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こちらの記事は 株式会社Walkers 山口鳳汰さまよりご寄稿いただきました。
AI技術の進化により、画像生成AIツールは多彩な機能を持つようになりました。
しかし、「画像生成AIツール」と言っても、その特徴はツールごとに異なります。
たとえば、テキストやキーワードを入力するだけで独創的な画像を生み出すツールや、既存の画像にスタイル変換や自動補正を行うもの、ラフスケッチを高品質なイラストに仕上げる機能を持つツールも存在します。
ツールを選ぶ際には、生成する画像の使用目的を考慮することが大切です。
商用利用を考えている場合には、ライセンスや著作権に関する制約にも注意が必要です。
また、操作の難易度や必要なハード・ソフトウェア、対応しているファイル形式なども選択のポイントになります。
初心者の方は、シンプルな画面やガイド機能があり、直感的に操作できる使いやすいツールを選ぶと良いでしょう。
一方、より高度な機能を求める方は、ピクセル単位での微調整や独自のフィルターを作成・適用する機能、複数の画像を組み合わせて複雑なシーンを作成する機能、3Dモデルを取り込んでリアルなレンダリングを行える機能など、細かな設定や豊富な機能を持つツールを選ぶ傾向があります。
画像生成AIの世界は日々進化しています。
この機会に、ご自身に最適なツールを見つけ、新たなクリエイティブの世界を体験してみてはいかがでしょうか。
では、実際に画像生成をするならば、どのツールを使用すれば良いのでしょうか。
今回は注目の AI を活用した画像生成ツールを7つ紹介します。
目次
Midjourney(ミッドジャーニー)
Stable Diffusion(ステイブル・ディフュージョン)
DALL·E 3(ダリ・スリー)
Adobe Firefly(アドビ・ファイアフライ)
ImageFX(イメージエフエックス)
Flux(フラックス)
Microsoft Designer(マイクロソフト・デザイナー)
Midjourney は、高度な画像生成能力を持つ AI ツールで、テキストプロンプトから多様なスタイルの画像を生成することができます。
特に、幻想的な画像を生み出すことに長けており、アーティストやデザイナーから高い評価を得ています。
Midjourney は、Discord 上でサービスを提供しており、ユーザーは Discord サーバーに参加してコマンドを入力するだけで簡単に画像を生成することができます。
画像のカスタマイズ性も高く、特定のアートスタイルなど細部にわたる設定が可能です。
商用利用に関しても、有料プランの契約を行うと一部の場合を除き商用利用は可能としているため、ビジネス用途でも安心して利用することができます。
Stable Diffusion は、オープンソースの画像生成 AI モデルであり、ローカル環境での実行が可能な点が特徴です。
ユーザーは自分のコンピュータ上でモデルを動かすことができ、プライバシーやデータセキュリティを重視するプロジェクトに適しています。
コミュニティによる活発な開発が行われており、多彩なカスタマイズや拡張が可能です。
画像から画像への変換(img2img)や、テキストプロンプトからリアル調からアニメ調まで特定のスタイルで高解像度の画像を生成することも可能です。
商用利用に関しては、商用利用できないと明記されているAIモデルで生成された画像を除いて利用することが可能です。
DALL·E 3 は、ChatGPT の運営で知られる OpenAI が開発した最新の画像生成モデルで、ChatGPT 上で画像生成を行うことができるため、ChatGPT の高度なプロンプト理解力を用いて画像生成を行うことができます。
特に、抽象的な概念や複雑なシーンの表現に優れており、ユーザーが入力した複雑なテキストプロンプトに対して、精密で高品質な画像を生成します。
これによって、生成したい画像の意図を正確に反映することが可能です。
DALL·E 3 は前バージョンと比べて生成速度と画像品質が大幅に向上しており、よりリアルな画像を提供することができます。
OpenAI のポリシーに基づき、不適切なコンテンツの生成を防止する仕組みも組み込まれており、安全に利用することができます。
API を通じて他のアプリケーションに統合することも可能で、開発者にとっても使い勝手の良いツールです。
商用利用も可能としており、ビジネス用途でも使用することができます。
Adobe Firefly は、Adobe が開発した画像生成AIツールで、テキストから画像を生成することができます。
Adobe Express にて画像生成のみを行うことができるほか、Photoshop やIllustrator などの Adobe 製品とシームレスに統合されています。
これにより、クリエイターは従来の作業手順を大きく変えることなく、AI の力を活用してデザイン作成を効率化することができます。
