2023年8月10日14 分

商品説明の書き方ガイド|ECサイトのコンバージョンとGoogle検索順位を上げる方法

最終更新: 2023年11月2日

公開日 2018年11月14日、更新日 2023年8月10日

ネットショップを作成したり、その他の場所で商品を売ったことがあるなら、一度は「商品説明」を書いた経験があるでしょう。顧客の心をつかむ優れた商品説明が存在する一方で、実は Web 上に存在する商品説明の大半には重要な情報が含まれていません。EC サイトで買い物をする際に、正確で分かりやすい商品説明が書かれているかどうかは、売り上げを左右するほど大切です。

また、商品説明は Google の検索順位を上げるためにも重要です。しかし多くの説明文ではこのことが考慮されていないのです。

本記事では、買い物客の目を引く商品説明の書き方を説明します。訴求力の強い説明文を書くコツに加えて、コンバージョンにつながる商品コピーを作るためのプロのテクニックもあわせて確認してみましょう。
 

 
これからネットショプを作成する人は、ECサイトの作り方について説明した記事もおすすめです。あわせてチェックしてみてください。

目次

商品説明とは?

商品コピーの基本

商品説明を書くための上級テクニック9選

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商品説明とは?

商品説明とは、商品に関する重要な情報を伝え、それを購入することで得られるメリットを説明する短い宣伝文のことです。

ネットショップでは、商品説明は通常、商品画像の側に配置されています。マルチチャネル販売戦略を行っている場合は、商品説明の文字数と配置が、マーケットプレイスごとに異なる可能性がある点に注意すべきです。
 

 
たとえば、Amazon の商品説明はスクロールしなければ見えない位置(below the fold)にあります(箇条書きにするとリスティングの一番上に掲載されるようになります)。また、Amazon は説明文に 2,000 字までの字数制限を設けており、期間限定の情報やカスタマーレビューを記載しないなど、一定の規定も定めています。

本記事では、「商品ページ」の中でも最も自由度の高い、自社 EC サイト(ウェブサイト)に掲載する説明文の書き方に焦点を当てていきます。しかし、ここで紹介するヒントの多くは、マルチチャネルのリスティングのガイドラインとしても活用できます。

商品コピーの基本

商品コピーを作る際には、売り手が共通して陥りやすい「罠」が存在します。商品のセールスポイントを説明せず、商品の特徴を味気ない文章で記しただけの説明文がとても多いということです。または文章がとても長く、見やすさを意識したスペースの挿入や書式設定がないこともあります。

コピーを作成する場合は以下の点を参考にするとよいでしょう。

  • コピーは常に短文かつ簡潔なものにする

  • その商品ならではのセールスポイントを全面に押し出す

  • 買い手の感情に訴える

  • 文法的な誤りや不正確な文言がないことを確認する

  • SEO とユーザーエクスペリエンスを目的とする両方のキーワードを自然に組み込む

Eコマースの SEO 対策を成功させるには、とにかく商品説明を書く練習をすることがベストです。他のブランドから取り寄せた商品を含むカタログの場合は、その商品のメーカーから文章をコピー&ペーストすることだけは避けましょう。

Google などの検索エンジンに不正や重複と判断されないよう、時間をかけて独自の説明文を作っておくことをおすすめします。Google はコピーの重複を区別しないため、だれかがそのコピーに関連する検索クエリを入力すれば、元のメーカーのサイトが表示されてしまう可能性があります。

ショップの商品を検索する人たちを、独自かつ SEO を考慮したコピーを作ったウェブサイトに誘導することを心がけましょう。

商品説明を書くための上級テクニック9選

ここからは、さらに一歩進んだ上級テクニックを紹介します。コンバージョン率の高い商品コピーを作るためのテクニック 9 選をじっくりと学んでいきましょう。

  1. まずオーディエンスを把握する

  2. 商品のセールスポイントを明確に表現する

  3. ありがちな最上級の表現を避ける

  4. 画像に合わせた説明文を書く

  5. ストーリーテリングで興味を引く

  6. ブランドのパーソナリティを紹介する

  7. 社会的証明による信頼を築く

  8. 買い物客がすぐに理解できる商品説明を作成する

  9. 業績を測定してKPIに基づく最適化を実施する

01. まずオーディエンスを把握する

どれほど優れたライターであっても、オーディエンスが求めるものを理解していなければ、リーチすることはできません。オーディエンスが求めるものをできる限り正確に把握し、ターゲットである買い手について熟知してからコピーを書き始めましょう。

たとえば、次の点を考えてみてください。商品カタログにウールのブランケットを掲載しているとします。この商品のターゲットは、新米ママ?子ども?それとも大学の新入生?

