5月30日11 分

ノーコードツールとは?活用するメリットやできること、おすすめも紹介

最終更新: 6月3日

※こちらの記事は侍エンジニア様よりご寄稿いただきました。

プログラミングスキルがなくてもWebサービスを開発できるって本当?

開発にかかる費用や工数を削減できるって具体的にどういう意味?

ノーコードツールって本当に安全なの?

IT業界の発展とともに、プログラミングスキルがなくてもサービスが開発できる「ノーコードツール」が注目を集めています。

ただ、名前を聞いたことはあるものの、実際にノーコードツールがどんなものかイメージが湧かない人は多いですよね。

そこで、本記事ではノーコードツールのメリットや注意点を紹介します。具体的かつ効果的なノーコードツールの活用方法について解説するので、ぜひ参考にしてください。

記事の要約

  • ノーコードツールなら誰でも簡単にWebサービスを制作できる

  • 用途に応じたさまざまなノーコードツールがある

  • ノーコードツールをより活用するならプログラミングを学習しよう

ノーコードツールとは

ノーコードツールとは、誰でも簡単にWebサービスを開発できるサービスです。

本来、Webサイトの制作にはプログラミングスキルが必要ですが、ノーコードツールを使えば直感的な操作できれいなページを作成できます。

たとえば、身近なノーコードツールに「Wix」があります。Wixはデザインのテンプレートが豊富で、ドラッグ&ドロップのみで制作できるのが特徴です。Wixは世界で2億5千万人以上が利用しているほど有名なサービスなので、拡張性やカスタマイズ機能などのアップデートも定期的に行われています。

ノーコードツールを活用する3つのメリット

ここからは、ノーコードツールを活用するメリットを、3つにまとめて紹介します。

  • スキルなしでWebサービスが開発できる

  • 開発への人件費や工数が削減できる

  • 短期間で複数のサービスを開発できる
     

スキルなしでWebサービスが開発できる

前述したように、ノーコードツールを使えばプログラミングスキルがなくても、Webサービスを開発できます。

誰でも簡単にWebサービスが作れるノーコードツールを利用すれば、どのタイミングでも自由に制作作業に取り掛かれます。

たとえばWebサービスの開発をしたいタイミングは、新商品のリリースや新事業、店舗の開業など忙しいことが多いでしょう。

紹介したWixなどを使えば、プログラミングスキルがなくても1時間程度で高クオリティのWebページを作成可能です。

開発への人件費や工数が削減できる

ノーコードツールを利用すれば、Webサービスの開発にかかる人件費や工数の削減になるのもメリットです。

Webサービスを開発する際には、プログラミングスキルを扱える人材を探すことにも人件費や工数がかかります。

またどのようなWebサービスを制作したいのか、組み込んでほしい機能は何かと伝える工数も発生するため、実際に運営できるまでに多くの時間を必要とするでしょう。

ほかにも人件費や工数を抑えることに加え、プロのWebデザイナーに依頼するための費用を大幅に削減できるのがノーコードツールのメリットです。

短期間で複数のサービスを開発できる

ノーコードツールを利用すると、短期間で複数のWebサービスを開発することもできます。

プログラミングの知識がなくても使えるノーコードツールであれば、1人が短期間にいくつものWebサービス開発に取り掛かれるからです。

さらに法人など、複数人でサービスを開発できる環境であれば、サイト運営までのスピードは早まるでしょう。

紹介したWixでWebサービスを制作すれば、同時に複数のプロジェクトを進行できます。短期間で複数のサービスを開発したいのであれば、ノーコードツールの利用がおすすめです。

ノーコードツールでできること

ここからは、ノーコードツールでできることを、4つにまとめて紹介します。

  • Webサイトの制作

  • アプリの開発

  • 手作業の自動化

  • データベースの管理
     

Webサイトの制作

ノーコードツールでは、Webサイトの制作が可能です。たとえば Wix なら、ドラック&ドロップの操作のみで、動きのあるサイトを制作できます。

また、Webサイト制作を助ける次のような機能を活用することも可能です。特殊な機能

  • AIによるレイアウトの提案

  • サイトに関する改善策の提案

これは、ノーコード Web 制作ツールのなかでも Wix がユーザーのサポートに力を入れており、日本語での丁寧な電話対応を提供しているからこそ実現できることでもあります。

