EPK(エレクトロニック・プレスキット)の作り方【ミュージシャン必見】
- 4月30日
- 読了時間: 11分

「新曲をリリースしたのに、プロモーターやレーベルからなかなか返事が来ない...」 その原因の一つは、EPK がないからかもしれません。EPK(エレクトロニック プレスキット)とは、音楽家がプロとして活動するために欠かせないデジタル資料です。Wix を使えば、専門的な知識がなくても無料で EPK を作成できます。
この記事では、EPKの基礎知識から必須コンテンツ7つ、Wix でアーティストホームページを作成し EPK として活用する具体的な手順、そして業界関係者への効果的な共有方法まで、ステップごとにわかりやすく解説します。
目次
EPK(エレクトロニック プレスキット)とは何か?
EPK とは Electronic Press Kit の略称で、音楽家のデジタル版プレスキット(宣材)のことです。エージェント、レコードレーベル、音楽メディア、プロモーター、会場担当者など、業界の関係者がアーティストの情報を確認するために使います。いわば、音楽業界における「デジタル履歴書」です。
EPK には楽曲サンプル、バイオグラフィー、プレス用写真、メディア掲載実績、連絡先などをまとめます。必要な情報をひとつの場所に集約することで、関係者がアーティストのことを素早く深く理解できるようにします。
EPK とオフィシャルサイトの違いは?
オフィシャルサイトはファン向けに作られるものですが、EPK は業界関係者向けの資料です。目的が異なるため、コンテンツも変わります。オフィシャルサイトにはツアー情報やグッズ販売ページを含めることが多い一方、EPK にはプレス掲載用の高解像度写真、メディア掲載実績、業務用の連絡先など、プロの目線で必要な情報が優先されます。
実際には、オフィシャルサイトの中に「プレス」タブを設けて EPK を内包するスタイルが、最もプロフェッショナルな形式として広く使われています。
ミュージシャンが EPK を持つべき理由
EPK がない状態でプロモーターやレーベルにアプローチすると、すぐに情報を確認できないため、返答を後回しにされるリスクがあります。業界の担当者は毎日多くのアーティストからコンタクトを受けています。
そのなかで「EPKをご覧ください」と URL ひとつで必要情報をすべて伝えられるアーティストは、一歩リードできます。
EPK があることで期待できるメリットは多岐にわたります。ライブ会場やフェスティバルへのブッキング依頼がスムーズになり、音楽メディアへの掲載交渉も進めやすくなります。さらに、レーベルや配信業者へのピッチ時にも、資料として提出できる完成度の高い書類として機能します。
「音楽でビジネスをするということは、常に最前線にいること、そして独自性を保ち続けることを意味します。Wix があるからこそ、ビジネスのリズムを絶やすことなく続けられています。」 ー Victor Young(Wix ユーザー、デジタル音楽プロデューサー兼コンテンツクリエーター)
EPK はアーティストとしての信頼性を高める有力なツールです。プロフェッショナルな EPK は、あなたが音楽活動を真剣に取り組んでいることを業界関係者に伝える最初のメッセージとなります。
優れたEPKに必ず含めるべき7つの要素
EPKに何を載せるべきか迷ったときは、業界関係者が「このアーティストを起用するかどうか」を判断するために必要な情報を基準にしてください。以下の7つを網羅することで、受け取った側が迷わず判断できるEPKになります。

1. アーティスト略歴
アーティスト略歴は EPK の核となるテキストです。バンドやアーティストの背景、音楽スタイル、キャリアのハイライト、これまでの主な実績を盛り込みましょう。長文版( 300〜500 字程度)と短文版( 100 字以内)の 2 種類を用意しておくと、メディアがそのままコピーして使えるため喜ばれます。
書き出しには最近のプレスレビューの引用を置くと、第三者からの評価として効果的です。誤字脱字は信頼性を損なうため、必ず誰かに校正をお願いしてください。
2. 音楽サンプル(ストリーミングリンク)
EPK を受け取った関係者がまず確認するのは楽曲です。Spotify のプレイリストや YouTube の動画を直接ページに埋め込み、ページを離れることなく再生できるようにしましょう。代表曲は 3〜5 曲に絞り、最新シングルや人気曲を優先して表示します。
リンクが正常に機能するかどうかを定期的に確認し、常に最新の楽曲が再生できる状態を維持してください。