ギフトとして買う人が多いですか?それとも、寒い時期に必要に迫られて購入されるのでしょうか?顧客の頭の中を知れば知るほど、商品コピーの訴求力は高まります。

まずはじめの一歩として、買い手のペルソナを作成してみましょう。購買層、動機、日々の習慣、そしてターゲットの買い手に関するその他の重要な特徴について明らかにしていきます。商品一つでタイプの異なる複数の買い手の関心を引くことももちろん可能ですが、より詳細な特徴が得られれば、買い手の感情に訴えかけやすくなります。

02. 商品のセールスポイントを明確に表現する

「特徴は自ずと伝わるが、セールスポイントは売り込んでこそ」とはよく言ったもの。この一言から学ぶことは多くあります。

商品説明の役目は、特徴を表示するだけではなく、買い手の生活にその商品が必要な理由を気付かせることでもあります。その商品を使うと何が得られるのか?今後ではなく、「今」現在買い手が必要としているものは?

以下に犬用ベッドの説明文 2 種類を紹介します。両者の違いを考えてみてください。
 

説明 A

「洗濯機で洗える犬用ベッド。上質な綿とポリエステル製で、底にはシリコンレイヤーを設置。18~40 kg のわんちゃんに適しています」

説明 B

「洗濯機で洗える、丈夫でお手入れが簡単な犬用ベッド。わんちゃんが喜んで心地よく寝られる専用ベッドです。綿混のポリエステル素材のため肌触りが良く、独自の滑り止め設計によりご家族もペットも安心。18~40 kg のわんちゃんにぴったりのサイズです」
 

どちらも同じ商品の特徴を紹介している文章ですが、説明 B では、わんちゃんが(あなたのベッドではなく)専用のベッドで喜んで眠ってくれるようになること、また、滑り止め設計によって家族で安全に使用できることを明記し、商品の本質的な価値を強調しています。

以下のような質問を自分に問いかけて、商品のセールスポイントを再度定義してみましょう。

  • 商品が顧客にとって重要な理由は?

ペルソナを考えたとき、その商品はペルソナのニーズやウォンツ、悩みをどのくらい満たすでしょうか?少し時間を取って商品の重要性を考え、その商品で解決しようとしていた本来の問題点に反映させてみましょう。実際、商品についてのオリジナルストーリーを伝えることで、買い手とのつながりや共通点を見つけやすくなります。
 

  • 商品を使用できる場所、手段、シーンは?

商品にはたくさんの用途があるかもしれませんが、この問いは、最も一般的な用途のうちいくつかをピンポイントで示すのに役立ちます。顧客にとってのイメージを明確にすることで、顧客もその商品を使っている自分を具体的に想像できるようになるのです。商品を手に取ったとき、顧客は何をしているか、どこにいるのか、だれと一緒なのかなど、複数の場面を想定して答えを考えてみましょう。
 

  • 商品について買い手が知っておくべき情報は?

「商品が説明と違う」は最もよくある返金理由の一つです。これを防止するためには、正確で過不足のない商品説明が大切です。商品サイズについての詳しい説明、素材、重さ、組立時に特に注意すべき点などがきちんと含まれていますか?商品に関するあらゆる不安を払拭し、予期せぬサプライズの発生を最小限に留めるよう意識しましょう。返品対応になってしまうと、コストがかかります。説明不足のまま商品を販売すると、メリットよりもデメリットが上回る可能性が高いということを覚えておきましょう。

商品説明に記載するべき情報

商品説明文を書く際には、以下の 5W1H(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)に基づいて、必要な情報を整理することができます。

このように、消費者にとって必要な情報を網羅し、商品の特徴や利点をわかりやすく伝えることがで、誤解を防ぎ、顧客の満足度を安定させることができるでしょう。
 

 

03. ありがちな最上級の表現を避ける

商品説明には、月並みなことばやフワッとしたことばを使わないように注意しましょう。それらしく聞こえるからと、「最高」、「素晴らしい」、または「高品質」といった表現を使うのも避けるべきです。

こうした表現には説得力や面白味がなく、単なる意見に過ぎません。

魅力的な商品説明には、その商品がいかに優れているかを示す訴求力のある正確なことばが含まれています。ブランドイメージに合った新しい表現を厳選し、かつ複雑にしないよう注意しましょう。たとえば、アクセサリーを「ファッショナブルで最高級の品質のイヤリング」と表現するのではなく、「純金製でちょっと変わったドロップモチーフのイヤリング」のように説明するのはどうでしょう?