もちろんシンプルなWebサイトも制作できるので、ノーコードツールの利用に迷ったらWixを少し触ってみるのも良いでしょう。

アプリの開発

ノーコードツールを利用すれば、アプリの開発も可能です。ユーザーがWebサイトと同時にアプリも利用することで、自社のブランディングや一貫したサービス提供ができます。

たとえば2021年から提供されている「マイアプリ by Wix」では、アプリ開発が可能です。

Wixの調査によると、この「マイアプリ BY WIX」を利用して制作されたモバイルアプリを利用した場合、ネットショップでの取引数が162%増加しています。またフィットネスの予約サイトにおいては、予約数が510%増加していました。

参考:PR TIMES

手作業の自動化

ノーコードツールを利用すると、手作業で行っていたことの自動化が可能です。

たとえばGoogleフォームを使って人材募集を行う際、応募してきた人を手作業でリスト化している人は多いでしょう。

しかし人的ミスの発生につながったり、効率が悪かったりとデメリットが多くあります。ノーコードツールなら、この手作業で行っていたリスト化を自動で行えます。Wixでは「Wixオートメーション」という機能で実装可能です。

出典:Wixヘルプセンター

上記画像のように、Googleフォームが提出された(行動)とき、スプレッドシートにまとめる(機能)ことができます。

とある行動に基づいて、カスタマイズされた機能を発動できるのがノーコードツールを利用してできるメリットの1つです。

データベースの管理

ノーコードツールでは、データベースの管理もできます。データベースとは、今後も繰り返し使用したいフォーマットだけをあらかじめ制作したものです。

たとえば定期的にイベントを開く場合、概要や開催する場所の住所、参加費用、参加人数などをイチからまとめるのは非効率です。こういったとき、表のデータベースがあれば呼び出して、今回のイベント内容を記載すれば簡単に作業が進められます。

また、他にも訪問したユーザーが起こす行動によって、それぞれ表示するページを変更する(動的ページ)の作成も可能です。Wixなら「Wixデータベース」を活用しましょう。

おすすめのノーコードツール厳選3つ【用途別】

ここからは、用途別におすすめのノーコードツールを厳選して3つ紹介します。

  • Webサイトを制作するなら「Wix」

  • アプリを開発するなら「マイアプリ BY WIX」

  • 業務効率化に活用するなら「Zapier」

Webサイトを制作するなら「Wix」

出典:Wix

Webサイトの制作には「Wix」がおすすめです。Wixではホームページの作成や管理、集客などさまざまな機能が用意されています。

そのためWebサイトの制作だけでなく、その後の運用までを考慮されたノーコードツールといえるでしょう。

また900種類以上のデザインテンプレートが用意されているため、すぐにWebサイトを制作したい人にもおすすめです。

専門家でなければ対応の難しいSEO対策もWixで完結でき、クオリティの高いWebサイトを制作できます。

WebデザイナーやSEOコンサルタントを募集するための工数を削減できるため、Wixを利用すれば費用を抑えたWebサイトの制作が可能です。

アプリを開発するなら「マイアプリ BY WIX」

出典:マイアプリ BY WIX

Webアプリの開発なら「マイアプリ BY WIX」がおすすめです。マイアプリ BY WIXで制作したアプリは、ネットショップやレストランなど、さまざまな業界で活躍してます。

たとえばマイアプリ BY WIXで制作したアプリは、Wixで制作したWebサイトとの連携が可能です。シームレスな連結によって、アプリユーザーにもサイトの訪問者にも一貫したサービスの提供ができます。

マイアプリ BY WIXで開発したアプリからは美容院の予約ができたり、飲食店で注文ができたりとさまざまな使い方ができます。

アプリを必要としているすべてのビジネスにあった、オリジナルを簡単に制作できるのでおすすめです。

業務効率化に活用するなら「Zapier」

出典:Zapier

業務効率化に活用するなら、「Zapier」というノーコードツールがおすすめです。Zapierはアプリやサービスを連携

させて、業務を自動化できます。

たとえばWordPressで記事を公開したときに、同時にさまざまなSNSでの告知投稿を行うといったことも可能です。他にも、メールで受け取った請求書を自動でPDF保存することもできます。

