2023年10月9日18 分

企業スローガンとは?16企業の事例と作成のポイントを解説

最終更新: 11月21日

今やスローガンは社内の域を超え、ブランディングの一環として思想を世界的に伝える活動の原動力となっています。

「Inspire the Next」や「Just Do it」など、強力な企業スローガンは私たちの生活に定着し、文化に影響することさえあります。この記事では、心に残る優れたスローガンの事例をいくつか挙げ、それらがなぜ効果的であるのかについて探っていきます。あなた自身のスローガン作成にぜひ役立ててください。

目次

スローガンとは?

記憶に残るキャッチーな企業スローガン 10 選

  1. ファミリーマート 「あなたと、コンビに、ファミリーマート」

  2. リクルートホールディングス 「まだ、ここにない、出会い」

  3. サントリー 「水と生きる」

  4. ヤクルト 「人も地球も健康に」

  5. コスモ石油 「ココロも満タンに」

  6. 明治ホールディングス 「健康にアイデアを」

  7. 日清食品  「おいしい、の その先へ。」

  8. 日立グループ 「Inspire the Next」

  9. パナソニックグループ 「幸せの、チカラに。」

  10. シャープ 「Be Original.」


 
参考になる海外の有名企業スローガン6選

  1. メイベリン「Maybe she’s born with it. Maybe it’s Maybelline」

  2. Duolingo「無料で楽しく外国語を学ぼう」

  3. ナイキ「Just do it」

  4. マスターカード「買える物はマスターカードで」

  5. The North Face「Never Stop Exploring(飽くなき探究心)」

  6. ニューヨーク市「 I♡NY 」

スローガン vs キャッチコピー

心を捉えるスローガンを作るコツ

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スローガンとは?

企業スローガンはブランドの経営方針を要約したものです。短くて覚えやすく、なによりも、印象に残るものでなければなりません。優れたスローガンと作成する以下の6つのポイントを見てみましょう。

  • 簡潔である  
     

     
    人間の注意力はすぐに散漫になるため、スローガンを簡潔にすると人々の記憶に残る可能性が高まります。良いスローガンは 10 文字、最大でも 25 文字までにおさめましょう。もちろん、業種やビジネスによって幅はありますが、簡潔なスローガンはオーディエンスの心に残りやすくなります。
     

  • 意味がある  
     

     
    スローガンはブランドアイデンティティを強化し、強調する役割を果たします。ブランディングにおいて、意味を持ち、目的を果たすものでなければなりません。中身のない言葉を並べたり、一般的で曖昧な表現を使ったりするだけでは、ブランド認知を高めることはできないのです。
     

  • タイムレスである  
     

     
    スローガンもロゴと同様、ブランドとともに進化する必要があります。長く使い続けるために、時代を超越したスローガンを意識しましょう。取ってつけたような流行の言葉や俗語など、古くなりそうな言葉や言い回しは避けます。リブランディングの実施を決めた場合は、スローガンの刷新も検討することをおすすめします。たとえば、コカ・コーラはこれまで数え切れないほどのスローガンを生み出してきました。ウィキペディアのコカ・コーラのページには、さまざまなスローガンの変遷をまとめたリストまであるほどです。
     

  • ターゲットを絞る   
     

     
    ターゲットオーディエンスのことを常に念頭におきましょう。そうすることが、スローガンに使う具体的な言葉を決定するのに役立ちます。さらに、言語によって異なる意味を持つ単語にも注意してください。これはスローガンだけでなく、ブランド名の選び方にも共通して言えることです。
     

  • 韻を踏む  
     

     
    韻踏み効果は認知バイアスのひとつです。人には、韻を踏んでいない文に比べ、韻を踏んでいる文を信じやすいという傾向があります。この方法をスローガンに活用すれば、よりインパクトのあるメッセージを伝えられます。スローガンのリズムにも注意を払うようにしましょう。テンポの良い文は、mポジティブな連想やブランド想起のきっかけとなるため、企業スローガンにメロディをつけることを検討してもよいでしょう。
     

  • 感情を呼び起こす  
     

     
    優れたブランディングは、消費者と商品を結びつけるために感情を利用します。スローガンによって、忠実にムードを作り出し、自信を抱かせ、見込み客を呼び起こすことが可能です。おそらくもっとも象徴的な例のひとつとして挙げられるのは、ドラマ『MAD MEN マッドメン』に登場する、説得力のある広告を生み出す天才にしてカリスマ的なドン・ドレイパーでしょう。彼の「コダック社の回転木馬」の広告のピッチは、ブランド幹部の琴線に触れ、史上最高の(架空の)ピッチのひとつとして歴史に残るものとなっています。