例外として、「売れ筋」や「一番人気」といった表現は、月並みではあるものの EC サイトでは効果を発揮します。これらの表現を使う場合は、購入ランキングなどその説明が事実であるという根拠を付け加えるとよいでしょう。

結局のところ、重要なのはブランドの信頼性です。守れない約束はせず、文章に個人的な偏見が表れないよう、作成するコピーの内容には十分注意しましょう。

04. 画像に合わせた説明文を書く

顧客に鮮明なイメージを描いてもらうためには、商品説明と商品画像が絶妙にマッチしていなければなりません。
 

例えば Apple は Apple Series 8 Smartwatch のセールスポイントを強調するため優れたビジュアルを用意し、顧客に旧モデルからのアップグレードを促しています。新モデルのスマートウォッチについて特に詩的な表現を使い、画面全体に表示した時計の文字盤の画像の上に、商品の最も魅力的な特徴を重ねて表示しています。

最初の商品説明は、リニューアルした腕時計の最も注目すべき特徴として、健康デバイスとしての充実した機能を強調しています。

「健康の未来へ、新たな一歩を」

「健やかな毎日に欠かせないパートナーが、これまで以上にパワフルに。女性の健康にとって大切な情報を読み取れる皮膚温センサー。緊急時に助けを呼べる衝突事故検出。睡眠をより深く理解できる睡眠ステージ。そして、強化されたワークアウトアプリ内の先進的なトレーニング方法。健康の未来は、ますます見晴らし良好です。」
 
「この美しさは、やわじゃない。」

Apple は単純明快な画像を大胆に取り入れ、ページ全体で商品の写真とコピーをうまく調和させています。コピーは見た人の想像に頼り(その逆もしかりですが)、まとまりのあるストーリーに仕立てられています。

05. ストーリーテリングで興味を引く

良い商品説明とは、過剰に売り込むことなく商品に関する重要な情報を伝えるものです。ここでの目標は、売り込んでいるということを顧客に意識させずに、行動に移すよう促すことです。これはもちろん、一筋縄ではいきませんが、目標達成に向けて活用できる手法があります。それが、「ストーリーテリング」です。

優れた物語と同じく、商品説明にも登場人物、設定、テーマ、対立、プロットが必要です。今回の場合、登場人物はターゲットである買い物客です。設定には、商品を使用するのに理想的な時間と場所を反映しましょう。対立とプロットはそれぞれ、商品が対処できる問題点とセールスポイントが該当します。

この手法は、より効果的で魅力的な説明を作るのに役立ちます。例として、下記のハンドソープの説明を考えてみましょう。

「当社のオーガニックソープは手にやさしく、自然をイメージした香りがします。 」これをショートストーリーに書き換えると・・・

「当社のオーガニックベルガモットローズハンドソープは、どのようなトイレでも使いやすい商品です。ご自身、ご家族、または来客にお使いいただき、繊細なローズとほのかなスパイシーフローラルのベルガモットの香りをお楽しみください。当社のソープは少量ずつ手作りしておりますので、敏感肌の方も安心してお使いいただけます。さらに、お部屋がガーデンのような香りになることでしょう」

環境への意識が強く、地球に優しいハンドソープを取り入れたい若い消費者に向けて書かれた説明だということが分かります。

06. ブランドのパーソナリティを紹介する

力のあるブランドは一日にしてならず。しかし、ブランドの構築に成功するには一貫性が必要です。

ブランディングを成功させるための戦略の一環として、商品説明はブランド独自の考えをしっかりと示すものにしましょう。

同時に、クリエイティビティ以前に明瞭さの優先が大切です。顧客が理解しやすいコピーライティングを心がけてください。いくら独自性を出すと言っても、やりすぎは禁物です。シェークスピア風の分かりづらいことばを使ったりして、メッセージ性を低下させないように注意しましょう。

07. ソーシャルプルーフ(社会的証明)による信頼を築く

ここで一つ問題です。カスタマーレビュー、商品の評価、ユーザー生成コンテンツ(UGC)に共通するものは何でしょうか?

