GDPRとは?日本企業のサイトに必須の対策とWixで実現する方法
- Miyuki Shimose

- 12月4日
- 読了時間: 9分

インターネットを通じて世界中とつながれる今、日本の小規模ビジネスや個人事業主であっても、海外の法律と無関係ではいられません。
特に、EU(欧州連合)の厳格なプライバシー法である「GDPR」は、日本国内で運営しているホームページにも適用される可能性があることをご存知でしょうか?
不安になる必要はありません。この記事では、情報セキュリティの専門的な視点から、GDPR の基本と、日本企業がとるべき対策をわかりやすく解説します。そして、ホームページ作成ツール Wix を活用して、専門知識なしでコンプライアンスに対応する方法をステップバイステップでご紹介します。
この記事の概要
この記事では、EU の一般データ保護規則(GDPR)が日本のビジネスに与える影響と、具体的な対応策を解説します。
GDPR は単なる海外の法律ではなく、日本から EU 圏内のユーザーにアクセスするサイトすべてに関係します。
違反時の巨額な制裁金リスクを回避し、ユーザーからの信頼を獲得するための実用的な知識と、Wix を使った解決方法もご覧ください。
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そもそもGDPRとは何か
GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)とは、EU 域内のすべての個人のプライバシー保護を強化・統合するために定められた法律です。
簡単に言うと、「個人のデータは個人のものであり、企業が勝手に使ってはならない」という考えに基づいたルールです。2018 年の施行以来、その影響力は年々増しており、アイルランドのデータ保護委員会(DPC)によると、2023 年の GDPR 違反による制裁金総額は過去最高の 17 億 8,000 万ユーロ(約 2,800 億円) に達しました(DLA Piper Report 2024)。これは対岸の火事ではありません。
GDPRで規制される3つのこと
GDPR は主に以下の 3 つの観点からデータを規制しています。
個人データの処理:データの収集、記録、保管、分析など、あらゆる取り扱いには法的な根拠(本人の同意など)が必要です。
個人データの移転:EU 域内(EEA)から域外(日本など)へデータを持ち出すことは原則禁止されており、適切な保護措置が必要です。
基本的人権の保護:ユーザーは自分のデータにアクセスしたり、削除(忘れられる権利)を要求したりする権利を持ちます。
GDPRで保護対象となる「個人データ」とは
「名前やメールアドレスを集めていなければ大丈夫」と思っていませんか?実は、GDPR における「個人データ」の定義は非常に広範囲です。
氏名、住所、電話番号はもちろんですが、以下のデジタルデータも個人データとして扱われます。
IP アドレス
Cookie(クッキー) ID
位置情報
端末識別子(広告 ID など)
つまり、お問い合わせフォームがない閲覧専用のサイトであっても、Google アナリティクスなどの解析ツールを使用していれば、Cookie や IP アドレスを通じて「個人データ」を処理しているとみなされるのです。
サードパーティ Cookie への規制と対応
Web 業界全体で、プライバシー保護の観点から Cookie の利用制限が進んでいます。
Apple|Safari:すでにサードパーティ Cookie を全面的にブロックしています。
Google|Chrome:2024年から段階的にサードパーティ Cookie の廃止を開始しています(Google The Keyword)。
こうした流れの中で、企業は Cookie に頼らないマーケティング手法への転換と、Cookie を使用する際の透明性確保(同意バナーの設置など)が急務となっています。
GDPRで規制される4つのケースと日本企業が対応すべきポイント
「日本にしか拠点がないから関係ない」という考えは危険です。GDPR は「域外適用」という規定を持っており、以下の 4 つのケースでは日本企業も規制対象となります。
EEA 域内 (EU) に子会社や支店がある場合
EEA 域内 (EU) のユーザーに対して商品やサービスを提供している場合(越境 EC や海外向け予約サイトなど)
EEA 域内 (EU) のユーザー行動を把握・分析する場合(アクセス解析や行動ターゲティング広告など)
EEA 域内 (EU) から個人データの処理について委託を受けている場合
日本企業が対応すべきポイント
日本企業にとって重要なのは、「日欧間の十分性認定」を正しく理解することです。欧州委員会は日本の個人情報保護法制を評価し、十分な保護水準にあると認めています。これにより、EU から日本へのデータ移転はスムーズに行えるようになりました(個人情報保護委員会)。
しかし、これは「データ移転」の手続きが簡略化されただけであり、「データの取り扱い(処理)」において GDPR の義務が免除されたわけではありません。EU ユーザーのデータを扱う以上、同意の取得や安全管理措置など、GDPR に準拠した対応が依然として必要です。
GDPRに違反した場合の罰則
GDPR の最大のリスクはその制裁金の高さです。
軽微な違反:全世界売上高の 2% または 1,000 万ユーロのいずれか高い方