 

記憶に残るキャッチーな企業スローガン 10 選


 

01. ファミリーマート あなたと、コンビに、ファミリーマート

ファミリーマートという名前には、地域の人々に寄り添い、家族のような存在でありたいとう思いが込められています。そんな基本理念を反映し、「便利(コンビニエンス)な存在であること」、「お客さまといっしょ(コンビに)」、この 2 つの想いをうまくかけ合わせ、ユニークな表現の企業スローガンが生まれました。

1989年、ファミリーマートのコーポレートメッセージとして制定され、TVCM をはじめとする媒体で、サウンドロゴとしても長期にわたり使用されています。そして、2017年には「音商標」として特許庁に登録。ファミリーマートに入ったとき耳にするあの音楽は、すっかりお馴染みですね。人々の記憶に残るフレーズとして効果的に機能し、世間に浸透したスローガンです。

出典:ファミリーマート基本理念|会社案内

02. リクルートホールディングス まだ、ここにない、出会い。

リクルートの原点は、1960年、学生が自分の意思で自由に就職先を選ぶことが難しい時代に、一人ひとり自分に合う就職先に出会えるよう、新卒採用広告だけを集めた情報誌を創刊したところまで遡ります。

人生におけるさまざまな選択肢を提供する、世界で待っている新たな出会いを実現する、こうしたミッションが込められた企業スローガンです。メディア環境が変化し続け、情報があふれている現代だからこそ、最適な出会いを提供したい、というリクルートのブランドメッセージがストレートに伝わる、シンプルでわかりやすいものになっています。

出典:まだ、ここにない、出会い。 | 株式会社リクルート

03. サントリー 水と生きる

「水と生きる」は、もともとサントリーの環境広告のキャッチフレーズとして、2003年に誕生しました。自然の生態系への感謝や、水を守り育てる志と活動などの思いが凝縮されています。その後、2005年の企業 CI の全面的リニューアルに際し、改めて「水と生きる」が企業スローガンとして確立します。

水資源を守ることだけではなく、社会にとっての水として社会に潤いをもたらすこと、水のようにしなやかに社員一人ひとりが挑戦できる会社であることなど、「水」というキーワードにさまざまなメッセージが込められています。また、水からイメージされたロゴマークの色は「ウォーターブルー」。テーマを一貫させることで、ブランドイメージを効果的に作り上げています。

出典:グループ企業理念|企業情報|サントリーホールディングス

04. ヤクルト 人も地球も健康に

ヤクルトは「世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献」していきたいというミッションを掲げています。その創始者である代田稔博士は、腸内細菌の働きに着目し、昭和 5年に人の健康に役立つ乳酸菌の強化と培養に成功、そして昭和 10年、ラクトバチルス カゼイ シロタ株を乳酸菌飲料「ヤクルト」として製品化します。その背景には、「人の健康に役立つ乳酸菌を誰にでも手に入れられる値段で提供したい」という、代田博士の思いがありました。では、人が健康であるためには何が必要なのか。水、土壌、大気、動植物、これら全てが健康であって初めて人は健康的に生活でき、健全な社会が築かれる、というヤクルトの考えが集約されたスローガンです。

出典:ヤクルトグループのコーポレートスローガンを『人も地球も健康に』と制定

05. コスモ石油 ココロも満タンに

コスモ石油は地球と人間と社会の調和と共生を図り、 無限に広がる未来に向けての持続的発展を目指すことを経営理念として掲げています。環境問題と密接に関連しているエネルギー企業として、地球規模での環境修復・保全活動や、子どもたちに環境の大切さを伝える活動に取り組んでいます。

価値あるサービスや製品を提供しながら、消費者やユーザーの心の豊かさをも満たすことを重視するコスモ石油のメッセージが、ガソリンスタンドで交わされる「満タン」というワードを用いることで、とてもわかりやすく、親近感あふれるスローガンとなっています。

出典:ずっと地球で暮らそう。 ココロも満タンに

06. 明治ホールディングス 健康にアイデアを

明治ホールディングスは 2021年6月に企業スローガンを刷新し、以前の「明日をもっとおいしく」から「健康にアイデアを」になりました。このスローガンは、食と医薬を併せ持つ企業グループとして、これからは特に「健康」というフィールドにおいて、消費者が「いいね」と思えるアイデアをカタチにしていく、という宣言を表現しています。

