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セルフブランディングとは?実践方法を10 ステップで徹底解説


セルフブランディング実践ガイド

更新日 2024年5月19日(公開日  2019年9月26日)


フリーランスや個人事業主にとって、セルフブランディングによって自分のオンリーワンの価値をアピールしていく活動は、ビジネスを継続していく上で欠かせません。


セルフブランディングの目的は、企業名に頼らずにフリーランサーや個人事業主といった「個人」が、お客様から認知され仕事を獲得することです。目標を明確にし、仕事依頼の受け皿となる、ホームページを作成することで、成果の出るセルフブランディングを実践しましょう。


目次



セルフブランディングとは?


セルフブランディングとは、自らの魅力を明確にし、他者に対して意図的にそのイメージを発信するプロモーションプロセスのことです。文字通り、「自分をブランド化」することだといえます。


セルフブランディングでは SNS の活用や書籍の出版などを通じて、自らの専門知識や経験、技術や魅力など、見えない価値を魅力的に、説得力を持って発信するスキルが求められます。


しかし、魅力的にイメージを作り上げようとしすぎて、過剰な肩書や実績を公開してしまう、「痛い」セルフブランディングも見られます。これは、自己ブランディングを確立するどころか、最終的には自分の評判を損なうリスクを伴います。そのため、実際の実績や人柄に基づいた真実性のあるブランディングが重要であり、ビジネスチャンスを逃すことのないよう注意が必要です。


次の章では、セルフブランディングを実践するとどのようなメリットが得られるのか紹介します。


セルフブランディングのメリット

セルフブランディングのメリット


セルフブランディングを実践するメリットを一言でまとめると、特定の分野で唯一無二の存在として顧客に認識してもらい、指名してもらうことができるようになることです。もう少し噛み砕くと、下記のような複数のメリットがあります。


(1)親しみやすさを与えることができる


セルフブランディングでは、あなたの人柄や価値観も発信していくため、単なる「業者」や「サービス提供者」ではなく、個性のある「1人の人間」としてオールラウンドに顧客から見てもらうことができます。そうすることで親しみやすさを与えることができるので、話しかけられたり問い合わせを得る機会をおのずと増やすことができます。


(2)ビジネス・アイデンティティを確立できる


セルフブランディングではあなたの強みやスキルの価値を積極的に発信していくので、あなたが強みを持っている特定の分野であなたの評判を高めることにつながります。言わば、その分野でビジネス・アイデンティティを確立することができます。顧客は明確な理由をもってあなたに仕事を発注してくれるようになり、あなたは更にその分野での評判が高くなるという循環を生むことができます。


(3)ビジネス機会を増やすことができる


強い自分ブランドを確立することで、あなたの得意とする分野でのあなた自身の露出度が高まるため、仕事の問い合わせやインタビュー、講演などの依頼を増やすことにつながるでしょう。


(4)競合サービスと差別化できる


セルフブランディングでは、あなたの「誰にも負けない強み」を発信していくので、競合サービスと差別化を図ることができるようになります。


なお、セルフブランディングでよくある間違いとして、自分のアピールやイメージアップに奮闘するあまり、気づかぬうちにスキルや実績を誇張した実態と伴わない情報を発信してしまったり、虚像を発信しまうことなどが挙げられます。これでは「痛い」人と見られイメージダウンしたり不信感を与えることにつながります。反対にビジネスチャンスを逃してしまうことになるので、注意しましょう。次の章では、成功を目指すための具体的なセルフブランディング戦略について解説します。


セルフブランディングの実践方法 10 ステップ


戦略的にセルフブランディングを行うためには、第一に自分がどの市場でどういったポジショニングで戦っていくか明確にすること、そして第二にそれを積極的に情報発信していくことが必要です。


例えば、「グラフィックデザイナーの山田花子」と認知される場合と、「和風デザイン専門グラフィックデザイナーの山田花子」と認知される場合を比較してみましょう。前者は他にもグラフィックデザイナーを名乗るフリーランスがたくさんいる中で目立たない存在となってしまいます。一方で後者は、和風デザイン専門として他のデザイナーより際立つため、そういったサービスを求めている潜在顧客からの問い合わせを集めやすいと言えるでしょう。


では、いったいどうやって成果の出るセルフブランディング戦略を立てれば良いのでしょうか?