3. プロフェッショナルな写真
高解像度のプレスフォトは EPK において欠かせません。プロモーターはライブのポスターや告知画像に使用するため、最低でも 1 枚は高品質な写真を用意することを強くおすすめします。写真のコンセプトはアーティストの音楽性やブランドイメージと一致していることが理想です。
縦横比の異なる複数のバリエーションを用意しておくと、さまざまな媒体での利用に対応できます。アルバムアートワークも合わせて掲載するとよいでしょう。
4. ミュージックビデオ
映像コンテンツは、文字や写真だけでは伝わりにくいアーティストの世界観を補完します。ページに直接埋め込む動画は 1〜2 本に絞り、最新シングルのオフィシャルビデオかライブ映像を選ぶとよいでしょう。動画が多すぎるとページが重くなり、閲覧者の離脱につながります。
5. プレスレビュー・メディア掲載実績
メディアや音楽ブログに掲載された実績は、第三者によるお墨付きとして強い説得力を持ちます。レビューの一部を引用し、元記事へのリンクを添えて掲載しましょう。実績が少ない段階でも、小規模なブログやローカルメディアへの掲載から積み上げていくことが大切です。
6. ライブスケジュール・公演実績
ブッカーが特に確認するのが、今後のライブ予定と過去の公演実績です。注目度の高い会場やフェスティバルへの出演歴があれば積極的に記載してください。チケット購入ページへのリンクも設置すると、ファンの利便性も高まります。
7. 連絡先情報・SNSリンク
EPK を受け取った関係者がすぐに連絡できるよう、マネージャーまたはアーティスト本人の連絡先を明記してください。Instagram、X(旧 Twitter)、TikTok、YouTube などの SNS リンクも掲載します。定期的に更新されているアカウントのみ掲載し、活動実績を正確に示すようにしましょう。
Wixで EPK を作る方法
EPK を Web サイトとして公開することが、現在もっともプロフェッショナルな形式です。PDF とは異なり、内容をいつでも更新でき、モバイル端末でも快適に閲覧できます。Wix なら、音楽家向けに設計されたテンプレートを活用して、コードの知識がなくてもクオリティの高い EPK を作成できます。

ステップ1 テンプレートを選ぶ
Wix のテンプレートギャラリーでは、バンドや音楽アーティスト向けに設計されたテンプレートを多数用意しています。音楽ジャンルや活動スタイルに合ったデザインを選ぶことで、ブランドイメージと一致した EPK の土台ができます。テンプレートの選び方や参考になる事例については、こちらの事例集も参考になります。
ステップ2 プレスページを追加する
テンプレートを選んだら、サイトのナビゲーションに「プレス」または「EPK」という専用ページを追加します。このページに EPK の情報をまとめることで、業界関係者に向けた窓口が完成します。内容を一般公開したくない場合は、Wix のパスワード保護機能を使って特定の相手だけが閲覧できる設定にすることも可能です。
ステップ3 必須コンテンツを入力する
前述した7つの要素(バイオグラフィー、音楽サンプル、写真、動画、プレス実績、ライブ情報、連絡先)を各セクションに配置していきます。Wix のドラッグ&ドロップ方式のエディタを使えば、テキストや画像、動画の埋め込みを直感的に操作できます。
サイト全体の目的と構成を明確にしながら作業を進めると、一貫したブランドイメージを保てます。ホームページの目的と役割の整理についても確認しておくとよいでしょう。
ステップ4 SEO とモバイル表示を最適化する
EPK が検索エンジンで見つけてもらえるよう、Wix に搭載された SEO ツールを活用してください。ページタイトルやメタディスクリプションに「(アーティスト名)EPK」などのキーワードを設定しておくと、関係者がオンラインで検索した際に発見されやすくなります。
また、業界関係者の多くはスマートフォンから EPK を確認します。Wix のモバイルエディタでレイアウトを確認し、すべてのコンテンツがスマートフォン画面でも正しく表示されるかチェックしてください。
完成した EPK を効果的に活用する方法
EPK が完成したら、次はそれを適切なタイミングで届ける方法を考えましょう。PDF ファイルをメールに添付して送る方法もありますが、Web ページの URL を共有する方がはるかに効果的です。URL なら受け取った側がどのデバイスからでもすぐに開け、内容を更新するたびに最新情報が自動的に反映されます。
