心理学マーケティング：数字が持つメッセージとは？
より良いコミュニケーションをとるために、数字を活かすことは大切です。数字は、私たちの日常にある身近な存在。それだけに馴染みやすく、頭にすぐに入ってきます。また文章に数字を使うと、それだけで具体性と客観性がぐっとアップします。
例えば、経営者の言葉をみてみましょう。「iPhone には画期的なポイントが３つある」（スティーブ・ジョブス）や、「10 秒考えてわからないものは、それ以上考えても無駄だ。」（孫正義）など、数字を含んだ言葉は、その力で曖昧さを排除します。
また流行りを強調したい場合、キャッチコピーにおいても「お客様満足度 98.9 %」や「発売１ヶ月で 100 万台突破」など、数字を使って明確に表現します。数字がない場合の「多くの方にご満足頂いています」より、数字を含んだキャッチコピーの方が圧倒的にメッセージ性が強くなるためです。
そして、この技法はホームページのコンテンツ作りにも、もちろん役立ちます。今回は代表的な数字を取り上げ、その数字が持つメッセージ性を解説します。
心理的マーケティングに使える数字の持つ効果
1：始まりを意味する数字
１という数字は、「始まり」を意味します。例えば、「スタート」、「前進」、「決断」などです。
また、キリスト教文化圏では「神聖」を表します。また、一番ということで「勝利」という意味も含まれます。さらに「力」や「独立」、そこから関連して 「孤独」という意味もあります。
「サッポロ一番」というインスタントラーメンがありますが、その由来は「札幌ラーメンからヒントを得て一番初めに開発したもの、そして味も一番良いから、『サッポロ一番』にしよう」と決められました。
また、アメリカにはワンメディカルという医療機関がありますが、その社名は一番優れている機関というだけでなく、患者の事を一番に考えるという意味も暗示しています。
例：サッポロ一番、アタックNo.１、ワンメディカル
5や8：「男性的・女性的」な奇数と偶数
５と８は、「奇数と偶数」、「端／縁と曲線」、「男性的と女性的」を表しています。数字に男女を持ち出すなんて馬鹿げているように聞こえるかもしれません。
しかし、「三平方の定理」を編み出した古代ギリシア哲学者のピタゴラスが「奇数は男性的で偶数は女性的だ」と唱えていたそうです。数に性別があると考えは西洋文化の底流にあり、現在でもその影響は続いています。
一方日本での５の意味は、学校の成績を５段階評価したり、中国の五行思想（万物を５種類の元素で構成されていると考える自然思想）に関連したりすることが多いです。８の意味は「末広がり」で、幸運とされています。また「八百万」（やおろず）のように漫然と「数が大きい」ことを表現します。
例：ジャクソン５、ファイブガイズ（バーガーチェーン店）、Elle 18（化粧品メーカー）、南総里見八犬伝
7：幸運な数字
７が幸運の数字であることは、今では世界中に広まっていますが、もともとは西洋文化が発祥です。例えば「ラッキーセブン」は、アメリカの野球の試合に置いて、７回目の攻撃で打った球が強風でホームランになったことから生まれました。
また、虹が７色であることや、「７大陸」、「世界の７不思議」など、自然や世界と関連がある数字です。
日本では「七転び八起き」のように、「全部まであと１個」、「何か１つ足りない」の意味もあります。マーケティング的な観点からは、多くの人に愛されている数字なので、その力を借りない手はありません！
例：セブンアップ、００７、七人の侍
10：実用的な数字
１０はとても実用的な数字です。多くの文化圏において、人間が指折り数える習慣に由来し十進法が採用されています。そのため最後の数として、「旅の終わり」を意味し、何かを完結させる力を表します。例えば、国際連合では、１０年単位で世界の様々な問題に取り組んでいます。
また「十徳ナイフ」や「一を聞いて十を知る」の慣用的表現のように、「多く」や「全部」の比喩としても利用されています。
例：トップテン、真田十勇士
11：完璧を超える
１０が「最後の数」であるならば、１１はそこから１つ外れた存在です。つまり「ほぼ完璧」となります。もしくはもっとポジティブに、「完璧を超える」と表現することもできます。何れにせよ、慣習にとらわれず普通ではないブランドにフィットするような数字です。
例：ケンタッキーの11ハーブ＆スパイス、セブン-イレブン
13：不吉な数字（西洋）
西洋文化では１３は、不吉な数字。（ただしイタリアではラッキーナンバー）日本などの漢字文化圏では、「死」と同音であるため、４がそれにあたります。西洋では１３階が飛ばされたり、日本ではマンションやアパートなど、一の位が４となる部屋（１０４、２０４、３０４号室など）を設置しない場合があります。
例：13日の金曜日、ゴルゴ13
まとめ
数字は、それを入れることでで説得力が増しますし、聴き手の注意を喚起する上で効果的なコミュニケーション技法です。
ただし、色彩心理学と同様に数字も、国や文化、宗教によって、その意味が変わります。ターゲットとする市場での数字の意味をあらかじめ確認した上で使用しましょう。
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ライター： Wix Team