01. 自分自身を深く理解しよう


セルフブランディングをはじめる第一ステップとして、まずはあなた自身について深く考え、自分の得意分野や実績を整理することから始めましょう。下記の切り口を参考に、主観的、客観的の両方の視点で、自分自身は何を成し遂げたいのか、何を武器にしてビジネスという戦場で戦っていきたいのかについて考えてみましょう。


(1)あなたの専門性


これは比較的簡単ですね。あなたの学歴や職歴、現在携わっている仕事内容から、「誰にも負けない」と自負できるあなたの得意分野や強み、専門性をできるだけ沢山リストアップしてみましょう。


(2)あなたの実績

上記(1)でリストアップした分野において、あなたの実績や成功事例をできるだけたくさんリストアップしましょう。これからアピールしていくあなたの価値を裏付け、あなたの自己ブランドの信憑性を高めるものとなります。


(3)パーソナル SWOT 分析

SWOT 分析とは、Strength(強み)Weakness(弱み)Opportunity(機会)Threat(脅威)の略で、企業が経営戦略のために使うフレームワークとしてなじみ深い人も多いでしょう。これを、企業ではなく自分自身に当てはめて「セルフSWOT 分析」を行うことは、自分ブランドを考える際にも非常に有効です。自分が戦う市場をよりよく理解し、自分の武器を整理し明確化するのに役立ちます。その際、あなたの競合サービスとの客観的な比較の観点を持つことがポイントです。


強み:競合サービスと比較して、誰にも負けないと自負できる自分の経験やスキルは何か?

弱み:競合サービスと比較して、自分の苦手な分野や、自分のサービスを改善するための課題は何か?

機会:自分の提供するサービスを必要としている人はどの位いるか?(市場規模はどのくらいか?)

脅威:自分と類似のスキルやサービスを提供している個人・企業の競合プレーヤーはどこにどの位いるか?


(4)ikigai チャートを作成


日本語の「生き甲斐」の概念が海外で認められ英語になり、日本に逆輸入されたコンセプトが Ikigai です。その定義は、「好きなこと」「得意なこと」「世間から必要とされること」「お金をもらえること」の 4 つの要素が、バランスよく組み合わさったときに生まれるもの。この 4 つの指標を自分のビジネス活動に当てはめてみましょう。こうすることで、自ずと自分の情熱、使命、天職、専門性を明確化でき、自分ブランドのコンセプトを研ぎ澄ますのに役立ちます。


ikigaiチャート


02. 顧客ターゲット設定しよう


次に、あなたの専門スキルを必要としている人たち=あなたの潜在クライアントを定義しましょう。言い換えると、あなたは誰のためのブランドになりたいのか、という問いに答える作業です。

これを考えることで、自分ブランドのコンセプトを練りこんだり、自分がターゲットとしたいニッチ市場を突き止めることができます。


例えば、あなたが提供するサービスが、名刺デザインの場合。最初から大企業を顧客に設定するのではなく、依頼を得ることが比較的簡単と思われるフリーランサーをメインのターゲットと設定することとします。すると「フリーランサーにおける名刺へのニーズは何か?」と自問できます。企業・団体の肩書きがなく、個人名で勝負しなければならないフリーランサーは、一発で名前を覚えてもらう必要があります。ならば「インパクトのある名刺デザイン」を中核として、「フリーランサーを応援するブランド」になろう、と決定することができます。このようにしてターゲット設定をすることにより、自分ブランドのコンセプトをさらに明確にすることができます。



03. あなたのストーリーを作ろう


ステップ 1、2 で明確化したあなたの専門性や実績、ターゲット層などの情報を元に、あなたのストーリーを作りましょう。これはいわばあなたのブランドステートメントを作る作業でもあります。

コツは、あなたのターゲット顧客に向けて、下記の点を盛り込みながらビジネス上の自己紹介を書く様に作成することです。


  • あなたはどんな人で

  • これまで何をやってきて

  • 今は何をやっているのか

  • なぜそれをやっているのか

  • どの様な信念でやっているのか


あなたのストーリーは、ウェブサイトや SNS に掲載したり、ビジネスの場での会話やプレゼンテーションの中でも繰り返し使えるように、覚えやすいストーリーに仕立てることがポイントです。


ここまでの作業で、あなたの自分ブランドのコンセプトが完成し、あなたのオンリーワンの価値を世の中に向けて情報発信する準備ができました。自己ブランディングを成功させるコツは、あなたというブランドを一貫性をもたせて情報発信していくことです。


次の 4 〜 10 のステップでは、実際にセルフブランディングのためのツールとその活用のコツについて解説していきます。



04. 個人ロゴを作ろう


ロゴは、大企業や有名ブランドのためだけのもではありません。個人ブランディングを実践する上でも積極的に活用していきたい強力なツールです。なぜなら、あなたのサービスのコンセプトやあなたの人柄をうまく表現したロゴを持つことで、より多くの人にあなたを印象付ける機会を増やし、認知度を高めることができるからです。