まずは以下の活用方法を試してみましょう。
メールでのアプローチ プロモーターや会場担当者にコンタクトを取る際は、本文に EPK の URL を記載します。相手が必要な情報をすべてその URL から確認できるため、返信率が向上します。
名刺やプロフィールへの記載 名刺やライブ後に配布する資料に EPK の URL を記載しておくと、その場で会話が終わったあとも関係者が情報を確認できます。
SNS プロフィールへのリンク設置
Instagram や X(旧 Twitter)などのプロフィール欄に EPK の URL を載せることで、オンラインでアーティストを発見した関係者が直接確認できる動線を作れます。
EPK 作成でよくある失敗と注意点
EPK の内容が古くなっていることは、最もよくある失敗のひとつです。新しいリリースや公演実績が増えたら、EPK も必ず更新してください。古い情報が残ったままだと、関係者に「活動が止まっているのでは」という印象を与えかねません。
以下は特に注意すべき点です。
PDFを主な共有手段にしない
PDF はモバイル端末での閲覧に適さず、内容の更新も手間がかかります。URLで共有できる Web ページ形式が推奨されます。
バイオグラフィーが長すぎる
業界の担当者は多忙です。まず短文版を読んで興味を持ってもらい、必要に応じて長文版に目を通してもらう構成を意識しましょう。
音楽リンクが機能していない
Spotify や YouTube のリンクや埋め込みが正常に再生できるか、定期的に確認してください。関係者が楽曲を聴けない状態はもっとも致命的な失敗です。
画像やデザインの質が低い
写真が粗かったり、テンプレートそのままのデザインで個性がなかったりすると、第一印象が損なわれます。プロのカメラマンに依頼した写真と、ブランドに合ったデザインを用意することに投資する価値があります。
よくある質問
EPK は無料で作れますか?
Wixの無料プランを使えば、EPKページを含むウェブサイトを費用をかけずに作成できます。独自ドメインの取得やパスワード保護などの機能は有料プランで利用できますが、まずは無料で始めて必要に応じてアップグレードするという進め方が可能です。
EPK とホームページはどう違いますか?
ホームページはファンや一般のリスナーに向けた情報発信の場である一方、EPKは業界関係者向けの資料です。読み手も目的もコンテンツも異なります。さまざまなサイトの種類と用途の違いを参考にしながら、ホームページの中にEPKページを設けるスタイルがもっともプロフェッショナルな構成です。
EPK はどこに掲載すればよいですか?
自分のウェブサイト内に「プレス」ページを設けるのが最善です。Wixのパスワード保護機能を使えば、URLを知っている関係者だけが閲覧できる設定にできます。新しいリリースのタイミングや、会場・メディアへアプローチする前に最新の状態に更新しておくとよいでしょう。
EPK に写真は必須ですか?
プロフェッショナルな写真は EPK に欠かせません。プロモーターはライブポスターや告知物にアーティストの写真を使用します。スマートフォンで撮影した写真では印刷に耐えられるだけの解像度が不足することが多いため、プロのカメラマンによる撮影を検討されることをおすすめします。
Wixで EPK を作るのは難しいですか?
難しくありません。Wixのドラッグ&ドロップ方式のエディタを使えば、コードの知識がなくてもテキスト、画像、動画を自由に配置できます。音楽家向けのテンプレートを出発点として使えば、構成に迷うことなく作業をはじめられます。ウェブサイト制作の流れについての記事も、全体の作業イメージをつかむのに役立ちます。
まとめ
EPK は、音楽家がプロとして業界に認知されるために欠かせないデジタル資料です。バイオグラフィー、楽曲サンプル、プレス用写真など7つの必須要素をしっかりと揃え、Wix のテンプレートを活用すれば、専門的な技術がなくても短時間で完成度の高い EPK を作成できます。完成した EPK は Web ページの URL として共有し、常に最新の状態に保つことが大切です。
まずは小さな一歩から始めましょう。テンプレートを選んでプレスページを立ち上げるだけで、業界関係者へのアプローチが格段にスムーズになります。
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この記事を書いた人

下瀬 美幸(Miyuki Shimose)
Wix 公式ブログ編集者/SEO エキスパート




