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飲食業界のホームページ作成事例:Wix で制作した、タクシーが料理を運ぶデリバリーポータルサイト


フードデリバリーポータルサイト「Something to eat」


新型コロナウイルスの感染拡大により、様々な業界が影響を受けました。特に飲食店は現在も深刻な状況が続いています。そうしたなかで、地元である青森県の飲食店を支援するために立ち上がったのがクロックアップ社。同社は県内で様々な事業を展開する地域密着型のプロデュース&ブランディングカンパニーです。


コロナ禍を受けて、クロックアップ社はフードデリバリーポータルサイト「Something to eat」を Wix で制作。自社で運営する飲食店だけでなく、青森市の様々な店舗のデリバリーをサポートしています。さらに、地元のタクシー会社と連携。デリバリーの料理をタクシーが運ぶというユニークな連携も注目を集めています。


今回、クロックアップ社の代表を務める中村公一さんに「Something to eat」の制作や運用の方法、さらにタクシー会社との取り組み等についてお話を伺いました。



■コロナ禍で大打撃を受けた飲食店を支えるために「Something to eat」を制作


――クロックアップ社では 2020 年 4 月中旬にフードデリバリーポータルサイト「Something to eat」を Wix で制作、公開されました。まずは「Something to eat」がどんなサイトなのか教えてください。


中村:「Something to eat」は新型コロナウイルス感染拡大で思うように外食できないお客さまと、売上が大きく減少してしまったお店をデリバリーでつなぐポータルサイトです。青森市のお店が出しているデリバリーメニューをサイト内で注文できます。複数の店舗のメニューをまとめて決済できるのが特徴です。また、お気に入りのお店を応援する「AOMORI 未来チケット」の販売もおこなっています。


――「Something to eat」の制作に至った流れを教えてください。


中村:弊社は事業の一つとして飲食店の経営をおこなっていますが、コロナ禍で売上は激減してしまいました。3 月は本来なら繁忙期ですが、なかなか予約が入らない状況が続きました。これは他の飲食店でも同じです。そうした状況下で飲食店が必死の思いで始めたのがテイクアウトやデリバリーです。ただ、テイクアウトのノウハウを持っていなかったため、もともとテイクアウト型で展開しているお店のようにはいきません。そこでデリバリーに力を入れることにしました。


有名なデリバリーサービスとしては、Uber Eats や出前館などがあります。ところが、青森にはどちらも進出していなかったのです。他の飲食店からも「デリバリーのポータルサイトがあればいいのに」という声をもらっていたこともあり、それなら自分たちでやろうと思ったのです。


――「Something to eat」を制作するのに Wix を選んだ理由は何だったのでしょう。


中村:もともと事業の中で他の EC プラットフォームを使っていたので、最初は「Something to eat」もそうしたサービスを使って制作しようと考えていました。しかし、EC サイトの機能ではデリバリーというスタイルにマッチしなかったのです。


そんな折、「Wix レストラン」にデリバリーシステムの機能があることを知りました。使い勝手も良さそうでしたし、デザインの自由度が高いことが気に入り、Wix での制作を決めました。



■Web 制作の経験なしでも 2 日間でサイトが完成


Wixで作られたデリバリーポータルサイトの注文画面

――制作期間はどれくらいかかりましたか。


中村:社内のディレクターが制作を担当しました。私もディレクターも Web 制作の経験はないのですが、丸 2 日で完成しました。たしかに Wix なら簡単にクオリティの高いサイトを制作できそうだと思っていましたが、それでも 1 週間くらいはかかると思っていたので嬉しい驚きでした。


――サイトの運営はどなたが担当されているのでしょうか。


中村:当初はサイトを制作したディレクターが担当していましたが、現在は新人のオペレーターが 1 人で対応しています。新しく入った人でもすぐに対応できるくらい、Wix の操作は簡単ですね。


――登録店舗はどのように増やしていったのでしょうか。


中村:最初の 1 週間は運営体制を確立する必要があったので、自社の店舗のみでスタートしました。1 週間、運用してみて特に問題は発生しなかったので、他店にもお声がけして追加していきました。


――他店の反響はいかがでしたか。


中村:デリバリーに慣れていないお店が多いので、戸惑われることもありました。きちんと丁寧に説明すると「それならぜひ」と良い返事がいただけました。デリバリーも簡単ではないんです。飲食店は基本的に出来たてを提供していますが、デリバリーではそうはいきません。デリバリーを始めるためには「出来たてでなくてもおいしいメニュー」を開発する必要があるのです。弊社ではそういったメニュー開発のサポートもおこないました。