本記事の冒頭で出した例「和風デザイン専門グラフィックデザイナーの山田花子」さんのケースを例にとってみましょう。例えば、和の配色を使い、屋号の名前には毛筆フォントを使うことで、一目で和のデザインと関係ある仕事をしている人だと伝えることができるでしょう。


オリジナルの個人ロゴを作成したら、ホームページや SNS などのオンラインチャンネルのみでなく、名刺やプレゼンテーションなど、ビジネス上で名前を露出するすべての媒体に掲載していきましょう。こうすることであなたというブランドに統一感をもたせ、覚えてもらえる可能性がぐっと高まります。セルフブランディングには名刺の作成も欠かせません。ロゴ作成と同時に、おしゃれな名刺デザインのアイデアも考えておきましょう。


Wix ではオリジナルのロゴを数分で自動作成できるサービス「ロゴメーカー」を用意しています。これから自分のロゴを作成したい方はぜひ一度おためしください。


Wixロゴメーカー


05. ウェブサイトを作成しよう


オンライン上でセルフブランディングを実践していく上で、中心となる媒体はウェブサイトです。なぜなら検索エンジン経由で沢山の人に見てもらう機会を作ることができる上に、SNS にはない多様な機能を持たせることが可能だからです。


セルフブランディングのためのサイトに最低限必要となる要素は、下記の 4 つです。上記ステップ 2 ~ 4 で明確化した内容をコンテンツとして掲載しましょう。


  1. サービス紹介 

  2. 実績

  3. プロフィール

  4. お問い合わせフォーム

  5. ブログ


特にブログはセルフブランディングにおいて非常に効果的です。ブログ記事は SNS では掲載しきれない、あなたの人柄や価値観、活動内容などが紹介できる絶好のメディアなので運営を検討しましょう。また定期的にサイトに新しいコンテンツを追加できるブログは、サイトに対する検索エンジンからの評価も上げることができるので、SEO 対策としても有効です。


Wix ではフリーランサーやデザイナー、個人事業主向けにデザインされたウェブサイトテンプレートを豊富に用意しています。画像やテキストを置き換えるだけで、見栄えの良いオリジナルサイトを作ることが可能です。ブログの作成や、オンライン予約機能などもワンクリックで追加することができ、手軽に機能的な自己ブランドサイトを作ることができます。こちらの記事で Wix のホームページの作り方を詳しく解説しているので、これから自己ブランディングのサイトを作る方はチェックしてみるといいでしょう。


Wix のホームページテンプレート


06. サイトの独自ドメインを取得しよう


セルフブランディングのためのホームページを作成したら、独自ドメインを取得して運営しましょう。あなたの氏名や屋号名を使用した独自ドメインでサイトを運営することで、訪問者にプロフェッショナルな印象を与え、ビジネスの信頼度を大きく向上させることができます。


独自ドメインを選ぶコツは幾つかありますが、お勧めなのは「氏名 + 業種」もしくは「屋号 + 業種」の組み合わせです。(屋号の名前自体に業種を表す語句が含まれている場合、屋号のみを独自ドメインに使いましょう。)一目でどんなサービスなのか理解しやすく、覚えてもらいやすいからです。Google などの検索エンジンはサイトコンテンツを評価する際、ドメイン名も重要な手掛かりとしています。あなたの提供するサービスと関連性の高い語句(つまり、あなたが検索上位を狙いたいキーワード)をドメイン名に使うことは、効果的な SEO 対策として知られています。


例えば本記事冒頭の例のグラフィックデザイナーの山田花子さんの場合。「氏名 + 業種」の組み合わせなら yamadahanako-design.com , 屋号が「ヤマハナ デザイン」の場合は屋号をそのままドメイン名につかい yamahana-design.com というドメインを取得すると良いでしょう。


独自ドメインのさらに詳しい選び方はこちらのページで解説しています。独自ドメインを考えるヒントとしてみましょう。



07. 独自ドメインのメールアドレスを取得しよう


自己ブランディングをしていく上で、独自ドメインの仕事用メールアドレスを持つことも非常に重要です。信頼を得るためには、徹底してプロフェッショナルな印象を与える必要があり、無料メールアドレスでは不信感を与えてしまいかねないからです。


例えばあなたが仕事を発注したくてサイトの問い合わせフォームから連絡をした際、返信されてきたメールのアドレスが無料メール「yamahana@gmail.com」だったとしたら、どう感じるでしょうか。名刺やウェブサイトは素敵にデザインされているのに、メールアドレスが無料メールだと、このまま発注しても大丈夫かという不安感が募るのではないでしょうか。一方で、独自ドメインのメールアドレスが info@yamahana-design.com であれば、ちゃんとしたビジネスという安心感を抱くことができますね。