これらはいずれも、商品ページを充実させてくれるソーシャルプルーフ(社会的証明)の手段です。

ある調査では、消費者の 94%が購入を判断する時にカスタマーレビューを非常に参考にすると答えており(価格が予算を上回っていても同様。PowerReviews 調べ)、ソーシャルプルーフは極めて重要なものであることが分かります。以下を参考にして、商品説明にこの要素を組み込む方法を考えてみましょう。

  • 商品の愛用者として、顧客の声を記載しましょう。たとえば、スニーカーのアーチサポートによって腰痛が和らいだという神奈川県のさつきさん(43歳)の感想など。

  • 商品の評判に関連する記事、獲得した賞、評価を引用しましょう。

  • カスタマーレビューの内容を商品説明でも引用し、その効果や独自性の証明に活用しましょう。
     

Wix には、カスタマーレビューと UGC をサイト内に簡単に統合できる機能があります。Wix のビルトインツールでユーザーが投稿した動画・画像を収集してサイトに表示し、人気のレビューアプリとサイトを統合できます。

08. 買い物客がすぐに理解できる商品説明を作成する


 
顧客がコピーの一言一句を読んでくれれば一番ですが、実際はほとんどが流し読みされています。 モバイルコマースの登場により、コンテンツをスマホの小さな画面でも理解しやすい形式にすることが、特に重要になってきています。

箇条書き、適切な見出し、太字と斜体(慎重に使いましょう)の使い分けといったテクニックに加えて、すぐに、そして簡単に読める文章に仕上げましょう。

ページの一番上の部分以外にもコンテンツを配置できることも覚えておいてください。ページ全体を自由に活用してよいのです。

Apple、Fitbit、Urban Outfitters は、商品ページを最大限に活用している小売メーカーの一例です。無限スクロールなど最新の手法を取り入れて商品ページをソーシャルメディア風に表示させるなど、それぞれのブランド色を押し出したサイト作りは見事です。

09. 業績を測定してKPIに基づく最適化を実施する

商品説明はクリエイティブなものですが、常に特定の目標を意識して文章を書くことが大切です。重要業績評価指標(KPI)を設定し、コピーライティングの影響力を測定するためのシステムを導入しましょう。

商品説明は、以下の指標を含む多数の KPI に影響を与えます。

  • 総売上

  • 平均注文金額(AOV)

  • 平均商品販売額

  • 商品ページのコンバージョン率

  • 顧客返品率

  • 検索エンジンの表示順位

こうした KPI にはさまざまな要素が影響しますが、商品説明に A/B テストを実施することで、商品のどのようなベネフィット、価格、全体的なメッセージが買い手の共感を得るのかの確認に役立ちます。加えて、Google アナリティクスや Google Search Console のようなツールも、ページ上および検索時のユーザーの行動(ページの滞在時間、バウンス率、検索語など)追跡に活用できます。

どこから手を付ければよいか分からない場合は、閲覧開始数の最も多いページを解析するところから始めてみましょう。現時点で何人の訪問者からコンバージョンが得られましたか?訪問者のページ滞在率は?返品率はどのくらい?顧客からはどのようなフィードバックが寄せられている?など、見るべきポイントはたくさんあります。

コンバージョンと顧客の行動に関して明確にしたい改善点の種類を数値化しましょう。その後、新しいコピーをテストする計画を立てます。

商品説明を通じてカスタマージャーニー全体の質を向上
 

商品説明は、それぞれの商品が持つセールスポイントを表現するための一等地の不動産のようなものです。適当に書いて、早く商品を公開したい、まずは簡単に書いて後でじっくり考えたい、という誘惑に負けず、ここで紹介したコツを活用して魅力的な商品説明の書き方を試してみてください。その商品の価値に見合った説明文が書ければ、EC ビジネスにも相応の成果が生まれてくることでしょう。

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編集者:Miyuki Shimose

SEO&コンテンツマーケター