Illustrator や Photoshop に統合された AI 機能では、既存コンテンツの特定箇所のみの差し替えや、塗りつぶしなどの編集作業を行うことも可能です。
AI の学習元コンテンツは、Adobe が権利を保有するものや期限切れのものなど、Adobe 独自のルールで構成されたクリーンなデータを使用しているため、著作権など権利上の問題を心配することなく利用することができます。
商用利用に関しても、Adobe のライセンスに従うことで安心してビジネスシーンで利用できます。
ImageFX は、Google が開発した最新の画像生成 AI ツールで、プロンプト内の単語を理解する力が他のツールよりも優れています。
入力したプロンプトのスタイルを保ったまま、様々なシーンの画像を生成するための新たなプロンプト(単語)を提案する機能が搭載されており、直感的に自分のイメージに近い画像を複数枚生成することができます。
現在、Google アカウントを持つ 18 歳以上の方は誰でも無料で利用することができます。
シンプルで直感的に操作できる編集画面や、AI で生成されたものと証明する「SynthID」という電子透かしが埋め込まれていることが特徴です。
電子透かしが埋め込まれていることによって、フェイク画像の拡散リスクなどを軽減することができ、AI 技術の透明性や信頼性を確保しています。
ImageFX の利用規約では、商用利用の可否について明確に記載されていないため、商用利用を行う際には十分な注意を払う必要があります。
あくまでも個人の利用範囲内での使用や、イメージを具現化するために使用するのが最適です。
Flux は、プロンプトから高精度でリアルな画像を生成できる AI モデルです。
元 Stable Diffusion の開発者たちが設立した Black Forest Labs によって開発されており、使用目的に応じた3つの異なるモデルを提供しているため、クリエイターやデザイナーにとって非常に強力なツールとなっています。
Flux は、プロンプトの高い再現性と高品質な画像生成が特徴で、人体や風景などのディテールも精密に表現できます。
さらに、生成速度が非常に高速で、1024×768 の高解像度画像を1枚あたり約1秒で生成することも可能です。
Flux を利用するには、Black Forest Labs 公認のプラットフォーム「fal.ai」などを利用する必要があります。
Microsoft Designer は、Microsoft が提供する AI 搭載のデザイン支援ツールです。
Microsoft Designer に含まれる Image Creator という機能を使用することで、画像生成を行うことができます。
Image Creator はテキストから高品質な画像を生成する機能で、Web アプリケーションのほか、Microsoft Edge といったブラウザや、検索エンジン Bing に搭載されているため、どこからでも簡単にアイデアを即座にビジュアル化することが可能です。
Microsoft アカウントでログインをするだけですぐに利用することができ、直感的な操作で画像生成を行うことができるため、AI を用いた画像生成を行なったことがない初心者の方でも簡単に使用できます。
商用利用についても、Microsoft のライセンスに基づいて利用することができます。
画像生成 AI ツールは、AI 技術の発展により多彩な機能を持ち、クリエイティブの可能性を大きく広げています。
しかし、それぞれのツールには独自の特徴や機能があるため、自分の目的やニーズに合ったものを選ぶことが重要です。
ツールを選ぶ際には、使用目的とライセンスが大きなポイントとなります。
商用利用を検討している場合は、各ツールのライセンスや著作権に関する制約を必ず確認しましょう。
また、操作性と学習コストも重要です。
初心者であれば、直感的に操作できるツールがおすすめです。
一方で、より高度な機能や細かな設定を求める場合は、専門的な知識が必要なツールを選ぶと良いでしょう。
さらに、カスタマイズ性と機能、連携性と拡張性も考慮すべき要素です。
他のソフトウェアやプラットフォームと連携できるか、コミュニティなどによるサポートや拡張機能が充実しているかを確認することで、作業効率を高めることができます。
画像生成AIの世界は日々進化しています。
この機会に、自分に最適なツールを見つけ、新たなクリエイティブの世界を体験してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
山口 鳳汰(やまぐち ほうた)
AI・ノーコード専門の開発会社WalkersのCMO(最高マーケティング責任者)。AIメディア「AI Walker」やノーコード開発メディア「Walkersメディア」などの編集長を務め、受託開発や教育など多数の事業に参画している。
株式会社Walkers HP:https://walker-s.co.jp/
AIメディア:https://walker-s.co.jp/ai/
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