業務を自動化するだけで作業者の負担が少なくなるだけでなく、人的ミスを避けることも可能です。そもそも担当者も必要なくなるため、採用や維持にかかるコストも削減できます。

このようにZapierを活用すれば、業務プロセスの自動化で効率的に作業を進められます。

ノーコードツールを活用する際の注意点3つ

ノーコードツールを活用する際には、次の3つに注意しましょう。

  • カスタマイズには上限がある

  • 大規模サービスの開発には不向き

  • 情報漏洩やセキュリティリスクへの対策が必要

カスタマイズには上限がある

ノーコードツールは万能ではありません。あまりにも細かいカスタマイズの場合、思い通りのWebサービスにはならない可能性が高くなります。

これはプログラミングスキルがない人でも簡単にWebサービスの制作ができる、ノーコードツールだからこその注意点でしょう。

またノーコードツールを利用したWebサイトでは、完全なオリジナリティを出すことは難しいです。

デザイン性や機能性の高いWebサービスを制作する場合には、Webデザイナーなどの一定のスキルを持った人材を確保しましょう。

大規模サービスの開発には不向き

ノーコードツールを利用する場合、シンプルなWebサービスの開発に向いていることを理解しておきましょう。

大規模なWebサービスの開発を考えているのであれば、ノーコードツールの利用は不向きです。データを簡素化しているノーコードツールでは、大規模な処理には対応できません。

もし大規模サービスの開発にノーコードツールを利用した場合、時間がかかるだけでなく、結果的に理想のWebサイトが完成しないことも考えられます。

複雑な機能や拡張性を期待するのであれば、プログラミングスキルを使ったWebサービスの開発を行いましょう。

情報漏洩やセキュリティリスク対策が必要

ノーコードツールを利用する場合には、情報漏洩(ろうえい)やセキュリティリスクに注意が必要です。

2021年の、Microsoft社のローコードアプリ開発ツールで作成されたアプリから情報が漏えいした事例からは、ノーコードツールにおいても正しくセキュリティリスク対策を行う重要性がわかります。このような事件を避けるために、信頼できるセキュリティサービスを選ぶことが重要です。

またプラットフォームの提供が終了すれば、制作したWebサービスも使用不可能となります。他にも、制作したWebサービスのアクセス権限を間違えて設定した場合、企業の機密情報が全世界に公開される可能性もあるでしょう。

万が一のことがあれば、重要なデータや個人情報の漏洩によって企業の信頼性や評判に悪影響となる可能性も考えられます。

ノーコードツールを使う場合でも、情報漏洩やセキュリティリスクへの対策は必ず必要であると考えておきましょう。

より効果的なノーコードツールの活用を目指すなら

ノーコードツールで、さらに細かなカスタマイズを実装するため、一定のプログラミングスキルを習得しておくと良いでしょう。

ノーコードツールを利用して簡単にWebサービスの大枠を制作し、それぞれのサイトにあった機能を自身でプログラミングする方法が効率的です。

しかし侍エンジニアブログ調査した結果、約87.5%がプログラミングの学習途中で挫折しています。また、挫折を経験した人の62.5%が「あったらよかったこと」として「不明点を気軽に聞ける環境」と回答しました。

「完全オリジナルのWebサービスをつくりたい」「機能の充実したサイトにしたい」と考えているなら、プログラミングスキルの習得を目指しましょう。

侍エンジニアでは、マンツーマンのサポート体制でプログラミング学習の挫折を回避できます。

不明点をいつでも気軽に質問できる環境が整っているので、プログラミング学習をスムーズに進めたい人は検討してみてください。

まとめ

本記事ではノーコードツールのメリットや注意点を紹介しました。

ノーコードツールはプログラミングスキルがなくてもWebサービスを開発できるため、利用価値は非常に高いです。

ただしカスタマイズの制限や大規模サービスの開発には向かない点、また情報漏洩やセキュリティリスクには注意して利用しましょう。

プログラミングスキルとのバランスを取りながら、ノーコードツールをうまく活用しましょう。

執筆者:奥純一

侍エンジニア