――サイト自体の告知はどのように行ったのでしょうか。


中村:SNS とチラシのポスティングですね。ポスティングは新規デリバリー店舗の追加や値段の変更があったときなど、今でも定期的に行っています。Wix では割引クーポンの発行ができるのでその番号をチラシに記載したこともありましたが、なかなか評判は良かったですね。


――その他に Wix で気に入っている機能はありますか。


中村:そうですね。顧客情報の管理ができる「連絡先リスト」は便利で活用しています。問い合わせのあったお客様のお名前や住所などが自動登録されますし、どのお客様が何回注文したかというのも一目でわかるのが良いですね。頻繁にご注文のあるお客様には特別なクーポンを発行するといった使い方もしています。



■地元のタクシー会社と提携、タクシーが料理を届ける仕組みを構築


Wixで作られたデリバリーポータルサイトのメニュー一覧

――デリバリーの場合、お客さまのところまで料理を運ぶ必要があります。Uber Eats や出前館では専門のスタッフを抱えていますが、「Something to eat」ではどのように対応されているのでしょうか。


中村:最初は Uber Eats のようにデリバリーしてくれるアルバイトを募集しようと思っていました。しかし、青森の場合、冬になると自転車やバイクのような二輪車で走るのは難しくなってしまいます。そこで「Something to eat」では地元のタクシー会社と提携して、タクシーの運転手さんに運んでいただいています。


――とてもユニークな取り組みですね!どのようにして実現したのでしょう。


中村:4 月頭から知り合いをたどって、提携が可能なタクシー会社を探していた中で、「成長タクシー」さんにご協力いただけることになりました。


とはいえ、いきなり始められたわけではありません。タクシーは「貨客同乗」といってお客さんを乗せないといけないという法律があり、貨物運送は認められていませんでした。そこで国交省に特例申請を出したのですが、ちょうどその時期にコロナ禍における特例措置としてタクシーの貨物運送が認められたのです。また、貨物運送の料金も自社で決めて構わないことになりました。そういった流れが後押しとなって、5 月 1 日からタクシー会社との連携をスタートできたのです。


――ただ、タクシー会社としても初の試みですよね。課題は出ませんでしたか。


中村:最初はやはり課題もありました。ドライバーの方からは「人を乗せるよりも料金が安い」「こぼさないように運ぶのが大変」といった不安の声が挙がりました。これらの課題に一つひとつ向き合い、PDCA をまわして改善していきました。


9 月頃からはタクシーにもお客さんが戻り始め、通常営業が再開されました。人を乗せる方がデリバリーよりも利益になるので、それまでの金額では厳しくなり、11 月から配送料を値上げすることを決めました。配送料は手数料として、店舗とお客さまに負担いただいています。値上げしても Uber Eats や出前館より手数料は安いんです。


――今後さらに登録店舗を増やしていく予定はありますか。


中村:はい。ただ、タクシー会社にデリバリーをお願いしているので、あまり遠方だと買い回りが大変になってしまいます。そこは考慮しながら増やしていきたいです。Wix レストランだと配達エリアの設定が細かくできるので助かっています。



■「AOMORI 未来チケット」で飲食店を支援


Wixで作られたネットショップ

――「Something to eat」ではネットショップ機能「Wix ストア」もお使いいただいています。特に「AOMORI 未来チケット」はユニークな取り組みですね。


中村:「AOMORI 未来チケット」は先払いで購入しておき、コロナが落ち着いて食べに行けるようになったらお食事券として使えるお得なチケットです。秋田の仲間の発案で一緒にデザインを考えた取り組みで、秋田や郡山でも同様の取り組みをおこなっています。


魅力的な商品があるのに売り方がわからないというお店はたくさんあります。オンラインショップではそういったお店の商品を販売して、少しでも貢献できればと思っています。


――これから Wix を活用してデリバリーを始めたいという飲食店の方にメッセージをお願いします。


中村:Wix でのサイト構築は本当に簡単です。むしろ、考えないといけないのは関係者全員が Win-Win になれる仕組みづくりです。大変ですが、やりがいのある取り組みです。一緒にがんばりましょう!


――ありがとうございました。




間島ゆかり コミュニケーションズマネージャー


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