2016年で創業 100年 を迎えた同社には、次の100年、これまで以上に「グローバル」に力を入れていくという構想があり、海外進出を見据え、企業スローガンを英語と中国語でも作成しています。グループ理念の「健康」は、創業からつながる同社の大切な個性であり、その個性をグローバルに訴えていくためにも、スローガンの刷新が重要視されました。

出典:創業100年、世界で「meiji=健康」の個性を根付かせる新スローガン

グループスローガン|明治グループについて|明治ホールディングス株式会社

07. 日清食品  おいしい、の その先へ。

世界的に知られる代表的な商品「カップヌードル」をはじめ、多くのヒット商品を持つ日清食品。「カップヌードル」が 35 周年を迎えた 2006年より、「おいしい、の その先へ。」をスローガンにした「安全・安心」の企業広告を開始しました。消費者の「食の安全・安心」に対する関心が高まる中、2002年には「食品安全研究所」(滋賀県草津市)も設立しています。

ただ「おいしい」だけではなく、その先にある「安全・安心のおいしさ」「信頼のおいしさ」を追求していくという姿勢が伝わるスローガンとなっています。なお、それぞれの商品がユニークな同社では、ブランドマネージャー制度を採用しています。「カップヌードルをぶっつぶせ」を社内スローガンに掲げ、社内競争を徹底することによって生まれる成果だと言えるでしょう。

出典:日清食品「安全・安心」の企業広告展開を開始


 

08. 日立グループ Inspire the Next

日立グループの企業スローガン「Inspire the Next」は CM でも使用され、耳になじむ音程とリズムと共に、簡潔なそのフレーズが広く世間に認知されています。このスローガンには「次なる時代にひらめきを与えていく、息吹を与えていく」という意味が込められています。

同社は、社会課題の解決に向けた自社技術や商品の開発、ソリューションの提供だけでなく、サステナビリティや環境問題への取り組みも活発に行っています。次世代の社会や人々にインスピレーションを与え、幸せを支えていく、そんな姿勢が表されたスローガンとなっています。また、スローガンのロゴには、「Inspire Flash」と呼ばれる赤いラインを入れ、日立がさらに伸びていくという意志を表現しています。

出典:日立サイト

09. パナソニックグループ  幸せの、チカラに。

パナソニックグループは、2021年にグループ共通の存在意義(パーパス)として「物と心が共に豊かな理想の社会の実現」を目指すことを明示し、新たな企業スローガン「幸せの、チカラに。」を発表しました。

ここには、変化する世界のなかでもパナソニックは人々に寄り添い、持続可能な「幸せ」を生みだす「チカラ」であり続けたい、という存在意義が表れています。かつて創業者の松下幸之助が産業人の使命について語った際、「人生に幸福をもたらし」という表現を使用しています。「パナソニックの真の使命は人生の幸福を安定させることである」というこの考えが、「幸せ」というキーワードを用いた新たな企業スローガンにつながっています。

出典:幸せの、チカラに。 - 企業情報 - パナソニック ホールディングス

10. シャープ Be Original.

シャープは 2016年に新たな経営体制を整え、現在は「Be Original.」という企業スローガンを掲げています。スローガンには 2 つの意図が込められています。

1 つ目が、創業者の早川徳次が遺した「誠意と創意」の精神をこれからも自分たちの『原点』(オリジナル)として受け継ぎ、大切にしていくという意識。2つ目が、「人に寄り添い、新しい価値を提供し続ける企業」として、さまざまな独自の商品・サービスを提供し、お客様一人ひとりの個性や独自性を実現するために、「あなたのための“オリジナル”」を創り続けるという意志です。そして、最後の「.(ピリオド)」にも意味があります。これには、シャープが強い決意を持って事業に取り組んでいく姿勢が込められているそうです。

出典:シャープのコーポレート宣言“Be Original.”を表現する、サウンドロゴを制定しました! | SHARP Blog


 
参考になる海外の有名企業スローガン6選


 

01. メイベリン 
 
「Maybe she’s born with it. Maybe it’s Maybelline」

日本語に訳すと、「メイベリン、生まれ持った才能。きっとそれがメイベリン」と言うスローガン。メイクをするしないに関わらず、メイベリンを知っているという人は多いのではないでしょうか。妹がワセリンに石炭粉を混ぜてまつげに塗っているのを見て、19 歳のトーマス・ライル・ウィリアムズは、1915年にオリジナルの「マスカラ」を開発しました。それ以降、メイベリンのブランドは時の試練に耐えます。憧れの美に対する意識の変化によって、多くの化粧品メーカーがブランド戦略の見直しを余儀なくされる中、メイベリンはその存在感を保ち続けてきました。メイベリンは、ブランドの核となるアイデンティティ、顧客層、価格帯を常に重視しています。そして、既存商品の刷新や、新商品の発売を行っています。
 