重大な違反:全世界売上高の 4% または 2,000 万ユーロのいずれか高い方
中小企業であっても、違反が認定されれば経営を揺るがす深刻なダメージを受ける可能性があります。
Wix で GDPRに準拠した安全なサイトを作る
ここまで読んで「対応が大変そうだ」と感じた方もいるかもしれません。しかし、Wix を利用しているなら安心してください。Wix.com はデータ保護に 100% 取り組んでおり、GDPR を含む各国のプライバシー規制に対応しやすいプラットフォームを提供しています。
GDPR に基づくお客様の権利への対応
Wix では、サイト訪問者が持つ「自分のデータに対する権利」を行使するための機能を標準で備えています。
アクセスする権利
サイト運営者は、Wix のダッシュボードから、特定のユーザーに関するすべてのデータを抽出して提供できます。詳細はこちらをご覧ください
忘れられる権利
ユーザーからデータの削除を求められた場合、データベースから該当ユーザーの情報を完全に削除する機能があります。詳細はこちらをご覧ください
Cookie 同意管理の実装には CMP ツールが効果的
GDPR では、必須以外の Cookie(マーケティング用など)を使用する前に、ユーザーから明示的な同意を得る必要があります。Wix なら、「Cookie バナー」機能を追加するだけで、この要件を簡単に満たすことができます。また、より高度な管理が必要な場合は、Wix App Market から外部の CMP(同意管理プラットフォーム)ツールを連携させることも可能です。
GDPR に準拠する手順
では、実際に Wix でサイトを運営するあなたが踏むべきステップを具体的に見ていきましょう。専門的な知識がなくても、以下の手順に沿って進めれば対策の基礎は完了します。
ステップ 1:プライバシーポリシーを作成・更新する
まず、あなたのサイトが「どのようなデータを」「何の目的で」収集しているかを明文化します。Wix ならプロ品質のサイトを、もっと手軽にもっと低コストで実現できるだけでなく、プライバシーポリシーのページもテンプレートを活用して簡単に作成できます。GDPR では、専門用語を使わず、誰もが理解できる平易な言葉で説明することが求められています。
ステップ 2:Cookie バナーを設置する
サイト訪問時に「Cookie の使用に同意しますか?」と尋ねるポップアップを表示させます。Wix の「プライバシー& Cookie」設定から、チェックボックスを入れるだけでバナーを有効化できます。Wix なら数時間後にはサイト公開できるスピード感と同様に、コンプライアンス対応も数クリックで完了します。
ステップ 3:データ処理の透明性を確保する
メルマガ登録フォームやお問い合わせフォームには、必ずチェックボックスを設置し、「プライバシーポリシーに同意する」という意思表示をユーザーから得られるようにします。Wix の AI サイトビルダーを使えば、こうしたフォームも自動的に最適化されたデザインで生成されます。
GDPR に関するよくある質問
小規模な個人ブログでも GDPR の対象になりますか?
はい、対象になる可能性があります。収益化していない個人の趣味ブログであれば対象外となるケースが多いですが、アフィリエイト広告や Google アナリティクスを使用している場合、「経済活動」とみなされ、EU からのアクセスがあれば対象となるリスクがあります。
日本の個人情報保護法を守っていれば大丈夫ですか?
いいえ、十分ではありません。日本の法律と GDPR は共通する箇所もありますが、GDPR の方がより厳格なルール(例えば、Cookie 同意の取得義務やデータ侵害時の72時間以内の報告義務など)が存在します。
英語サイトを作らなければ関係ないですか?
日本語のみのサイトであっても、EU 在住の邦人がアクセスして商品を購入したりする場合、対象となる可能性があります。ただし、明らかに「日本国内向け」に限定している(海外発送なし、など)場合はリスクが低くなります。
Wix を使っていれば自動的に GDPR 準拠になりますか?
Wix は GDPR に準拠するのための「ツール」を提供しますが、それをどう使うかはあなた次第です。例えば、Cookie バナーを「オフ」にしていたり、プライバシーポリシーを掲載していなければ、準拠しているとは言えません。
違反したらすぐに罰金が科されますか?
通常は、まず是正勧告や警告が行われます。しかし、悪質な場合や警告を無視した場合は、高額な制裁金が科される可能性があります。
まとめ
GDPR は一見複雑で怖いものに見えるかもしれませんが、本質は「お客様のデータを大切に扱う」という、ビジネスの信頼における基本中の基本です。適切な対策を行うことは、リスク回避だけでなく、ユーザーからの信頼獲得という大きなメリットにつながります。
Wix ならドメインの取得から接続までまるごとサポートし、セキュリティ対策や GDPR 対応に必要な機能もオールインワンで備えています。技術的な心配事を Wix に任せることで、あなたはビジネスの本質であるサービスの向上や顧客とのコミュニケーションに集中できるはずです。
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この記事を書いた人

下瀬 美幸(Miyuki Shimose)
Wix 公式ブログ編集者/SEO エキスパート