他にも、独自ドメインメールアドレスはメールの開封率を上げるなどのメリットがあります。こちらのページで詳しく解説していますので、チェックしてみましょう。



独自ドメインのメールアドレス取得


08. SNS で発信しよう


SNS はリアルタイムであなたのブランドを発信していくために最適な媒体です。無料で発信力を高めることができます。セルフブランディングにおいては、ホームページと双璧をなす重要なプラットフォームと言えるでしょう。


Facebook 、インスタグラム、Twitter、YouTube、LinkedIn など、あなたの自分ブランドをアピールできる媒体は沢山あります。まずはあなたのスキルや業界に合った幾つかの SNS に限定して始めるのがいいでしょう。同時に全ての媒体で発信すると、息切れしてしまうからです。

  • Twitter は発信力と拡散性に優れており、セルフブランディングには欠かせないツールです。また文章だけで、情報発信ができるので参加障壁が低く、スマホから手軽に発信することができます。セルフブランディングで Twitter を活用するときには、「ターゲット層の役に立つ情報か?」という視点を常に意識しましょう。

  • Instagram はブランドの視覚的なイメージを強化するためのマーケティングツールとして拡大し続けています。画像だけでなく、ストーリやリールを使用すると、あなたの生活や活動内容、イベントの裏側などを公開できます。インスタグラムは、投稿したコンテンツを長い期間共有するのに最適です。ハッシュタグを利用することで、多くのフォロワーにリーチすることが可能です。

  • LinkedIn はオンライン上の履歴書といえます。名刺交換の代わりにアカウントをフォローし合うことで、業界での人脈を広げることができます。他の専門家や企業と繋がり、同じ業界での話題などをタイムリーに共有・把握することも可能です。

  • TikTok は、世界で最も急速に成長している SNS であり、若い年齢層がターゲットのセルフブランディングには絶好のプラットフォームです。拡散性にも優れています。15秒〜1分の短いビデオで、テンポよくついつい見てしまうようなコンテンツ作成を意識しましょう。


どの SNS でも最も重要な側面はプロフィールであると言えるでしょう。ステップ7で作成したウェブサイトへのリンクや、自身が提供できる価値や専門性を説明を追加することができます。自身のウェブサイトのリンクを貼る場所が増えるということは、SEO においても重要で、サイトへのバックリンクが増えるほど検索で表示されやすくなります。SNS のプロフィールも積極的に活用していきましょう。



SNS でセルフブランディング


09. 人脈を広げ、信頼を築こう


プロとしての地位を確立するためには、オンラインとオフラインの両方でアクティブに活動する必要があります。セルフブランディングに効果的な、おすすめのオフライン活動を紹介します。

  • イベントやその他コミュニティネットワークに参加する。

  • 業界で経験が浅い人の指導をする。

  • 自身の経験を高め、業界でのコミュニティを広げるために自分自身のメンターとなる人を探す。

  • 専門分野に関連するイベントのゲストスピーカーとして参加する。

  • 自身の専門分野で、他の人と合同プロジェクトに取り組む

  • 専門分野の人が集まる、イベントを企画・開催する。

  • 関係のある組織やコミュニティイベントをチェックし、積極的に参加する。


これら全てを実践する必要はありません。自身の専門分野の特性やあなたの強みに合致し、楽しみながら情熱的に取り組める活動を選びましょう。このような活動は、人脈を得るためだけでなく、自身の信頼性や信憑性を実際に強化することができます。また、イベントや活動内容は、ホームページや SNS で発信するためのコンテンツにもなります。ぜひ、積極的に取り入れましょう。



10. 定期的に自分の名前をネット検索しよう


上記ステップを一通り終えたら、定期的に自分の名前をネット検索して、インターネット上で自分がどのように見られているかを客観的に確認するようにしましょう。セルフブランディングの成果を確認したり、必要であれば軌道修正を行うなど、セルフブランディングの PDCA を回せるからです。日々、ホームページやSNS 、メディアへの取材対応など複数のチャンネルで情報発信をしていると、思わぬところで想定していないコンテンツが自分と関連づけられてしまうこともあるでしょう。こういった場合にすぐに対策できるようにするためにも、定期的に自分自身について検索してみることは重要です。



まとめ


いかがでしたでしょうか。このブログ記事では、セルフブランディングの実践方法を10ステップでまとめました。ポイントは、まず自分の持っているスキルや専門性の価値を理解し、誰のためのブランドになりたいのか、どのようなブランドコンセプトにしたいのかを明確にすること、そしてそれを継続的に発信していくことです。


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Miyuki Shimose

編集者:Miyuki Shimose

SEO & ブログコンテンツマーケター


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