 

02. Duolingo 
 
「無料で楽しく外国語を学ぼう」

多様性と多言語ユーザーを基盤とするプラットフォームとして、Duolingo のスローガンは簡潔で覚えやすいものとなっています。効果的に信頼を築き、ブランドがユーザーの行動を支援する内容が強調されています。

この言語アプリは、 TikTok での存在感と、存在感のあるフクロウのマスコットキャラクターで知られています。また、クスッと笑ってしまうおかしな誤訳を集めた「おかしな英語 美術館」でも有名です。Duolingo はクリエイティブなコンテンツを通じてブランド認知を形成し続けながら、同時に熱心な言語学習者のグローバルコミュニティを築いています。


 

03. ナイキ
 
「Just do it」

ナイキの人気スローガン「Just Do It」は行動を応援するものです。スポーツウェアのブランドアイデンティティは、やる気と「進み続ける」 姿勢を鼓舞しています。しかし、このスローガンが生まれたきっかけは、ちょっと普通とは言えないものでした。殺人犯であるゲイリー・ギルモアは、処刑される前の最後の言葉として「Let’s do it」と口にしたといいます。

この最後のフレーズがナイキ広告担当のダン・ヴィーデン氏にインスピレーションを与え、今では世界的に有名なナイキのスローガンを思いつかせるに至りました。こういう状況を表現する言い方、ありましたよね ?インスピレーションは私たちのすぐそばにある、そう、まさにその通りです。


 

04. マスターカード 
 
「買える物はマスターカードで」
 

マスターカードの「Priceless」キャンペーンは年々進化していますが、金融機関では最高と言える広告をいくつか打ち出しています。1997年に制作され、かわいい、おもしろい、そして感動的と、あらゆるジャンルを網羅し、どの広告も同じ設定でありながら飽きのこない内容になっています。広告は、同じテーマやカテゴリーに属する日用品の価格を、リストアップするところから始まります。リストの最後が「priceless」な瞬間となり、「お金で買えない価値がある、買える物はマスターカードで」と広告を締めくくっているのです。

マスターカードは、料理レッスンやアートツアー、セレブリティとの出会いまで、マスターカード会員だけが利用できる体験やお得な情報を集めたハブ「Priceless」を立ち上げ、ブランドメッセージを本格的に打ち出していきました。そして「トゥルーネーム(True Name)キャンペーン」を開始します。このキャンペーンでは、トランスジェンダーやノンバイナリーである顧客が、自分の選択した名前のクレジットカードを持てるようにするため、「あなたの本当の名前を使うことは Priceless」という同じワードでアピールしています。


 

05. The North Face 
 
「Never Stop Exploring(飽くなき探究心)」

The North Face は、パフォーマンスとスタイルにおいて、最高のアウトドアブランドのひとつとして存在感を確立し、持続可能な成長と探求を続けています。The North Face の信念である「Never Stop Exploring(飽くなき探究心)」は、進化することに対するブランド内部の努力だけでなく、消費者にどのようなインスピレーションを与えているのかを、巧みに且つ力強く表現しています。

「ゴープコア(gorpcore)」スタイルが2022年のもっともホットなトレンドのひとつになりつつある中、The North Face はグッチとのコラボレーションや、同年の Supreme とのコラボレーションを完璧なタイミングで発表しています。グッチとのコラボレーションでは、バイラルとなっている TikTok のトレインスポッター(鉄道ファン)であるフランシス・ブルジョワ氏を起用した広告キャンペーンを打ち出しました。このアイコニックなアウトドアブランドは、新世代のアウトドア愛好家に焦点を当てた基金の設立も発表しています。


 

06. ニューヨーク市
 
「 I ❤️ NY 」

T シャツ、ショットグラス、ポスターなどに見られる「I ❤️ NY」のスローガンは、70年代後半から存在したものですが、今日もなお絶大な人気を誇っています。ニューヨーク州商務局は、当時犯罪が多発していたニューヨークの観光客を増やそうと、キャンペーンを計画します。副長官だったウィリアム・S・ドイル氏は、このキャンペーンのために、広告代理店のウェルズ・リッチ・グリーン社とグラフィックデザイナーのミルトン・グレイザー氏を起用しました。

