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心理学で読み解く、人がソーシャルメディアにハマる理由


ソーシャルメディア, 心理学

ソーシャルメディア上で「可愛い動物の動画」を見ると、人はついシェアをしたくなるものです。あるいは、面白い記事のタイトルというだけで、内容を読まずに「いいね!」ボタンを押した経験はありませんか?Facebookを見ていて、あっという間に1時間が経ってしまったことは?


ソーシャルメディアにハマる理由はFOMO (fear of missing out:見失う恐怖)、FOBO (fear of being offline:オフラインへの恐怖)、NoMo (no mobile:モバイル端末がない)といった単語で良く表されますが、それ以外にも理由はありそうです。


私たちがソーシャルメディアに夢中になる理由を心理学によって、紐解いていきましょう!



娯楽や刺激、お役立ち情報の共有


この人は自己PRしたいが為にソーシャルメディアに投稿しているのではないかと感じる事がしばしばあるかもしれません。でも実際は、必ずしもそうとは言えません。


仕事仲間にお役立ち情報を共有したい、友達と交流したいと思いからFacebookやTwitterで動画や写真を共有する人の方が多いです。もっと詳しく見てみましょう。


2013年に発表されたUCLA (カリフォルニア大学ロサンゼルス校) の心理学調査では、私たちが新しい情報を発見した際、無意識に「他の人もこの情報に興味があるか確認する行動」をとることが分かりました。心理学と動物行動科学の教授であるMatthew Lieberman (マシュー・リーバーマン) は次のように述べています。


“調査では、人間の脳の動きを観察することで、「人間が自分が面白いと思ったものが、他の人にとっても役立ち、興味深いものなのか確認すること」が分かりました。私たちはいつも他の人にとって役立つ情報を見極め、その情報を他人と共有したいと考えているのです。この結果は、人間が社会的動物であることを良く示しています。”


ソーシャルメディアに掲載されたドレスの色が「青と黒」に見えるのか、「白と金」に見えるのかで、写真が多くシェアされた事がありましたが、これも友達と意見を交換し合いたかったから起きた現象ですね。



ソーシャルメディア, 写真撮影


自分が何者かを表現するための共有


人間は、SNS上のコンテンツに対していいね!や共有をするとき、その行為をつうじて自分自身を定義する行動をとっています。学術的には1986年に、心理学者Hazel Markus (ヘーゼル・マーカス) とPaula Nurius (ポーラ・ヌリウス) が「理想自己」と定義しました。


インスタグラムで、無糖やグルテンフリーの料理写真を投稿するのは理由があります。ダイエット中なのかもしれませんし、もしくは、健康的な食習慣を送っている事を示すために、写真を投稿しているのかもしれません。ソーシャルネットワークは、自分の理想を明確に示す場ともなっているのです。


ただし個々の投稿では理想を示せたとしても、データとして集められた場合、SNSに集積された結果はむき出しの現実を示します。最近の調査によるとFacebookのいいね!ボタンの履歴により、人種 (95%の確率で的中)、性的嗜好 (88%の確率で的中 )、年齢 ( 75%の確率で的中) などが分かってしまう事が判明しました。


ジャージ・オーウェルが描いた「1984年」の世界は決して絵空事とは言えないようです!



ソーシャルメディア, 表現の手段


「いいね!」で関係づくり


Facebookによると、ユーザーの44%は少なくとも1日に1回はいいね!ボタンをクリックしています。一部の人にとっては習慣にさえなっているかもしれません。


私たちが繰り返しているこの行動の背後には、何があるのでしょうか?それはこの行動が最も手っ取り早く、他者とのつながりと深め、関係を良好に保ち続けられる方法だからです。


また、IpsosのSNSに関する調査によると、コンテンツがシェアされる理由の1位は投稿が興味深かったから(61%)、2位:面白かったから(43%)、3位:ユニークだったからとなっています。



興奮を喚起するコメント欄


SNSでコメント欄があるのはなぜでしょうか?陳腐な説明ですが、他者に伝えたい事があるからです。私たちは、記事やフォーラムにコメントする際、受け取る側がそれに関心を持ってくれることを願います。


2016年に実施されたCarnegie Mellon University (カーネギーメロン大学) のFacebookに関する調査では、たとえそれがどんなに単純なコメントであったとしても、コメントを受け取った側は何かしらの喜びを感じることがわかりました。


友達や同僚がコメントを書くために時間を割いてくれたという事実が、本当の興奮をもたらしているのかもしれません。



ソーシャルメディア, 自撮り


情報を見損なう恐怖


このブログの冒頭で、FOMO (fear of missing out:見失う恐怖) だけがSNSに夢中になる理由ではないと述べました。ここではFOMOの背景を説明します。


みなさん、スマートフォンのバッテリーが10%以下になったらパニック状態になってしまうかもと感じた経験があるのではないでしょうか?それは私たちが全てを把握していたいという気持ちがあり、情報を見失う恐怖もあるからです。情報源が増えたことでFOMO という、新しい依存関係が成立しています。


SNSでは、人が驚くことや有用な情報を提供しましょう。

SNSで多くの共有を獲得し、人気ものになるにはそれが一番の秘訣です♪


ライター: Wix Team


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