2017年5月26日6 分
最終更新: 8月26日
世界は色で溢れています。
私たちは常に色に触れ、個人的または文化的な背景をもとに、色と感情を結び付けています。たとえば、ある物を人に説明するとき、最初に色を伝える人も多いのではないでしょうか?これは私たちにとって色がどんなに大事かを表しています。
Webデザインにおいても、色はサイトの構成やナビゲーションと同じくらい重要です。色を使って、サイト訪問者の注意を引いたり、ブランドの雰囲気を表現したり、あなたが訪問者に期待する行動(商品の購入、申し込み、問合せなど)を効果的に促したり...
ロゴや背景、ボタンなどの色全てがホームページのユーザーエクスペリエンスを向上させ、ブランドイメージをアップさせる要因の一つになります。
ホームページで伝えたいメッセージをきちんと伝えるために、色彩心理学の基礎を理解し、ホームページや会社のブランディングに利用しましょう!
色彩心理学は、色が人間の心理や行動にどのように影響を与えるかを研究する学問です。
色彩は視覚を通じて脳に刺激を与え、感情、記憶、行動に深い影響を及ぼすことがあります。たとえば、赤色は情熱やエネルギーを象徴し、青色は冷静さや信頼を表します。これらの色の特性を理解することで、私たちの生活だけでなく、Webデザインやマーケティングにおいても効果的に活用することが可能です。
まずは、代表的な色とそれぞれの色が与える印象をみていきましょう。
青色は信頼と冷静を象徴し、ビジネス関連や金融機関のWebデザインに頻繁に使用されます。清潔感とプロフェッショナリズムを伝えるため、製薬会社やIT企業などでも好んで使われます。ブルーは万能であり、多くのターゲット層に好まれる色です。
赤色は強い情熱とエネルギーを象徴し、注目を集める色です。セールや特別なプロモーションの場合、レッドを使うことで顧客の関心を引きやすくなります。一方、過度に使用すると警戒心を煽ることもあるため、バランスが重要です。
紫色は高貴さや神秘性を象徴し、創造性を刺激する色です。高級ブランドやアーティスティックなサイトに適しており、高いクラフトマンシップや独自性を伝えるために利用されます。濃淡により異なるメッセージを伝えることができます。
オレンジ色は元気さや快楽、クリエイティビティを象徴します。親しみやすく、活力を感じさせる色で、子供向けのサイトやクリエイティブな企業のWebデザインに適しています。しかし、使いすぎると軽薄な印象を与えることもあるため、クリエイティブなだけでなく、範囲を限定して使用することが推奨されます。
黄色は喜びと知性を象徴する色です。注意を引く力が強く、明るくエネルギッシュな印象を与えます。教育関連のサイトやポジティブなメッセージを強調したい場面で効果的です。しかし、黄色を多用しすぎると目に刺激を与えすぎることがあるため、使用範囲には注意が必要です。
緑はバランスと安らぎを象徴し、自然や健康をイメージさせる色です。病院やウェルネス関連のサイトでよく使用され、落ち着きと信頼を提供します。また、アースカラーであるため、環境や持続可能性を強調したい場合にも適しています。
白は純粋さ、簡潔さ、明快さを象徴し、医療やテクノロジー関連のサイトでよく使用され、公正さや透明性を伝えます。
黒色は高級感、エレガンス、ミステリーを象徴します。ファッションブランドや高級車のサイトによく使用され、そのスタイリッシュさと力強さを伝えます。白色とは対極にありながらも、洗練されたデザインを生み出すためにはどちらも欠かせない要素です。
面白いことに、色の呼び方によっても人は商品の見方を変える事があります。
例として、サムソンのスマートフォン「Galaxy S7 」をみてみましょう。スマートフォンの色をブラックやホワイトと呼ぶ代わりに、サムソンは「ブラックオニキス」「ホワイトパール」というような名称をつけています。
また、多くの色が入った高級色鉛筆についても同様です。「台風一過の夕焼け空」であったり、「甲子園の砂」であったり、個性的な色鉛筆の名前は忘れられないですよね。
単純に色を表すだけでなく、人のイメージを掻き立てるような表現をすることで、より商品を魅力的に、高級感にみせることができます。商品のカラーオプションが豊富にある場合、これはとても効果的な戦略です。購入の最後の決め手になるかもしれませんので、是非活用してください。
ブランドイメージを確立するためには、色彩選びが鍵となります。例えば、テクノロジー関連の企業は青や白を使用することが多く、信頼性と先進性を表現します。一方、食品関連のブランドは赤や黄色を使い、食欲を刺激し、楽しさを強調します。
以下で紹介する企業は、色彩を巧みに使い分けることでブランドの個性を際立たせ、消費者に強い印象を残しています。
Coca-Colaは赤を基調とし、エネルギーと楽しさを象徴しています。このロゴは世界中のほとんどの人が知っているはずです。赤い背景と筆記体で作られたこのロゴは、設立当初からほぼ変わっていません。赤は心拍数を上げる色ともいわれ、興奮やエネルギーを表す、活発なイメージの色です。また緊急性を表したり、すぐに目につくことから、赤はセールの告知などにもよく使われます。
青は信頼や誠実といったイメージがあるので、個人情報を取り扱う企業のロゴやホームページにぴったりな色です。実際、青はコーポレートカラーとして多くの企業に使われており、多くの人に好まれる無難な色といえます。
デザインにこだわりがあるアップル。Appleはシンプルでモダンな白と黒の背景を使い、洗練されたデザインと高級感を表現しています。アップルのロゴは「無機質なコンピューターを親しみやすいものにしたい」との理由で昔はカラフルなものでしたが、90年代後半に、今のロゴに近い、シンプルなロゴに変更されました。白一色のロゴは、シンプルさや純潔を表します。
最後に、色を基準にホームページテンプレートを決定する方法をみていきましょう。
テンプレートはコンテンツを元に決定するのが基本ですが、色についても考えることで、テンプレートの選択を絞りこむことができます。(お気に入りのテンプレートが既にあり、色を変えたい場合にもWixであれば簡単に変更可能なので、ご心配なく!)
あなたのホームページデザインの参考になれば幸いです。
色彩心理学は全てにおいて正しいわけではありません。年齢や性別、文化によっても、色の印象は異なってくるからです。ターゲット市場を良く理解することが大切です。
例えば、このオーダーメイドスーツのテンプレートを見てみましょう。シンプルで分かりやすいこのテンプレートは、優雅さやクラッシックな雰囲気もあるので、年配の方があなたのターゲット顧客であれば良いですが、子供がターゲットの場合、おすすめできないデザインです。
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ライター: Wix Team