ニューヨーク市は新キャンペーン「Get Local NYC(ニューヨーク市を知り尽くそう)」を開始しました。この新しいキャンペーンでは、「ニューヨーカーのように歩くブロンクス」、「ニューヨーカーのように歩くブルックリン」、「ニューヨーカーのように歩くマンハッタン」、「ニューヨーカーのように歩くクイーンズ」 、そして「ニューヨーカーのように歩くスタテン島」と、ニューヨーク市を訪れる人々にアピールしています。また、COVID-19 の大流行から脱却するために観光を活性化させ、中小企業を支援することも目的としています。

この新しいブランディングの取り組みをもってしても、グレイザー氏が最終的に決定し描いたスケッチは、私たちの ❤️にとって愛すべきものであり、 眠らない街を永遠に定義し続ける最高のロゴのひとつとして生き続けるでしょう。


 

スローガン vs キャッチコピー

スローガンとはブランドのエッセンスを凝縮したものであり、キャッチフレーズ(キャッチコピー)はブランドメッセージを強化したり、特定の利益を強調するものです。キャッチフレーズは、ビジネスの内容を顧客に伝えるものではなく、特定の特徴や側面に焦点を絞って伝えるものです。たとえばレストランなら、提供するすべての料理を宣伝するのではなく、特定のメニューを中心にキャッチフレーズを制作する、というような方法が考えられます。
 

スローガンは通常、広告やマーケティングキャンペーンで、企業の使命を伝えるために使われます。そのため、印象的で記憶に残りやすく、商品を販売したり、ブランド全体の認知度を高めたりするためにデザインされています。一方キャッチフレーズは、一般的にロゴやブランド名と一緒に置かれ、ブランドのイメージを想起させるものです。そのため、スローガンよりも短く間接的であることが多く、企業は通常、商品を売るためにキャッチフレーズを使うことはありません。たとえば Apple のキャッチフレーズ「Think different」は、同社を革新的で競合他社とは異なるブランドとして位置づけるためのものであり、特定の iPhone を売るためのものではありません。


 

心を捉えるスローガンを作るコツ

既存のブランドから記憶に残るスローガン例をいくつか取り上げてきました。次はあなた自身のスローガンを作る番です。いくつか役立つヒントを紹介します。

  • シンプルにする  
     

     
    スローガンは簡潔ですぐに理解できるものでなければなりません。考えすぎずに、あなたのブランド価値に忠実でいてください。ブランドマニフェストとブランドストーリーからアイデアを引き出しましょう。
     

  • ロゴを考慮する  
     

     
    多くの場合、スローガンとロゴは密接な関係にあります。スローガンをデザインに組み込むのなら、最初からこの点を念頭に置いておきましょう。テキストの間隔や全体の構成など、ロゴデザインをどのように補完できるのかについて考えます。この 2 つの要素は互いに補い合う必要があるのです。「I Love New York」のように、随所で目にするひとつのシンボルとして、州の公式スローガンとロゴを兼ねるような場合もあります。
     

  • 言葉を賢く選ぶ  
     

     
    見込み客の注意を引くための時間は長くはありません。つまり、あなたの発言はインパクトがあり、注意を引くものでなければならないのです。使い古された言い回しや決まり文句は避け、ただ発言することだけを目的に、何かを言うのはやめましょう。すばやく核心をつくことが肝要です。
     

  • 単体でも成り立つものにする  
     

     
    優れたスローガンは、明確で、追加情報を必要とせず、あなたのビジネスが何をするのかを、すぐにオーディエンスに伝えられます。イタリアのハイファッションブランド、ボッテガ・ヴェネタが以前から実行しているように、スローガンだけを掲げるブランドもあります。
     

  • 試す  
     

     
    ほとんどのブランディング資産と同様に、不備を見つけるためにテストすることが重要です。たとえば、他人があなたのスローガンを口にするのを聞くことで、そのトーン、メッセージ、言いやすさ、そしてそれが本当にあなたのビジネスに合致しているかどうかを測ることができます。


 

まとめ


 
この記事では、日本と海外の企業スローガン事例を集めて紹介しました。どれも、自社の「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)」を表現する、キャッチーで印象的なスローガンです。これからスローガンを作成する人や、企業を考えている人の参考になれば幸いです。
 

 
スローガンを作成したら、企業ホームページで掲載することも忘れないようにしましょう。訪問者にブランドアイデンティティを伝え、世界観やブランドの強みを覚えてもらうことが期待できるかもしれません。

この記事を書いた人

Miyuki Shimose

SEO & ブログコンテンツマーケター