手作業の自動化
データベースの管理
Webサイトの制作
ノーコードツールでは、Web サイトの制作が可能です。たとえば Wix なら、ドラック & ドロップの操作のみで、動きのあるサイトを制作できます。
また、Web サイト制作を助ける次のような機能を活用することも可能です。特殊な機能
AI によるレイアウトの提案
サイトに関する改善策の提案
これは、ノーコード Web 制作ツールのなかでも Wix がユーザーのサポートに力を入れており、日本語での丁寧な電話対応を提供しているからこそ実現できることでもあります。
もちろんシンプルな Web サイトも制作できるので、ノーコードツールの利用に迷ったらWixを少し触ってみるのも良いでしょう。
アプリの開発
ノーコードツールを利用すれば、アプリの開発も可能です。ユーザーが Web サイトと同時にアプリも利用することで、自社のブランディングや一貫したサービス提供ができます。
たとえば 2021 年から提供されている Wix の「アプリビルダー」では、ノーコードでアプリ開発が可能です。
Wixの調査によると、この「アプリビルダー」を利用して制作されたモバイルアプリを利用した場合、ネットショップでの取引数が 162% 増加しています。またフィットネスの予約サイトにおいては、予約数が 510% 増加していました。
参考:PR TIMES
手作業の自動化
ノーコードツールを利用すると、手作業で行っていたことの自動化が可能です。
たとえば Google フォームを使って人材募集を行う際、応募してきた人を手作業でリスト化している人は多いでしょう。
しかし人的ミスの発生につながったり、効率が悪かったりとデメリットが多くあります。ノーコードツールなら、この手作業で行っていたリスト化を自動で行えます。Wix では「Wix オートメーション」という機能で実装可能です。
出典:Wixヘルプセンター
上記画像のように、Googleフォームが提出された(行動)とき、スプレッドシートにまとめる(機能)ことができます。
とある行動に基づいて、カスタマイズされた機能を発動できるのがノーコードツールを利用してできるメリットの1つです。
データベースの管理
ノーコードツールでは、データベースの管理もできます。データベースとは、今後も繰り返し使用したいフォーマットだけをあらかじめ制作したものです。
たとえば定期的にイベントを開く場合、概要や開催する場所の住所、参加費用、参加人数などをイチからまとめるのは非効率です。こういったとき、表のデータベースがあれば呼び出して、今回のイベント内容を記載すれば簡単に作業が進められます。
また、他にも訪問したユーザーが起こす行動によって、それぞれ表示するページを変更する(動的ページ)の作成も可能です。Wixなら「Wixデータベース」を活用しましょう。
おすすめのノーコードツール厳選3つ【用途別】
ここからは、用途別におすすめのノーコードツールを厳選して3つ紹介します。
Webサイトを制作するなら「Wix」
アプリを開発するなら「アプリビルダー」
業務効率化に活用するなら「Zapier」
Webサイトを制作するなら「Wix」
出典:Wix
Web サイトの制作には「Wix」がおすすめです。Wix ではホームページの作成や管理、集客などさまざまな機能が用意されています。
そのためWebサイトの制作だけでなく、その後の運用までを考慮されたノーコードツールといえるでしょう。
また 900 種類以上のデザインテンプレートが用意されているため、すぐにWebサイトを制作したい人にもおすすめです。
専門家でなければ対応の難しい SEO 対策も Wix で完結でき、クオリティの高いWebサイトを制作できます。
Web デザイナーや SEO コンサルタントを募集するための工数を削減できるため、Wix を利用すれば費用を抑えた Web サイトの制作が可能です。
アプリを開発するなら「アプリビルダー by Wix」
出典:アプリビルダー
Web アプリの開発なら「アプリビルダー」がおすすめです。アプリビルダーで制作したアプリは、ネットショップやレストランなど、さまざまな業界で活躍してます。
たとえばアプリビルダーで制作したアプリは、Wixで制作したWebサイトとの連携が可能です。シームレスな連結によって、アプリユーザーにもサイトの訪問者にも一貫したサービスの提供ができます。開発したアプリからは美容院の予約ができたり、飲食店で注文ができたりとさまざまな使い方ができます。
アプリを必要としているすべてのビジネスにあった、オリジナルを簡単に制作できるのでおすすめです。
業務効率化に活用するなら「Zapier」
出典:Zapier
業務効率化に活用するなら、「Zapier」というノーコードツールがおすすめです。Zapier はアプリやサービスを連携
させて、業務を自動化できます。
たとえば WordPress で記事を公開したときに、同時にさまざまな SNS での告知投稿を行うといったことも可能です。他にも、メールで受け取った請求書を自動でPDF 保存することもできます。
業務を自動化するだけで作業者の負担が少なくなるだけでなく、人的ミスを避けることも可能です。そもそも担当者も必要なくなるため、採用や維持にかかるコストも削減できます。
このように Zapier を活用すれば、業務プロセスの自動化で効率的に作業を進められます。
ノーコードツールを活用する際の注意点3つ
ノーコードツールを活用する際には、次の3つに注意しましょう。
カスタマイズには上限がある
大規模サービスの開発には不向き
情報漏洩やセキュリティリスクへの対策が必要
カスタマイズには上限がある
ノーコードツールは万能ではありません。あまりにも細かいカスタマイズの場合、思い通りの Web サービスにはならない可能性が高くなります。
これはプログラミングスキルがない人でも簡単に Web サービスの制作ができる、ノーコードツールだからこその注意点でしょう。
またノーコードツールを利用した Web サイトでは、完全なオリジナリティを出すことは難しいです。
デザイン性や機能性の高い Web サービスを制作する場合には、Web デザイナーなどの一定のスキルを持った人材を確保しましょう。
大規模サービスの開発には不向き
ノーコードツールを利用する場合、シンプルな Web サービスの開発に向いていることを理解しておきましょう。
大規模な Web サービスの開発を考えているのであれば、ノーコードツールの利用は不向きです。データを簡素化しているノーコードツールでは、大規模な処理には対応できません。
もし大規模サービスの開発にノーコードツールを利用した場合、時間がかかるだけでなく、結果的に理想の Web サイトが完成しないことも考えられます。
複雑な機能や拡張性を期待するのであれば、プログラミングスキルを使ったWebサービスの開発を行いましょう。
情報漏洩やセキュリティリスク対策が必要
ノーコードツールを利用する場合には、情報漏洩(ろうえい)やセキュリティリスクに注意が必要です。
2021 年の、Microsoft 社のローコードアプリ開発ツールで作成されたアプリから情報が漏えいした事例からは、ノーコードツールにおいても正しくセキュリティリスク対策を行う重要性がわかります。このような事件を避けるために、信頼できるセキュリティサービスを選ぶことが重要です。
またプラットフォームの提供が終了すれば、制作した Web サービスも使用不可能となります。他にも、制作した Web サービスのアクセス権限を間違えて設定した場合、企業の機密情報が全世界に公開される可能性もあるでしょう。
万が一のことがあれば、重要なデータや個人情報の漏洩によって企業の信頼性や評判に悪影響となる可能性も考えられます。
ノーコードツールを使う場合でも、情報漏洩やセキュリティリスクへの対策は必ず必要であると考えておきましょう。
より効果的なノーコードツールの活用を目指すなら
ノーコードツールで、さらに細かなカスタマイズを実装するため、一定のプログラミングスキルを習得しておくと良いでしょう。
ノーコードツールを利用して簡単に Web サービスの大枠を制作し、それぞれのサイトにあった機能を自身でプログラミングする方法が効率的です。
しかし侍エンジニアブログが調査した結果、約 87.5% がプログラミングの学習途中で挫折しています。また、挫折を経験した人の 62.5% が「あったらよかったこと」として「不明点を気軽に聞ける環境」と回答しました。
「完全オリジナルの Web サービスをつくりたい」「機能の充実したサイトにしたい」と考えているなら、プログラミングスキルの習得を目指しましょう。
侍エンジニアでは、マンツーマンのサポート体制でプログラミング学習の挫折を回避できます。
不明点をいつでも気軽に質問できる環境が整っているので、プログラミング学習をスムーズに進めたい人は検討してみてください。
まとめ
本記事ではノーコードツールのメリットや注意点を紹介しました。
ノーコードツールはプログラミングスキルがなくても Web サービスを開発できるため、利用価値は非常に高いです。
ただしカスタマイズの制限や大規模サービスの開発には向かない点、また情報漏洩やセキュリティリスクには注意して利用しましょう。
プログラミングスキルとのバランスを取りながら、ノーコードツールをうまく活用しましょう。
この記事を書いた人
奥純一